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薬のネット販売、全面解禁へ 【増田 @maskin】 #otcEC


[読了時間: 2分]

 市販薬の一部を除き通信販売を禁止する厚生労働省の省令について、医薬品や健康食品を扱うEコマース「ケンコーコム」および「ウェルネット」が無効などを求めた上告審判決で、最高裁は国側の上告を棄却。国の敗訴が確定した。各紙が速報で報じている。

 薬のネット販売は、2009年6月の改正薬事法施行に際し、副作用の強さで市販薬を3分類し、厚労省が低リスクに分類される医薬品を除くのインターネット販売を一律禁止する省令を定めていた。

 これに対し、原告2者は憲法で保障された「営業の自由」を侵害しているなどとして提訴していた。

利便性と安全性




 2010年3月30日の一審判決では原告が敗訴。

 「対面販売とネット販売を比べると情報提供の難易、実現可能性に有意な差がある」というのを棄却の大きな理由としており、ケンコーコム 代表取締役 後藤玄利氏は怒りをあらわにするほか、インターネット関連業界からも反発があった。( ex 一審敗訴を受けて )

 業者側逆転勝訴とした二審東京高裁の結論に対し、国が上告していたが、棄却されたことにより事実上の薬のネット販売が解禁となる。

【関連URL】
・薬ネット販売、国の敗訴確定=規制省令「違法で無効」-全面解禁に・最高裁
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2013011100056
・ケンコーコムらが逆転勝訴、市販薬のインターネット販売規制訴訟 【増田(@maskin)真樹】 #otcEC
http://techwave.jp/archives/51742083.html

・ケンコーコム、一般医薬品のネット販売禁止訴訟の判決要旨を公開【増田(maskin)真樹】 : TechWave
http://techwave.jp/archives/51424763.html
・「はらわたが煮えくりかえっている」 ネットビジネス根幹を揺るがす判例と後藤氏 【増田(@maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51424858.html

蛇足:僕はこう思ったッス
「安全性と利便性」が焦点。地方都市や高齢者家庭にとってネット通販は欠かせないインフラとなっているが、やはり薬害事故も軽視できない。かつて蓮舫元議員が「各種改革の中最も困難」と言っていた本件が、これでようやく一歩前進することになる。これから安全と利便性をきちんと担保できるかが試金石になるわけで、今後も注目すべきことだと思う。

著者プロフィール:TechWave副編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
 夢を叶える技術者。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてのIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ネットエイジ等で複数のスタートアップに関与。関心空間、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。活動タグは創出・スタートアップマーケティング・音楽・子ども・グローカル・共感 (現在、書籍「共感資本主義」「リーンスタートアップ」執筆中)。@宇都宮ー地方から全国、世界へを体現中。

メール maskin(at)metamix.com | 書籍情報・ 詳しいプロフィールはこちら


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