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これまで、雑誌や新聞のiPadアプリの広告枠完売から、実際のアプリの使用感までTechWaveで記事にしてきました。でも実際のところ、メディア系のiPadアプリってどれくらい売れてるの?ということでちょっと調べてみました。まずiPadアプリ全体の話からすると、先週末のiPad発売から4月7日までの1週間未満で、いま現在iPadアプリとしてのみ販売されているアプリ数は2,385点。(Distimo調査)アプリのカテゴリとしてはゲーム(833)が断トツで多く、全iPadアプリの35%を占めるそう。次いで多いカテゴリが、エンタテーメント(260)と教育関連(205)です。
では本題の雑誌・新聞関連のアプリの売れ行きはどうか。”The Wall Street Journal”が発表した無料・有料アプリのランキングTOP25を見てみると、”New York Times”や”The Wall Street Journal”、”BBC News”、”USA Today”、”Time magazine”、”Popular Science”、”NPR”など多くのメディア系アプリがランクインしている。”NPR”のダウンロード数は、iPadが発売された先週土曜だけで3万を超えたそう。アップルが発表した発売初日のiPad販売台数は30万なので、10人に1人がNPRのアプリをダウンロードしたことになりますね。これらの情報を見る限り、今のところ順調といえそうなメディア系のアプリ。でもユーザの反応はどうでしょうか。
iPadアプリのダウンロードが始まって1週間未満の現時点では、有料アプリの方が好評のよう。これにはいくつかの理由があるかと。そもそも初期ロードの iPadを買うユーザは、かなりテッキーで、いろいろなアプリを積極的に試してみたいというマインドを持つユーザであることが想定されます。また、発売前からiPadは電子書籍リーダーという側面が強調されてきているため、雑誌社・新聞社含むメディアがどう出るのかに注目が集まっていること。でもこの勢いが続くかというと、ちょっと微妙。現在のところ、アプリ多くは紙の新聞やウェブのレプリカ。ウェブで無料で読める記事も多く、また特に「iPadならでは」感のないものにお金を払うことに納得感がないのは当然です。”Time magazine”のiPadアプリは、1号$4.99。紙版を定期購読すれば、年間$20ドルで読めてしまうものです。実際、iTunesでアプリのレビューなどを見てみても、価格が高いという声が目立ちます。
初回のアプリに関しては、初期の開発コストなども含め高い価格設定で販売し、読者の反応を見た上で、定期購読といった形で展開していくのでしょう。人は価値あるものにはお金を払いますが、雑誌や新聞は一定の頻度で、願わくば毎号読んでもらってなんぼです。読者がその価値に満足し、読み続けられるようなiPadアプリを提供できるか。アメリカ時間の4/8(木)に開催されたiPhone OS 4.0のキーノートで、アップルのスティーブ・ジョブス氏が、「Popular Scienceのアプリは最も優れている!」と言い切っていました。そんな風にユーザに価値が感じてくれる形がきっとあるはず。既存媒体のレプリカを脱したiPadアプリにしか、もう生き残りの道はないのです。
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