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ミクシィは8月4日、2011年度第1四半期(2011年4月~6月)の連結決算発表を行なった。スマートフォンへの急速な移行や未曾有の大災害などの影響で広告出稿数が減少したことを受け、売上げは前年同期比4.1%減の29億8600万円となってはいるが、mixiアプリの課金売上が前年同期比で32.5%増、同社がmixiを投入する前の主力事業である人材紹介サービス「Find Job !」も好調で前年同期比27.9%増となった。コミュニケーション投稿数も順調の増加、MAU (Monthly Active Users、ある月で1回以上のアクセスがあったユーザー数)も堅調と、同社サービスの底力の強さを見せた形となった。
筆者が注目したのは、今後2011年度の今後の展開についてだ。2010年末頃から急速に普及しているFacebook等に対し、日本発SNSとしてどのような動きを見せるのか。近年、海外SNSとの提携などとの動きもあるが、国内の地位を主軸としたドラスティックな計画の片鱗が見えてきてもいい時期だけに、この発表は重要だと考えていた。そこで浮上してきたのが「新たなソーシャルプラットフォーム」というキーワードである。
2011年度第1四半期 決算説明資料によれば、2011年度サービス拡大の施策とした冒頭の図のような3つの項目が提示されている。スマートフォン対応やソーシャル機能の強化は時流にマッチした施策として納得ができる。スマートフォン経由でのログインユーザーは2011年7月に369万人に達するなど順調に推移しているし、ソーシャル広告も実績を積み上げ続けている。
しかし「新たなソーシャルプラットフォーム」とは何か。説明会でも詳しい説明が行われていないが資料にはこう明記されている「新たなソーシャルプラットフォームによるローカルや企業連携サービスの強化」。
これは、最近注目されているO2O (オンライン・トゥー・オフライン)やローカル連動ビジネスといったメジャートピックを丸っとカバーするような内容だ。TechWaveでは何度か報じている通りミクシィは実名匿名にかかわらず仲の良い人が作るソーシャルグラフにこだわっている。今回浮上したキーワード「新たなソーシャルプラットフォーム」には、企業と消費者がソーシャルグラフで結びつくことで、口コミマーケティングなどとは異なる新たな社会的基盤を構築される期待がある。だからこそ、その関係性の中で機能する高効率&利益率のソーシャル広告が重要であり、関連する合弁会社を設立した理由はそこにあるというわけだ。
ただ、このタイミングで具体的発表が無いというのは、正直行ってその有効性に疑問を感じる部分もある。なぜなら、ゲーム系SNSの展開とは水を分けるものの、Facebookを筆頭とする競合はシェアを拡大、周辺ビジネスの流れに影響を与え、すでに業界に変化の兆しが見えているからだ。
変容しながら続々と進化するソーシャルネットワーク市場。Facebookを中心とした巨大プラットフォームが席巻するこの世界で、ミクシィはどう動くのか目が離せない。
■ 関連URL
・平成24年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=909136
・2011年度第1四半期 決算説明資料
http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?template=ir_material&sid=10549&code=2121
コードも書けるジャーナリスト。イベントオーガナイザー・DJ・作詞家。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代は週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーでベンチャー起業に参画。帰国後、ネットエイジで複数のスタートアップに関与。フリーで関心空間、富裕層SNSのnileport、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。“IT業界なら地方で成功すべき”という信念で宇都宮市から子育てしながら全国・世界で活動中。 / ソーシャルアプリ部主宰。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。