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Ustream機の決定版!? オールインワンのRoland VR-5使用レポート【本田】

[読了時間:3分]


中央の機材がVR-5

 Ustreamなどのインターネット動画配信をオールインワンでまかなえると、発表時から話題になっていたRoland(ローランド)のVR-5。1月下旬に発売された本機を我々も早速導入しました。その使用感をレポートします。先日のMr. Yuya Yokomuraによる伝説の英語プレゼンもVR-5による配信です。

 最初にTechWaveの配信スタイルを説明しましょう。以下、これを基準にしたレビューなのでご注意を。

  1. オペレーターは一人。電車移動で出張撮影。>可搬性、操作のしやすさ
  2. 配信するのはプレゼンがほとんど。>プレゼン画像の見やすさ
  3. 依頼者からお金を頂いて配信。>システム全体としての堅牢性、安定性

1、オールインワンの利点


移動用のスーツケース

 VR-5は、映像と音声の切り替えなどが1つにまとまっています。また、配信用PCへの接続はUSB1本のみ。各種コンバーターを挟んで配信していた頃に比べ、セッティングに要する時間が圧倒的に早くなりました。接続だけなら、カメラ2台とPC入力、マイク1本で20分位。

 これは出張撮影では非常に重要です。というのも、主催者は会場のレンタル時間を減らすため、設置・撤収時間をそれほど確保していないからです。
 
 VR-5の自重は4.3kg。スーツケースにすべての機材を詰め込み移動していますが、現場までのエスカレーターやエレベーターを必ずチェックします。階段の昇り降りは、かなりシンドイです。

2、PC画像の入出力について

 TechWaveの配信の大半では、パワポなどによるプレゼンテーションが行われます。この場合、むしろプレゼン画像と音だけで配信は成立します。登壇者がよほどの美貌なら別ですが。プレゼンするPCのディスプレー端子から、会場のプロジェクターとUSTへ分岐します。

 これまでは、「VGAケーブル 〜 ダウンスキャンコンバーター(分配器) 〜 Sケーブル 〜 DVコンバーター 〜 IEEE1394ケーブル」で繋いでいたのものが、「VGA分配器 〜 VGAケーブル」だけで済み、画質もアップしました。さらに、プレゼンに適した映像調整が楽に出来ます。私は少しコントラストを高めにし、文字の可読性を上げています。

 一方、PC入力での致命的な欠点は、その他の映像入力ソース(カメラなど)と別扱いのため、PinP(メインの画像の上に小画面を載せること)の設定に工夫がいることです。これは何とか改善して欲しいところです。

ちなみに、PinPのための設定・配信の手順

  1. VIDEO MIXメニューで、KEY SETUPのLUMI KEY SECをVIDEO、LUMI KEY BACKをPC INPUTに(LUMI KEYとは、白や黒バックを抜いて合成すること)
  2. KEY ONを押す
  3. 映像ソースは、何も接続されていない(黒い画像の)チャンネルを選ぶ
  4. SUB VIDEO SELECTで小画面に表示されるソースを選ぶ
  5. KEY-LEVELでLUMI KEY側に少し回す(この時のポイントは、小画面に映したい映像から真っ黒い部分を排すること)

 もっと簡単な方法があれば、Facebookのコメントで是非教えてください。ここから普通のカメラ映像へシームレスに切り替えるのも、また結構な手順です。

3、業務用としての位置づけ

 我々は業務としてUstream配信を行っています。仕事としてのUstreamに求められる要素は色々あると思いますが、私が重視しているのは、とにかくゼロデータにしないこと。つまり「配信出来ない」「アーカイブ出来ない」をなくすことです。当たり前のことですが。

 以前、配信中にはアーカイブボタンが点灯していたのに、いざ切るとアーカイブ用の画面が出ず、録画出来ないということがありました。無料のサービスですから、こちらの準備の問題です。現在は2カメラの片方は全体を映しながらカメラ上で録画しています。これに加えて、VR-5ではミックス後の映像もレコーディングできるため、安全対策も強化出来ます。

 なおVR-5はSD画質のため、カメラ映像の画質はHDV(やSDI)には及びません。座談会、あるいは例えばスマートフォンアプリの実機説明など、カメラ映像を重視する場合は、別の手段を検討すべきかもしれません。

 さらに画面比は4:3。これはUstreamの視聴画面や、最近の民生用ビデオカメラの標準サイズの16:9ではありません。16:9に合わせるためには、ここでは割愛しますが、これまた色々と工夫が必要になります。
 

まとめ

 VR-5をおすすめする対象は、
・動画配信を、コミュニケーション・PR手段として重視
・映像配信業者に頼むより、自分たちで覚えたい(コスト面も含めて)
・PCからのプレゼンテーションが多い

 ガチガチのプロが仕事で使うには、画質の問題も含め選ばない機材でしょう(より高機能の機材を既に保有している)。一方、一般の人が一から使うには価格面の問題(約40万円弱)と、配信方法まで全ての操作を覚えるのは大変という、微妙なポジションの製品です。メーカー(や販売店)は本気で売りたいのであれば、Ustream(やニコ生)の配信方法の支援も含め、最低限のサポートを購入者に行う必要があるかもしれません。

 ソーシャルメディアの普及によって、制作・発信の担い手は広がってきました。生中継はこれまで映像配信のプロだけの領域でした。仮に彼らには及ばないにしても、VR-5を使いこなすことによって自社メディアの担当者が仕事の一環として、ワンランク上の配信をすることが出来ます。そういう人達に最適の機材ではないでしょうか。

蛇足:僕はこう思う

自分たちで配信するための機材と書いておきながら、我々のUST配信事業を宣伝します。TechWaveで配信する強みは、企画やPR・告知などの面でソーシャルメディアの力を活かせることです。http://techwave.jp/archives/51485613.html

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