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発表文によると「ロケタッチオーナーズ」の主な機能は次の通り。
クーポン発行機能
オーナーがユーザーに直接クーポンを贈れる「プレゼントクーポン」や、ユーザーが店舗にタッチした時に発行される「クーポン」を設定できる機能。「プレゼントクーポン」では、店舗へのタッチ履歴から「ロケタッチ」独自の仕組みにて自動生成される「常連候補」に絞ったクーポン発行が可能。クーポンは「ロケタッチ」上で友人間で贈り合うこともできる。
常連ランキング
常連ユーザーのランキングが表示される。
スポット編集機能
ユーザーが集まり、コミュニケーションできる「スポットページ」を編集することが可能。店舗にタッチしたユーザーへ、オーナーからのオリジナルメッセージを表示させたり、「スポットページ」を見たユーザーにお知らせを通知することができる。また、直近タッチしたユーザーの情報や、ユーザーの撮った写真やノートなども掲載される。
タッチアクセス解析
タッチ数の推移や時間帯別タッチなどの詳細がわかる。
O2O(Online to Offline、オンラインとオフラインの融合)が最近のホットなキーワードになっているが、日本でオンラインユーザーを実際の店舗に送客することに最初に成功したのは株式会社ぐるなびだろう。それまで店舗経営の最重要ポイントは、「1に立地、2に立地、3,4がなくても5に立地」と言われていた。その店が流行るのかどうかは、立地に大きく左右されていたわけだ。ところが「ぐるなび」の普及で、雑居ビルの4階というような悪い立地条件であっても、ネット上から送客することが可能になった。立地が絶対ではなくなったわけだ。店舗側もネットの威力に気づき始めた。これは株式会社ぐるなびの大きな功績だと思う。その後、食べログのようなサービスが登場したり、リクルートもオンラインに力を入れ始めた。
そして今、PC向けインターネットに代わってモバイルが重要なプラットフォームになろうとしている。ここでまたレースがふりだしに戻る可能性があるわけだ。
モバイルプラットフォームでO2Oの中核になりそうなのが位置情報系アプリである。だれもがそのことに気が付きだした。だからリクルートはレコチェックに力を入れるのだし、ライブドアはロケタッチに力を入れるのだろう。この位置情報系アプリの戦いは、Googleやfoursquareといった海外勢も参入している激戦区になる。その海外勢との戦いで、優位に立つには店舗側を押さえることだろう。海外勢は、ぐるなびやリクルートのような人海戦術には絶対に打って出れないからだ。
ライブドアも人海戦術には出ない。どちらかと言えば技術系の会社だからだ。なのでツールを店舗側に無料で提供するわけだ。
店舗の広告は、少額過ぎて大手広告代理店は参入しない領域。しかし技術で効率よく店舗の広告ニーズを収集することができれば、かなり大きな収益が望める市場でもある。IT企業間の戦いは、今後ますます激化するのだと思う。
ライブドアの今回のツールのリリースで秀逸だと思ったのが、常連ユーザーを把握できること。ソーシャルメディア時代において企業や店舗にとって最も重要な顧客対応は、①ロイヤルカスタマーの把握②ロイヤルカスタマーが発信したくなるような情報やツールの提供、の2つ。消費者は今後ますます企業からの直接的なメッセージや広告を信じなくなると言われている。友人の言葉しか信じなくなるわけだ。そんな中で企業に代わって情報を発信してくれるロイヤルカスタマーを大事にし、ロイヤルカスタマーが発信したくなるような情報や情報発信のツールを提供していくことが重要になっていくのだと思う。今回のツールはまさしくそうした方向性を理解した上での機能を提供している。さすが。
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