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なぜここまで中国のオンラインゲームの市場が大きいのか。
関係者によると、中国はもともと高価なゲーム専用機を購入できない若者がインターネットカフェでパソコンのウェブゲームで遊んでいたからだという。
こうした経緯もありオンラインゲームとソーシャルゲームの明確な線引きは難しい。SNSというプラットフォームの上でのカジュアルゲームがソーシャルゲーム、専門サイトでの高度なゲームがオンラインゲーム、といった曖昧な定義は存在するのだが、SNS上の一部のゲームが高度化して専門サイトのオンライゲームとの違いがなくなりつつあるのも事実だ。
とは言うものの、現時点でのその曖昧な定義のまま、中国のソーシャルゲームの現状を見ていこう。
億のユーザー抱えるSNS
Facebookの4億人にほどではないものの、中国のSNSは億のユーザーを抱えるところが幾つもある。複数のSNSを利用しているユーザーが多く、全体で中国のSNSユーザーは1億2400万人と推計されている。既に日本の人口並みのユーザーがいることになる。中国のネット普及率は全体の4分の1程度といわれるので、今後もまだまだ成長が見込めそうだ。
2010 China Soial Game Summitを主催したAppleapによると、SNSのユーザーの半数近くはゲームをする目的でログインし、20%弱のユーザーはソーシャルゲームが理由でSNSを選択しているのだという。
中国のソーシャルゲームのビジネスモデルは広告、課金、企業向けゲームアプリ開発の3つ。
最も大きいのが広告だ。ソーシャルゲームの中では、仮想通貨を得るために広告を見るユーザーが35%に達している。
またオンラインゲームに慣れたユーザーが多いためバーチャルアイテムに対する課金も欧米に比べて早くから成立していた。2008年の時点で中国のバーチャルアイテム市場は30億ドルにも達していたといわれる。仮想通貨もすっかり定着したようだ。
企業向けアプリ開発は新しく登場したマネタイズ手法。ソーシャルゲームをユーザーに提供したい企業が増えているので、急成長を続けているようだ。
特に興味深いのが仮想通貨だ。それぞれのゲームアプリ内にも仮想通貨があるが、SNS上で共通の仮想通貨を発行し各アプリ内の仮想通貨との互換性を持たせている。例えばrenren.com内では、renren bean(RB)という仮想通貨が流通、RBは実際に通貨との互換性もあるという。Facebookもこうしたペイメントの仕組みを検討中と伝えられるが、今後ソーシャルメディアが人々の生活の核になっていけば、いろいろな場面での支払いに仮想通貨が利用されるようになるかもしれない。もしそうなればクレジットカード会社には大きな打撃となるだろう。
有力SNS
ではプラットフォーム側のプレーヤーの現状を見てみよう。
SNSの大手はQQ.com、renren.com、米Myspaceの中国法人であるmyspace.cn、51.com、Kaixin001。
Facebookの姿はない。中国では禁止されているからだ。
最大手のQQは、メッセンジャーサービスを基盤に成長してきたSNS。ソーシャルゲームは内製、もしくはサードバーティーに開発を委託している。サードバーティーが勝手に開発できなくなっている。
オープンなプラットフォーム向けのゲーム開発者数は拡大を続けており、2010年2月に1万人を超えている。
SNS上のアプリの中で人気はやはりゲームだ。
有力ゲーム開発ベンチャー
5 Minutes (五分?)
一方でゲーム開発者の中で最有力なのは、上海の5 Minutes (五分?)。AppLeapによると、5 Minutesが開発した農場系ゲームのHappy Farmは、過去1年半で中国では最も人気が高いソーシャルゲームに選ばれている。あまりの人気にQQがHappy Farmの権利を数百万元(数千万円)を買収しているという。5 minutesは世界的に注目を集めており、米ベンチャーキャピタルのDraper Fisher Jurvetsonから350万ドルの出資を受けている。
mixiの大ヒットゲーム「サンシャイン牧場」を開発したことでも有名だ。
クッキングゲームで有名。最近では5 MinutesやRekooに押され気味のようだが、孫正義氏の実弟の孫泰蔵氏がCEOを務めるロックユーアジア株式会社と提携し、日本および韓国でソーシャルゲームを展開していくと発表したばかり。
AppLeapのZili Ren氏に話を聞いてみた。
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