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「日本が世界で勝てるのはゲームの分野しかないんじゃないか」ー。Infinity Venture Summit 2011 Fall Kyotoで行われた初日のセッション「ソーシャルゲーム市場の今後の行方」で、パネリストの一人、株式会社gumiの国光宏尚氏がそう語ると、ほかのパネリストも大きくうなずいた。
ソーシャルゲームの2010年の国内市場は1219億円、2014年にはそれが2500億円市場になると予測されている。(関連記事:ソーシャルゲーム市場305%増、2014年に2500億円市場に【シード・プランニング金貞民】)
世界市場は日本市場のおよそ10倍と言われており、しかも利益率は50%とも言われる。「巨大過ぎるぐらい巨大な市場。これを狙わない手はない」と国光氏は言う。
セッション後のインタビューに応える、左からグリー株式会社 執行役員 メディア事業部長 吉田大成氏、株式会社gumi 代表取締役社長 国光宏尚氏、芸者東京エンターテインメント株式会社 代表取締役CEO/ファンタジスタ 田中泰生氏、株式会社gloops 代表取締役社長 梶原吉広氏、株式会社ディー・エヌ・エー 取締役 小林賢治氏(Photo:Masahiro Honda)
「それは本当にそう」とDeNAの小林賢治氏も同意する。ゲームの嗜好性は異なっていても、ゲームが嫌いな国などない。しかも日本がモバイルのノウハウで世界をリードしている。「海外でも勝てるということを示そう」と主張する。
モデレーターを勤めた芸者東京エンターテインメントの田中泰生氏も「IT業界の中でもゲームを下に見る人がいるが、次の情報経済を理解するためにもゲームはやるべきだ」と言う。国光氏も、新しい娯楽は登場したときには見下されることが多いと指摘。「歌舞伎であっても昔はばかにされていたはず」と言う。
ただいつまでもゲーム専業でいようと考えているわけではない。グリーの吉田大成氏は「ここ1,2年はゲームに専念するが、その後は音楽や動画などの娯楽がこのプラットフォームに乗ってくれば大きく進化するはず」と言う。
その日本発のプラットフォームは、どこまで広く普及するのだろうか。時代がソーシャルに移行する中でFacebookがインターネット上のあらゆるビジネスのプラットフォームになるのではないかという意見がある。果たしてFacebookはモバイルのソーシャルゲームの有力なプラットフォームになるのだろうか。グリー、モバゲーといった日本発のモバイルプラットフォームは、Facebookとの戦いの中で勝ち目はあるのだろうか。
「Facebookはまだモバイルに本腰を入れていないようだ。ただそれでももともと巨大な母数を持っているので、可能性は大きい」と株式会社Gloopsの梶原吉広氏は指摘する。国光氏も「Facebookは最終的には100%(モバイルのソーシャルゲームのプラットフォームになって)くると思う」と言う。
ただどの程度、力のあるプラットフォームになるのかは、Facebookのソーシャルグラフに関する決断次第と国光氏は指摘する。ソーシャルグラフは、実際に仲のいい友人の人間関係を中心としたリアル・ソーシャルグラフと、ゲームなどの趣味のコミュニティーを中心としたバーチャル・ソーシャルグラフの二種類がある。そして実際にゲームのプラットフォームに向いているのはバーチャル・グラフのほうだと国光氏は言う。DeNAの小林氏も「リアルな友達の中で、特定のゲームをプレーしたい人が二人しかいなければちょっと(おもしろくない)」と同意する。
なので「もしFacebookがリアルフレンド(重視)になった瞬間に、グリー、モバゲーの勝ちがほぼ決定になるんじゃないか」と国光氏は言う。
吉田氏も「PC上ではFacebookが唯一のアプリのマーケットだったのでその上でソーシャルなアプリが流行った。でもモバイルではFacebookが唯一のマーケットではない。またFacebookは友達とのコミュニケーションを主な用途としてデザインされている。アプリのマーケットになり切っていない」と主張。リアルなソーシャルグラフと、ゲームや音楽、映画をベースにした趣味のソーシャルグラフの2つのグラフがいずれ併存するようになり、さらには趣味のソーシャルグラフのほうが主流になるのではないか、と指摘した。
【関連URL】★セッション後に収録した動画
・激突! グリー・モバゲー陣営ぶっちゃけトークバトル 【増田(@maskin)真樹】#IVS