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iPhoneでウェブを見て回っていると、ときどき完全に表示されないページに遭遇することがある。またパソコンで見慣れたページでも、iPhoneで見ると動画やアニメーションの部分が白紙の状態になるときがある。こうした場合、その部分にFlashという技術が利用されている可能性が高い。AppleはMacではFlashに対応しているのだが、iPhoneやiPod touchでは対応していない。未対応の理由は、電池の減りが速くなったり不具合が起こりやすいとAppleが考えているからだといわれている。(関連記事:Tech Wave : ジョブズ氏がFlashをこき下ろしたという情報再び)
iPhoneの小さな画面で真剣にウェブページを見る人は少ないのでFlashに未対応でもそれほど問題はないが、新発売のiPadのような大きな画面でFlashに対応していないのは問題。そこでiPadでもFlashのような効果が得られるサービスを米Brightcoveがスタートし、注目を集めている。
Brightcoveが始めたのは、Brightcove Experience Framework for HTML5というツールを提供するサービス。サイト運営者向けのサービスで、このサービスを使えばFlashを使わなくてもFalshと同じような動画やアニメーションを実装できるという。
iPadの販売予測が上方修正されるなどFlashに対応しない機器の普及が見込まれる中で、サイト運営者の間でFlashを廃止する動きが出始めている。(関連記事;米航空のサイトがFlash削除。恐るべしiPhoneの影響力)アクセス解析などの機能も実装するようで、Flash廃止を検討しているサイト運営者にとっては魅力あるサービスになりそうだ。
それにしてもBrightcoveは、状況の変化への対応が速くて関心する。以前は、YouTubeのような動画共有サービスを運営していたのだが、YouTubeが動画共有のデファクトスタンダードになると判断したのか、ビジネスモデルを大きく変換し、企業向けの動画ホスティングサービスに軸足を移した。効果測定や物販への誘導など企業向けの細かなニーズに応えることでYouTubeとの差別化に成功しており、米国ではかなりの企業に導入されているようだ。
日本のBrightcoveの担当者を一度取材させてもらったことがある。日本での普及はこれからといった感じだったが、日米の一般的な企業のサイトを見比べて、明らかに違うのが動画の使用の頻度。米国サイトは、商品やサービスの説明には必ずといっていいほど動画が使用されていて非常に分かりやすい。いずれ日本でもより多くのサイトが動画をより頻繁に利用するようになると思う。これからの日本でのBrightcoveの動きに注目したい。(関連記事:Brightcoveがビジネスモデルを変更していた=動画+広告は成立しないのか)
情報源;
Brightcove’s New Tool Helps Build “Flashless,” iPad-Ready Web
Brightcove uses HTML5 to fill iPad’s Flash hole
Brightcove Targets iPad With HTML5 Support
HTML5 | Brightcove
No Flash On The iPad? No Problem. Brightcove Turns Videos Into HTML5.