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[読了時間:2分]
三橋ゆか里
(@yukari77)
米国でインキュベーションといえば「Y Comibinator」。そんなY Combinatorに参加するスタートアップがつくるアプリ「Popset」がジワジワきてる。TechCruchで記事を読んだことがある人もいるかもしれないけど、アルバムをつくって友達と写真を共有するアプリ。
もともとわたしはInstagramのそこそこヘビーユーザだけど、Popsetは最近毎日使ってる。特定の人たちと写真が共有できること、簡単にアルバムがつくれること、あるようでこれまでになかった要素が人気。そんなPopsetの魅力について、ファウンダーであるJan Senderekへのインタビューも交えて伝えます。ちなみにJanは、日本の高校にも通ったことがある大の日本好き。
Popsetってどんなアプリ?
Popsetをローンチしたのは2012年の2月末とごく最近だけれど、特にマーケティングなどはしてないにも関わらずユーザ数が順調に伸びてる。また何よりもリテンション率が高い。登録したユーザの50%が1ヶ月後も使ってくれているんだって。普通はリテンションが25%あれば良いとされるからとっても高い。
Popsetでは人と一緒にアルバムをつくって写真でコミュニケーションが楽しめる。「Cafe time」なんてカフェで過ごしてる写真を集めたアルバム、「SXSW」のイベントの写真が詰まったアルバム、他には街中で見つけた「Just Wrong」(これは違うでしょ)などなど。Popsetチームがつくった「Team Ramen」というアルバムには、チームメンバーでラーメンを食べに行ったときの写真がずらり。
アルバムは仲良しだけと共有したり、誰でも見られるようにもできる。この公開設定があることで使い方の幅がグンと広がる感じ。janが教えてくれたところによると、グループの70%はプライベートなんだそう。彼氏・彼女とか、高校の同級生とかってグループごとにみんながアルバムをつくってその中で写真を共有してる。使われ方に関してはまた後ほど。
Popsetの楽しみ方
PopsetをダウンロードしてFacebookでサインアップしたら、左上の人マークのアイコンからTwitterやFacebookの友達を探してフォローして。友達を招待したりFeatured Usersをフォローしたりしても良し。アルバムは、右下の+マークから写真を選んでつくる。途中でアルバムに誰を招待するかを選べるよ。わたしのアルバムには、「Favorite Tokyo:)」とか「Latte Art<3」なんてものが。Friendsのタブを開くと、友達が参加してるアルバム一覧が見える。Janも入ってるSXSWのアルバムを見ると、イベントの雰囲気が伝わってくる写真が並んでる。
個人的にPopsetの何が楽しいかって、友達や世界中の人と写真を介してコミュニケーションがとれること。あらかじめタイトル、つまりはテーマを決めたアルバムをつくるとこがポイントになってる。前述した「Favorite Tokyo:)」(お気に入りの東京)というアルバムを見ると、色んな国の色んな人の、東京のココが好き!が見られてすごく楽しい。写真をタップすると全画面表示される機能があって、特に景色の写真なんかは本当にきれいに見える。最近はInstagramのような写真のフィルタ機能も追加したよ。フィルタの数は今後増やしていく予定。
Janへのインタビュー
さて、そんなPopsetのファウンダーの1人であるJan Senderekにいくつかの質問を投げてみたよ。彼自身が感じていた写真共有に関する不便が、サービスをつくるきっかけになってることがわかる。
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Q。写真共有アプリはたくさんあるけど、なぜPopsetをつくったの?
「写真へのパッションは昔から持っていて、それが始まったのは1999年まだ16歳だった頃に初めて東京に行ったことがきっかけだった。日本の高校に通って、吉祥寺のホストファミリーのもとで1年間過ごした。それからずっと日本には頻繁にきてるよ。日本にいること、その文化の中で写真を撮ることにすごくハマってそれが趣味になった。アマチュアレベルで自由に写真(Janのflickr)を撮るようになったんだ。
でも、写真を撮る中でもいちばん好きだったのはスナップショット。友達と一緒に楽しんでいるときの瞬間を捉えるのが何より好きだった。そういうとき、いつも友達に写真をくれって頼んでる自分がいて、面倒なのにわざわざメールで送ってもらったりしてた。そこで思いついたのがPopsetだった。みんながスマホから一つのアルバムに写真を入れられる。スマホが出てからはみんなが写真家だもんね。」
Q。Popsetのアプリをつくる中で一番力を入れたところは?
「今のところの一番は、コラボレーション要素かな。グループを始めること、グループに参加することが“dead simple”(どこまでもシンプル)であることはすごく重要だった。これはかなり理想に近いものができていると思ってる。Androidユーザにまだアプリが提供できていないけれど、今既に開発中。次に考えてるのは、アプリをもっともっと楽しくすること。つまり写真のフィルタと補正機能。次にリリースするバージョンはもっとクオリティーの高いフィルターを増やす予定。」
Q。アプリの面白いユースケースはある?
「一番多い使われ方はこんな感じかな。
1)イベント、パーティ、旅行、週末、友達と一緒に時間を過ごしているときに写真を撮る。
2)プライベートグループ。例えばカップルが写真を共有するために使ってたり。もしくは何人かの友達と連絡を取り合う手段になっていたり。僕自身も地元の友達とのグループ、大学の友達とのグループなんて具合にいくつかのグループに参加してるよ。グループの70%はプライベートなんだ。
3)Facebookに一気に写真を投稿するために使ってる人が多かったりする。これは想像してなかった使われ方だけど、このためだけに使う人もいるんだよね。
(下のキャプチャにあるように、Facebookへの投稿はおしゃれに表示される。今は最高で10枚の写真が選べるから一度にアップロードできちゃう)
でも中でもいちばん面白い使われ方は、ファッションバイヤーの仕事をしてるユーザが洋服の写真をチームメイトと共有するために使っていること。彼女にとっては、たくさんの写真を共有するためにEメールやDropboxを使うよりも簡単なんだって。」
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Janが抱えていた不便を解決するために、いかに簡単に必要な人と写真が共有できるかをテーマにつくられたアプリなのね。Facebookに写真をアップするために使うなんて予想もしなかった使われ方も生まれてる。Popsetのチームが大切にしたシンプルさが生きてるんだろうな。
友達だけのアルバム、彼氏彼女のアルバム、なんか切り取られた人の人生の一部を垣間みるような気分。みんなもアプリをダウンロードして試してみてくださいな。
肩書きウェブディレクター。ディレクションの他、翻訳やライティングなど、フリーでお仕事してます。2011年1月15日に公開の映画『ソーシャル・ネットワーク』の字幕監修をさせていただきました。ツイッターIDは”yukari77“。
個人で運営している【TechDoll.jp】というサイトで、海外のテクノロジー、ソーシャルメディア、出版、マーケティングなどの情報を発信しています。目指せタイムリーな情報発信!
これまで雑誌のECで→UIデザインのコンサル→ウェブ制作会社などを渡り歩いてきました。そこで得たスキル、人、全部かけがえのない財産。幸せの方程式は、テクノロジー(UI, IA..)×マーケ×クロスカルチャー×書く・編集。いま一番夢に近いとこにいる。
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