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HTML5ウェブアプリの威力を実感できるオフラインデモ 【増田(@maskin)真樹】


[読了時間:2分]

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 HTML5でやれることが増加してきた。今後の標準化と各主要ブラウザの対応度合いによって、ウェブアプリケーションの可能性が飛躍的に向上するであろうが「どうせウェブはウェブ、オンラインにならないと使えないわけで、いつでも起動できるネイティブアプリにはかなわない」という人も多い。しかし、それは大きな間違いだ。

 例えば、このHTML5で書かれた「Migrations Map(移民者動向地図) 」を見て欲しい。世界地図から国を選択すれば、そこからの移住者の動きをグラフィカルに把握することができるというもの。全ての国の情報をチェックできる膨大なデータを持つウェブアプリだが、実は一度読み込みをすればオフラインでも利用できてしまうのだ。



 これはHTML5のウェブストレージという技術を活用したもの。同様のものに今も使用されているCookieがあるが、ウェブストレージの場合はドメインごとに5Mバイト程度という大きなデータをローカル側に保存できるとされている。どれくらいの容量を保存できるかは、ブラウザの対応度合い等によって左右されるが、Cookieのおよそ4KBとは比較にならないほどのサイズ。ネイティブアプリ(スマートフォン専用の開発環境で作成したいわゆる普通のアプリ)も数MBのものが多いが、それに匹敵するデータをローカルに保存することができる。

 ローカルに保存できるということは、ウェブアプリをスマートフォンのメニューに登録して、あたかもネイティブアプリのように起動できるということに他ならない。この「Migrations Map」のように自動でデータを更新してくれたりするため、ネイティブアプリのような「アップデート」の手間がなくなったりする利点だってある。

 また、このウェブアプリの右下に上のようなアイコンが並んでいるのをおわかりいただけるだろうか。これはHTML5の技術対応度合いを示す機能を果たしており、非常に多くの機能に対応したHTML5ウェブアプリあということを伺い知ることができる。ソースコードも公開されているので、来るべきHTML5時代に向けチェックしてみては如何だろうか。

【関連URL】
・Migrations Map: Where are migrants coming from? Where have migrants left?.
http://migrationsmap.net/
・W3C – 『Web Storage』日本語訳 – HTML5.JP

蛇足:僕はこう思ったッス
早期からHTML5後の市場の可能性について少しずつ触れてきたつもりだったが、大きな潮流が生まれていて「待った」もないような状態になっている。確かにネイティブで時間をかけてアプリを作って売れもしないのであれば、HTML5ベースのマルチプラットフォームで独自決済で展開したっていいわけだ。

著者プロフィール:TechWave副編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
 コードも書けるジャーナリスト。イベントオーガナイザー・DJ・作詞家。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代は週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーでベンチャー起業に参画。帰国後、ネットエイジで複数のスタートアップに関与。フリーで関心空間、富裕層SNSのnileport、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。“IT業界なら地方で成功すべき”という信念で宇都宮市から子育てしながら全国・世界で活動中。 / ソーシャルアプリ部主宰。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。
メール maskin(at)metamix.com | 書籍情報・詳しいプロフィールはこちら


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