- 雨を降らせる機械からiPhone電脳メガネまで「自分が欲しいから作った」Mashup Awardめっちゃ楽しい12作品【鈴木まなみ】 - 2013-11-19
- スマホアプリは大手有利の時代【湯川】 - 2013-07-05
- そしてMacBook Airは僕にとっての神マシンとなった【湯川鶴章】 - 2013-06-14
[読了時間:3分]
米Amazon.comが、Androidアプリを販売するアプリ市場「Amazon Appstore for Android」を米国ユーザー向けに開設した。Android端末にはGoogleが運営するアプリ市場「Android Market」が標準で搭載されている。それなのになぜAmazonは自らアプリ市場を開設したのか。そんなことをしてもGoogleのアプリ市場に勝てるのだろうか。
結論から言うと、Amazonはタブレット市場に参戦し、AppleのiPadに対抗するのだと思う。そしてAmazonは、アプリ市場やタブレット市場のシェア争いで善戦する可能性があると思う。
ではAmazonのアプリ市場「Appstore」を詳しく見てみよう。スタート時の品揃えは、わずか3800タイトル。35万タイトル以上を誇るAppleのAppstoreとはまったく比較にならない。
それでもEコマースにかけてはAmazonは世界のトップ企業である。レコメンデーションやワンクリックショッピングなど、これまでに培った技術や手法をアプリ販売にもフルに活用してくることは容易に想像できる。
スタート時の特徴は、1日に1タイトル、有料アプリが無料で配布されることだ。スタート初日は人気ゲームアプリのAngry Birdsの有料版(99セント)が無料でダウンロードできるようになっている。
また日本国内からは試せないみたいだが、アプリをダウンロードする前にブラウザ上で試しに使用できるようになっているようだ。(参考情報:米TechCrunch)これまでのアプリ市場では、実査に購入しない限り使い勝手が分からないので、気に入るアプリが見つかるまで幾つもアプリを購入しなければならなかったが、試用できるのであれば非常に便利だ。
今後アプリ市場としてAmazonのAppstoreがそれなりのポジションを占めるようになるのは、間違いないだろう。
さてアプリの試用機能まで開発して搭載してくるということは、Amazonにとって今回のアプリ市場の開設はデジタルコンテンツの品揃えの一環という程度の取り組みではない。かなり本気で取り組んでいるとみていいだろう。
これまでにAmazonがAndroidタブレットを開発しAppleに対抗する気があるのではないか、というウワサが流れたことがあったが、今回のAppstoreの本気度を見る限り、そのウワサはあながち間違いではないように思える。AmazonがAndroidに関する経験を持つ技術者を募集していることも明らかになっている。(参考情報:Is Amazon Working on an Android Kindle? – NYTimes.com)
デジタルコンテンツの購入に最適のタブレットとしてAmazonのAndroidタブレットとは、それなりに普及する可能性がある。iPadに対抗するためにAndroidタブレットにかける日本メーカーやアジアの電機メーカーにとっては、手ごわい競合相手になりそうだ。
「AmazonとAppleが対立?相変わらず対立の構図が好きだなあ」という反応もあるかと。でも少なくともAppleはAmazonが脅威になる可能性があると考えている。その証拠に、AppleはAppstoreという名称をめぐってAmazonを提訴している。(参考記事:Apple Sues Amazon for ‘App Store’ Term)