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Facebookを筆頭とする実社会主義SNS(要するに実名で実際会った人を前提とするもの)の普及は、実生活のコミュニケーションが豊かになる可能性があり、筆者としては喜ばしい限りだ。しかし、各SNSにおける “つながりの定義” に不満を感じことが多い。大都市にいる人と、地方にいる人とではつながりの形態もその価値も違う。都市ならインタレスト(興味関心軸)どっぷりでいいかもしれないが、近くにいる人との接点づくりはリアルに生きる人にとって貴重なコミュニケーション手段の一つになる。
RocketStaffが1月23日にリリースしたiPhoneアプリ「Peppermeet」は、既成概念を打ち破るソーシャル系コミュニケーションツールと言ってもいいだろう。ログインはFacebook/Twittterアカウントでオーケー。会員登録不要で、すぐに今いる場所から10Km以内にいるユーザーの一覧が表示される(現在はキャンペーン中につき距離制限なし)。一見すると “それってご近所でつながる出会い系になってしまうのでは?” と懸念する人もいるかもしれない。
しかし、そもそも「Peppermeet」は、東日本大震災の際、支援をする側、受ける側の橋渡しとして2000件以上の支援マッチングを成立させた実績を持つサービスが原点である。RocketStaff CEOの高 榮郁氏は「近くにいる人々との交流を強化させて孤独死など社会問題を減らしたい」とビジョンを語る。
孫正義社長も激励したTwitForYou!が原点
「PepperMeet」の原点となったそのアプリは「TwitForYou!」という被災者支援マッチングサービスで、モバイルバージョンを開発したあたりから、より身近な人々とチャットを通じて助け合いができるツールとして現在の「Peppermeet」として切った。
「TwitForYou!」は、震災発生直後の2011年3月18日にオープン。21日にはソフトバンクグループCEO 孫正義氏が「素晴らしい!」とツィートし一気に復旧したエピソードもある。
高 榮郁氏は、「少し時間が空いた時、「近くにいる困っている人を助けてみる」という発想につながればいい。もちろん近くにいる友達を誘って一緒にお茶をする」でもいい、近くにいる人との交流を活性化することで、色々な問題を解消することができる」と語る。
日本・韓国・アメリカ、国をまたがったチームで開発
高 榮郁氏は、韓国ソウル生まれ。20歳から日本で生活を始め、テレビ局、ゲーム会社などを経て2010年11月にロケットスタッフ社を起業。「Peppermeet」では企画を担当し、開発は韓国でオンラインゲームやチャットアプリといった現地のメインストリームで開発を経験してきた人が手がける。デザインは、米国在住のニュージーランド人。国境そして時差と戦いながらの挑戦だった。
「3か国にまたがることで、仕様書とか進行管理などは苦労しました。ただ、それよりも他のチャットアプリと違い、連絡帳を利用せず動的なソーシャルグラブに目指していますので移動するたびに情報を更新しないといけません。情報を更新させながらサクサク感を出すのが大変でした」。
実際、アプリはこの手のものとしては意表をつくほどの軽快さ。電力消費の多いGPS機能を多用しているはずが、電池の消費もそれほど気にならない等、リリースされたばかりとは思えないほど安定している。
「Peppermeet」は1月23日にリリースされた後、今日までにおよそ5000ダウンロードを達成。今後、近所にいる人へのあいさつ 機能や、友達リスト、受信BOX機能などを強化しユーザー同士の接点作り活性化するを皮切りに、イベント主催者向けに特定の場所・決まった時間帯にイベントの告知ができる広告サービス「PeppermeetPlugin」の投入を3月頃に計画中。
「まだ確定ではありませんが、特定の場所にきたユーザーに1日(24時間)広告を表示するメニューで30万円~で考えています」。
現在実施している学生を対象としたCMコンテスト(賞金10万円)などを皮切りに、2013年3月までにユーザー数を40万。「PeppermeetPlugin」の累計売上8,000万円を目指したい考えだ。
【関連URL】
・近くにいる人々と素早く簡単にチャットと写真共有ができるツール Peppermeet ペパーミート
http://peppermeet.me/
実際使ってみると、え、こんな人がいるの? と色々意味で意外な発見がある。ご近所出会いチャットのアプリやサービスはいくつかあり、荒れているものも多いが、その辺のバランスをどうクリアするかが問われそうだ。しかしながら、Facebookなど実名主義アプリとの上手な連携があれば解決できそうな気がする。コンセプトは好きだし、地方に住む僕としては期待が大きい。
8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。codeが書けるジャーナリスト。1990年代は週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーでベンチャー起業に参画。帰国後、ネットエイジで複数のスタートアップに関与。フリーで関心空間、富裕層SNSのnileport、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。“IT業界なら場所に依存せず成功すべき”という信念で全国・世界で活動中。イベントオーガナイザー・DJ・小説家。 大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。スタートアップ支援に注力、メール等お待ちしております!