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2012年6月7-8日に行われたStartup Asia JakartaのピッチイベントArenaで、日本から唯一参加のMoSoが優勝、賞金1万ドルを手に入れた。
MoSoはMacで動く動画編集・発信のためのソフト。多彩なエフェクトやテキスト、音楽を簡単に追加し、YouTubeやFacebook、Twitter等にアップすることが出来る。
Macでの動画編集にはiMovieやFinal Cut等の純正ソフトが既にあるが、MoSoはより直感的なUIでリアルタイムに編集作業が出来ることが特徴だ。株式会社MoSo代表の村越慎司氏は、10年以上に渡るプロのVJとしての経験から、MoSoの構想を思いついたという。また同氏は、動画編集というよりも個人による映像発信(individual broadcasting)システムとして使って欲しいと語っていた。
基本は無料で、HD版や企業利用を想定したサポートなどを有料とするビジネスモデルを採用している。来月にはiOS版のリリースが控えており、Mac版とは異なった切り口の動画アプリになるとのこと。
MoSoは、Mac AppStoreから入手できる。(MoSoと検索すると見つかる)
写真説明:TechInAsia代表のWillis Lee氏に祝福される株式会社MoSo代表の村越慎司氏(Photo:Masahiro Honda)
インドネシアを中心に、シンガポール、フィリピンからの出場があったが、その中でもMoSoの製品の完成度は、ずば抜けていた。地元勢に肩入れせず、純粋な評価を下した審査員にも敬意を表したい。
登場した現地のスタートアップの製品・サービスは、どこかで既に聞いたことのあるサービスの焼き直しが多かった。もちろんそれ自体は悪いことではなく、タイムマシン経営を無効にする同時進化を遂げているとも言える。
重要なのは、インドネシア(や東南アジア)の地域固有の問題に焦点を合わせ、それが何らかのITの助けで解決しうるかどうかである。その両者のバランスがとれていない、チグハグな提案がまだ多い。
位置情報や何ちゃらグラフ、スマホ(iOSやAndroid)を使うにしても、デバイスの普及や回線事情から非現実的であったり(インドネシアの現地事情に対する無理解は、隣国シンガポールのスタートアップでさえ同様であった)、問題意識は十分にあっても、スタートアップがITを使って解決するより別の手段が効果的であるようなものも見受けられた。
現状はインフラを中心に整備が遅れているのは事実だ。しかし、インドネシアの人口や将来の伸びを考えると、地域特化のビジネスとして十分にやれる可能性がある。つまり、戦略として徹底的なローカライズを行うことだ。
その一方今回のMoSoのように、グローバルに使える製品力で勝負することも可能である。世界中で次のinstagram、つまり動画版の何らかのソリューションの誕生が期待・予測されている。MoSoの次期iOSアプリは東南アジア市場も視野に入れている。東南アジアの人は、Facebookに自分の写真を上げることに驚くほど積極的だ。詳細はまだ書けないが、iOS版はMac版とは全く異なり、非常にスマホ的な動画系アプリであった。この地域でも今後使われる可能性は大いにある。
会社名にもなっているMoSoとは妄想の意でもあるが、Mobile、Movie、Socialなどの意味が含まれているという。その点でも、iOS以降のスマホ展開が本命なのかもしれない。
写真家、広義の編集者。TechWave副編集長
その髪型から「オカッパ」と呼ばれています。
技術やビジネスよりも人に興味があります。サービスやプロダクトを作った人は、その動機や思いを聞かせて下さい。取材時は結構しっかりと写真を撮ります。
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