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イケダハヤト
TechWave読者の皆さんはじめまして、イケダハヤト(@IHayato)と申します。「ソーシャルウェブが拓く未来」というブログを書いています。
2011年のソーシャルメディアは「リアル」「クローズド」がカギ【湯川】
今回の記事は、湯川さんの記事に刺激され、悪ふざけ的に踏襲してみました。すみません。来年以降動きが見られるであろう「インタレストグラフ」について書いてみたいと思います。
不完全なソーシャルグラフ
現在のソーシャルメディアの根本的な課題として、ソーシャルグラフの不完全性が挙げられます。
私たちが持つオンラインのソーシャルグラフは、オフラインの世界での情報発信の内容を完全に反映することができていません。本来、人は様々なコミュニティで発信する情報の内容やトーン、マナーを使い分けており、それが自然なあり方です。
技術的に未成熟なソーシャルグラフは、私たちにとって「わずらわしさ」にもなりかねません。皆さんも「ツイッターでつぶやきたいけどつぶやけない」という感覚を抱いたことがあるはずです。
単一のソーシャルグラフで解決させようとしている(ように思える)フェイスブックやツイッターのアプローチは、些細ですがインパクトの大きいストレスを、ユーザーに与え続けています。
ソーシャルグラフが一つのサービス上でレイヤー化され、情報の出し分け/受け分けの機能が発達していけば、ストレスは軽減されていくでしょう。しかし2011年中には、そこまでの進化は期待できないでしょう。
登録できる友達数が最大50人のSNS「Path」や、大学生限定SNS「CollegeOnly」がローンチされたように、ソーシャルグラフ系サービスは乱立するばかりで、統合されていくことはまだ考えにくいです。
属人性を排除した純粋な「インタレスト」同士のつながり
ストレスフルなソーシャルグラフに対して、注目を浴びそうなのは「インタレストグラフ」の考え方です。
インタレストグラフ系サービスの一つGetGlueを 体験すれば、すぐにこの感覚を理解していただけると思います。GetGlueは、「好きな映画」や「好きな本」「お気に入りのガジェット」などの質問に答えさせることで、人々の興味関心(インタレスト)の関係性を浮き彫りにし、ユーザーに「あの映画が好きならこれもおすすめ!」という提案を与えます。
(「シャイニング」が好きな私に二つのホラー映画が提案されている)
難しく書いてしまいましたが、イメージは「Amazonのおすすめ商品」そのままです。Amazonのおすすめは、Amazonで取り扱っている商品に限られますが、インタレストグラフ系のサービスではより幅広い範囲の提案が可能です。
インタレストグラフとソーシャルグラフを連携させることは可能ですが、私はそれをしないことにも価値があると考えています。GetGlueは「友達」の存在は見えにくいですが、サービスとして価値があります。
不完全ながらも、ソーシャルグラフはもう当然のものになっていくでしょう。その一方で、属人性のない純粋なインタレスト同士の関係性が、これからのウェブでは価値を発揮してくるのではないでしょうか。
Googleの次の一手はインタレストグラフ?
2011年はインタレストグラフの構築とオープン化が模索され、ウェブの体験は一気に様変わりするかも知れません。個人的には「コンテキスト・ディスカバリー」という概念を提唱するGoogleがそのプレーヤーになってくるのではないかと想像しています。
「あれが好きならこれもどう?」という「提案」を可能にするインタレストグラフは、新たな検索需要を顕在化する力も持っています。現に私は GetGlueから面白そうなホラー映画を提案され、Googleであらすじを検索してしまいました。事業との相性からも、GetGlueを代表とするインタレストグラフ系のサービスが、2011年のGoogleの買収戦略に名を連ねる可能性は十分あるでしょう。
ソーシャルグラフがそうであったように、インタレストグラフはこれからのウェブを創る力となっていくと私は考えています。「インタレストグラフ」は、2011年のキーワードの一つとなるでしょう。皆さんはどうお考えでしょうか?
(ご意見やご質問等がありましたら、ぜひ私のブログのファンページまでお願いします。)
日本橋人形町在住、横浜市戸塚区出身
デジタルノマド。個人と組織のソーシャルウェブ活用を支援中。講談社現代ビジネス「ソーシャライズ!」で執筆中。フェイスブック本執筆中。トライバルメディアハウス所属。NGO/PLASでプロボノ中。86世代。幸せな働き方を追求中。NPOのマーケティング、NPOと企業のコラボ、善意のお金の循環への関心が高いです。マーラー大好き。
どのウェブページがどのウェブページを参照しているかという情報と情報との関係性からウェブを整理しようとしたのがGoogle。それに対してFacebookは、だれとだれが友人かという人間の関係性(ソーシャルグラフ)からウェブを整理しようとしている。欧米ではFacebookがかなり普及したが、日本ではこれからなので、来年は日本でリアルなソーシャルグラフがキーワードになると僕は考えている。
ところが欧米ではかなり普及しているし、一方でFacebookはまだまだ居心地が悪い。これはFacebookの中の人もはっきりそう言っている。なのでインタレストグラフというものの必要性が出てくる。ということは十分にあるえるだろうと思う。
でも僕が今一番興味があるのは、このインタレストグラフこそが未来だ、という考え方。せっかくインターネット、特にTwitterを通じて、どこのだれが言っているという背景など関係なく、その一瞬、一瞬の140文字だけで人々がつながり始めたのに、それをまたリアルの社会のように「◯◯さんが言っているから、大事な話に違いない」といった方向に逆戻りするのはケシカラン、という意見。
リアルな人間関係をネット上に投影したリアルソーシャルグラフと、実際に人間関係をまったく反映せず興味だけでつながるインタレストグラフ。車の両輪のように併存するという考え方は分かるだけど、今後の人間社会はインタレストグラフが主になるという考え方は、おもしろい。
芦田宏直先生のTwitter微分論なんかはそういう主張だと思う。
1)微分による格差解消とは、結局、通常その人が「○○○である」と社会認知されている人格性(属人性)を解体する。
2)格差解消の微分効果とは、平均的な人格認知が破壊され、「自由と平等」のコミュニケーション地平が生まれることを意味している。
自分の中でまだ答えが出ていないんだけど、非常に興味のある分野だ。