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気になる知人との関係を活性化するサービスとして注目を浴びた「Pitapat」が2012年9月28日をもってサービスを終了する。
「Pitapat」は2011年夏に開催された学生開発コンテスト「ブレークスルーキャンプ」で “Facematch” として優勝。その後も2011年11月に米で開催されたプレゼンコンテスト SFNewTech JapanNightを筆頭に、多数のコンテストで優勝するなど多くの注目を集めた。
チームメンバーは全員サイバーエージェントに内定が決まっていたことから、その進路にはいろいろな問題があったものの、2012年初頭にはサイバーエージェントの子会社となり5月1日からは日本で本格的な運営を始めていた。
大きな期待を背に、抱えるジレンマ
サービスは2012年3月12日に米国で先行リリースしており、そこで反応を見つつ、本格的なサービスインは2012年5月1日の日本版からとなっていた。わずか5ヶ月弱で終わることとなる。
リリース直後のサービスの反応は上々。出会い系とは異なり、知り合い同士で気に入っている人をつなぐものとして安全性を担保しつつ、ワクワク感を演出する手法は若いチームとは思えないほどの出来栄えだった。
しかし技術面のノウハウおよびリソース不足に苦しみ、高負荷状態をなかなか改善できないまま、肝心の収益化にについてもうまく営業を進めることができなかった。
撤退の理由についてPitapat 取締役 伊香賀淳 氏はこのように語る。
「比較されがちな出会い系サービスとの棲み分けを計る一方で両想いになる人が少ないというジレンマを抱えていました。改善しながら進化すればいいという考え方もあるのですが、多くのユーザー様に使ってもらいながら思うような結果を出すことができませんでした。
経営メンバーとの起業にいたるきっかけともなった非常に 思い入れのあるサービスのため、もう一度サービスを根本から見直していきました。私たちとしても苦渋の決断でしたが、サービスを閉じるという方向に至りました。
サービスの譲渡や売却などの話も少なからずあるが検討中とのこと。現在は「メンバー構成はそのまま「友達以外の新しい人とのつながり」にフォーカスした2つのスマホ向け新規サービスを2つ開発中で、そのうち1つを年内にリリースする予定」(伊香賀氏)だ。
【関連URL】
・株式会社Pitapat
http://pitapat.co.jp/
・Facematchが「Pitapat」として国内で正式ローンチ、チーム結成から1年 タコ部屋からCA子会社へ【増田(@maskin)】
http://techwave.jp/archives/51742877.html
・第3回 SF NewTech JapanNight 最多得点は「Facematch」 【増田(@maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51710762.html
・審査員も思わず総立ちした注目のアプリ「Facematch」がスゴイ 【増田(@maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51708439.html
ちなみに僕はPitapatのマッチによって、仲が深まった人が何人もいるので、復活を期待したいです。というか自分でやってもいいくらいかも
8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ネットエイジ等で複数のスタートアップに関与。関心空間、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。TechWaveの活動タグは創出・スタートアップ・音楽・表現・ミディアム・子ども・日本・世界・共感。
次はぜひ「イケてない」サービスを作ってほしい。
メディア的には「イケてる」サービスのほうが、取り上げやすいし記事としてもおもしろいんでありがたいんだけど、アーリーアダプターが「イケてる」と考えるサービスって、ほとんどがマスにまで広がらない。
以前グリーの田中良和さんが「社員が新しいサービスを提案してくることが多いんだけど、『区役所の窓口で待っている人たちを想像してごらん。そのサービスって区役所で順番を待っているような人たちが使うようなサービスか?』って考えさせるようにしているんです」って話していたのが印象的だった。スタートアップの人たちには、ぜひそういった考え方をしてもらいたいと思う。(湯川鶴章)