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Facematchが「Pitapat」として国内でも正式ローンチ、チーム結成から1年 タコ部屋からCA子会社へ【増田(@maskin)】


[読了時間:2分]

 昨年の夏に開催された「ブレークスルーキャンプ2011」で優勝後、「第3回 SF NewTech Japan Night」で最多得点をマークした学生スタートアップ「Facematch」が5月1日、国内で正式にサービスをスタートした。既に報じている通り、「Pitapat」と名前を変え米国ではリリース済み。日本でのリリースに際し、まずはiPhone版アプリがiTunes App Storeから無料でダウンロード可能となっている

 運営母体は「株式会社Pitapat」で、サイバーエージェントを引き受け先とした第三者割当増資を実施し、2012 年1月20日付でサーバーエージェントの子会社となっている。

 奇しくも4月30日は、Facematchチームのメンバーが運命の出会いをした日。5月1日のサービスインは、まさに彼等の新たな船出となった。

紆余曲折の365日。そして、ここからスタート




 学生スタートアップとしてスタートした彼らは東京工業大学 合田武広氏、早稲田大学 伊香賀淳氏、東京電機大学 太田真明氏、大阪工業大学 張巧実氏、名古屋芸術大学 大橋弦也氏ら5人によるチーム。当初考えていたのは全く別のサービス。ソーシャルメディアの特性をうまく活用する方向に軌道を修正し、“気になるあの人” を軸としたサービス「Facematch」が誕生した。

 学生スタートアップというと、技術に偏ったり、やたら強気なプレゼンで強引に展開するケースが大半を示めるが、彼等の良いところは、メンバー各位の意見を尊重しながら「理想の結果」という一本に収束させる力を持ったチームの資質だった。

 彼等には苦難が続く。サンフランシスコのSF NewTechにいくための資金難に始まり、いざ海外展開しようにも商標の問題、今度は彼等個人の内定の扱いが難航するなど、嫌というほどの難題がが連なっていた。

 華華しいブレークスルーキャンプ2011年の優勝とは裏腹、高円寺の1ルームマンションに泊り込みという極めて男くさい空間でよくまあ耐え抜いたといえるだろう。

2011年末、高円寺の1ルームマンション。奥にはベッド、直ぐ背面にはキッチンとバスがありとても男が4-5人いる居住空間とは思えない状態だった

 そして現在彼らはサイバーエージェントの子会社として、渋谷のオフィスビルで活動を開始している。My365のようにサイバーエージェント全社とからんでいる雰囲気でもないとのことで、まだ少し悩みもあるだろう。けど、こうして大きな一歩を踏み出したことで、一皮むけた彼等に会えるような気がする。なんだかかわいい名前になった「Pitapat」に注目していきたい。

【関連URL】
・Pitapat.me
http://pitapat.me
・ブレークスルーキャンプ2011 Summer優勝サービス「Pitapat」を提供する株式会社Pitapatを子会社化
http://www.cyberagent.co.jp/news/press/2012/0501_1.html

・Facematch改めPitapatが密かにデビュー:SXSW2012、日本のスタートアップによる出会い系サービス3選【本田】
http://techwave.jp/archives/51735028.html
・第3回 SF NewTech JapanNight 最多得点は「Facematch」 【増田(@maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51710762.html
・審査員も思わず総立ちした注目のアプリ「Facematch」がスゴイ 【増田(@maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51708439.html
・日本人を前進させた2か月間、IT界のトキワ荘「ブレークスルーキャンプ2011」が終了
http://techwave.jp/archives/51701051.html

蛇足:僕はこう思ったッス
Pitapatという名前への変更は、あるイベントの直前に行われた。深夜に僕のところに電話がかかってきて、彼等はかなりあわてていたようだった。
Facematchという名前が世に出てもう半年近くの時間が経過しているわけだが、まだリリースはしていない状態。前評判というプレッシャーに押しつぶされかけていたんじゃないかと思う。ただ、いい方向で考えれば “まだ、リリースしていない” のであり、印象は後付けでどんどん変えられるので勇気を持つべきだと思っていた。
ただ、こんなカワイイ名前になるとは思ってもみなかったw。おそらく彼等チームが同意した上での命名に違いないだろうか。その決断こそが、進歩だと思う。今後をじっと見守りたい。

著者プロフィール:TechWave副編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
 8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーでベンチャー起業に参画。帰国後、ネットエイジ等で複数のスタートアップに関与。関心空間、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。大手携帯キャリア公式ニュースサイト編集デスク。TechWaveでは創出支援に注力。
メール maskin(at)metamix.com | 書籍情報・Twitter @maskincoffee-meeting 詳しいプロフィールはこちら


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