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仮想から即リアルな出会いを【水田大輔】

[読了時間:4分]

デジタルネイティブ寄稿シリーズです。同志社大学の水田大輔さんから寄稿していただきました。水田さん以外にも何人かからは寄稿いただいたのですが、今多くの日本人が見ているソーシャルの、その先に何があるのかということに言及しているということで水田さんの記事を使わせていただこうと思いました。今回は「若者が望むソーシャルの未来」です。もう1本、「世界にとって望ましいソーシャルの未来」については明日、掲載させてもらおうと思います。(湯川鶴章)

若者にとって望ましいソーシャルの未来

はじめまして。同志社大学生の水田 大輔と申します。 今年21歳になるので完全にデジタルネイティブ世代ですね。

現在は京都大学発のベンチャー企業である電気自動車メーカーであるGREEN LOAD MOTERSにて活動中です。
また、ソーシャル分野にて現在会社設立のためVCと協議中でもあります。どちらも世界を沸かせる「わくわくする出来事」を世界に提供していくつもりですのでよろしくお願いします。

ソーシャルの未来を見取る3つの切り口

さっそくblog記事の内容に入りたいと思いますが、僕はソーシャルの未来というものは少なくとも3つの切り口から考えていいと考えています。

1つは、《市場原理によって不可抗力的に導かれるソーシャルの未来》
これは誰もが常々議論している話題でもあるので、あまり僕が深く長々と持論を展開しても目新しくないと思います。なので今回は割愛。

2つめは、《若者(デジタルネイティブ)が望むソーシャルの未来》
これは私を取り巻くデジタルネイティブに囲まれた環境下で私たちが感じているデジタルネイティブ世代達が求めている本質的で、長期的な「ソーシャルに対する欲求」です。

3つめは《世界にとって望ましいソーシャルの未来》
これは市場原理も若者のニーズも関係なく、ソーシャルはこういう方向に向かうべきだし、これこそが本当のソーシャルなんじゃないかな?ってものです。これでビジネスを考えたこともありますが、タイミング的には1年半ほど動き出すのには早いかなと思い、企画書を抱えたまま休眠中です。

今回は1つめの切り口に関する議論は上述した理由から置いておいて、3つめは次回がもしあれば、ということで今回は2つめのポイントに絞って記事を書きたいと思います。

《若者(デジタルネイティブ)が望むソーシャルの未来》

これから話す内容は、場合によってはとても過激なものになるかも知れません。これからWebとリアルの世界がどのように折り合いをつけていくのか?人々の人間関係のあり方がどんどん仮想化されていくのではないのか?など、色々な議論が巷で行われていますが、そういった議論の前提や議論自体を吹っ飛ばすようなものとして捉えることもできるかも知れません。

ちょっと聞こえが悪くなるかもしれませんが、僕が言いたいのは、「もっとソーシャルは出会い系みたくなるべきだ。」ではなくて、「もっとソーシャルは気軽にナンパできるようになるべきだ。」ということです。


そもそもデジタルネイティブにとって、彼らが望む端的な意味でのソーシャルに求める「機能」とは単純になんでしょうか?

以前に水谷さんが「実際の友人・知人との関係をネット上に移したもの」をソーシャルとして定義したことがありました。

広い意味ではそれで間違いないと思います。また、間違いなくこの意味におけるソーシャルはFacebookを筆頭にその機能を洗練させ続けていくでしょう。それに、その機能自体は今あるSNS業界の大手プレイヤーが独占していくことになると思います。

僕がソーシャル分野でスタートアップするなら間違いなくこれから僕が提示する「ソーシャルという機能」に特化したものになるし、そのほうがいいと思っています。

それはなにかというと、「出会いのための最初の一声(呼びかけ)」です。簡単に言うと 「あの〜。すいません。」「はじめまして。」です。

そもそもITという技術がビジネスとして成立するために必要な条件とはなんでしょう?それを考えれば、僕が言いたいことにはっきり納得できるはずです。

ITという技術は「リアル世界でできることをWebの世界でもっと簡単にできるようになること」と「リアル世界ではできない(難しい)ことをWebの世界で簡単にできるようになること」を達成することでビジネスとして成功することができます。

Eメールの機能も手紙の持つ機能を手軽に、シンプルにしたものです。SNSも今までは一人ひとりにメールや電話でしていた身の回りの些細なやりとりや情報共有を簡単に、一度に多くの人とできるようにしたものですよね。

ただ、今あるSNSの機能は出会ってからの関係構築や関係の維持は非常に優秀ですが、出会うまでが非常に難しい。SNSの今までの使い方だと、「mixiやってますか?僕のmixiネームは…」「Twitterやってるんですか?フォローさせてください。えーと、僕のアカウントは…」とか、そういうやりとりが多いと思います。

今あるソーシャルサービスの持つ機能はリアルで生まれた人間関係をソーシャルサービスに還元してきて、管理維持を効率的にする側面が強いと思います。

mixiのメッセージ機能も、Facebookのメッセージ機能などはあるにはありますが、Webからリアルの世界での「面と向かい合う出会い」の実現を促す機能はなんにもありません。

大学生や新入社員は懇親会でお互いに自己紹介して話し始めてすぐにmixiやTwitterでマイミク申請やフォローリフォローを始めます。つまりリアルでの出会いはすぐにWebでの 出会いや人間関係の構築に結びついているのです。ほぼ同時に行われていると思ってもいいでしょう。

ということは、これを逆にしても特に問題はないんじゃないでしょうか?
今、若者が欲しているのは「Webから始まる出会い」が「リアルの世界で始まる出会い」より簡単にできる機能です。ですから、頓智ドットの「DOMO」構想はARでソーシャル業界に殴りこみをかけるなら、その機能しかないよね。と僕は思います。

特に、「DOMO」がうまくいくだろうなと僕が考える理由は「DOMO」サービスは 「Webから始まる出会い」がそのすぐ次の瞬間に「リアルでの出会い」できる点です。

ナンパって多くの人にとって、正直やり辛いことだと思います。でも、あれほどインスタントかつダイレクトにリアルでの出会いや人間関係を構築する方法はありません。だってその場で出会いが生まれるんですから。

今のソーシャルサービスはWeb世界からリアルに出会いの次元をシフトさせるまでの時間や手続きが多すぎます。Twitterで「会いましょう!」となっても実際に会うのはほとんど数日後、か少なくとも数時間かかってしまいます。

でもソーシャルサービスが「すいません!今お時間いいですか?」をWebで代替できるようになれば話は別です。次の瞬間には「無視」「いいですよ。なんですか?」「今都合が悪いので明日であれば」となりますから。自己紹介もいりません。主要なプロフィールは その場でソーシャルサービスを見れば分かります。

こうしたサービスが実際に始まればネチケットとして20メートルくらい離れてナンパ(呼びかけ)をすることになるかも知れません。呼びかけられたら振り返って身なりを見て、プロフィールを確認してからその呼びかけに応えるかどうかを決めればいいですから。フレンドの数を使って呼びかけを自動で無視するか選別するフィルタリング機能を実装してもいいかもしれません。「この人いい人です」っていう保証が数値で分かる機能があればいいですね。

ソーシャルサービスは「出会ってから」の機能については申し分ないほどに洗練してきましたが、「出会うため」「出会ってすぐ」の機能はまだまだ甘いと思います。これを補充しないと、リアルよりもWebを軸にした人間関係のほうがいい。とはならないでしょう。

それに俗に言うナンパや、リアルでの突然の声かけはリアル世界でできたとしても非常に難しい手段です。これにITがソリューションを提示できればおもしろいですね。

また、リアルとWebの境界を限りなくシームレスにしますから、「人間関係はリアルからWebを軸にしたものになっていくのか?」という議論のテーマ自体が吹っ飛びます。Web もリアルも同じようなもんだ。一瞬先ではどっちも一緒になる。ってことです。

どうでしょうか?

【学生ブロガー】水田大輔

同志社大学法学部 3年 21歳

株式会社GREEN LOAD MOTERSプロモーション部門にて主要プロダクトのプロモーション戦略立案、実行を担当。
株式会社Rosalieとして、セキュリティ関連事業のソーシャル化を目指してVCと協議中。
iPhoneアプリケーション多数開発中(最高はカテゴリ別無料ランキング4位)
学生事業家組織SeD代表として就活ソリューションの提供、アントレプレナーシップの養成と起業の実現を支援。
神戸サロンコレクション2010の運営リーダーも務める。

・Twitter:@Daisuke_Mizuta
・Facebook:Mizuta Daisuke

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