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前回の記事「O2OもMakersもNPOも企業も すべてコミュニティが成否を決める(中)」では、ハードウエア系ベンチャーや、リーンスタートアップと呼ばれるような少人数ベンチャーにとって、開発者やユーザーのコミュニティが重要になるだろうという話をした。
ただコミュニティが必要になるのは、ベンチャー企業だけではない。ほとんどすべての企業は、コミュニティ運営のコツを学ばなければならないのだと思う。
ビジネスは、大企業とコミュニティ系企業の2極化が進む
これから人口激減時代に突入する日本。政府は経済活性化策に力を入れるようだが、どのみち経済は適正規模への縮小を続けるしかないと思う。これまでは規模の拡大がほとんどの企業にとって大きな命題だったが、これからは適正規模への事業縮小が多くの企業にとっての命題になるはず。
それが大きな社会の流れだとした場合、今後企業は2極化が進むと思う。世界に向けて一気に拡大する会社と、少人数で運営するドメスティックな会社、の2極化だ。
何らかのインフラ、プラットフォームになるような企業は、インターネットを通じてその情報が世界に同時に伝わって、一気に規模が拡大し世界的な企業になるだろう。Google、Facebookなどがその代表例だ。前回の記事に書いたようなハードウエアとネットを絡めることで業界を再編させるようなベンチャー企業も、成功するところは急激に規模を拡大し、その業界でのプラットフォームになるだろう。そう考えると日本企業にとっても世界を狙えるチャンスはまだまだあると思う。
一方でグローバルなプラットフォームを狙わず、国内のニーズにフォーカスするような企業の中には、コミュニティをベースにしたものが増えてくると思う。
なぜそうなると思うのかというと、幾つか理由がある。1つには、経済が縮小するので小さな所帯で効率よく事業を運営しなければならないから。小さい所帯で今まで同様もしくは今まで以上の価値を作り出すには、開発者やユーザーなどのコミュニティの力を借りるほうが有利。インターネットという最適のツールがあるわけだから、それを使ってコミュニティを形成しない手はないと思う。
また多くの企業は、コミュニティの支援を得やすい企業になると思う。これからの経済縮小で政府や自治体の税収入が低下し、行政サービスの質や量が低下せざるを得なくなる。それと同時に、大量消費社会の価値観から、お金よりも生きがいを求める価値観への変化が起こっている。この2つの潮流が合わさって、縮小する行政サービスを補完する形で、もしくは行政に取って代わる形で、地域社会への貢献を目指す事業が今後数多く生まれてくるだろう。これから生まれてくる事業のほとんどが、そうした社会貢献系の事業になるのではないだろうか。
事業形態は、NPOの形を取るところもあるだろうし、株式会社の形を取るところもあるだろう。事業形態はどうであれ、多くない運営資金で最大限の価値を創出するためには、ボランティアや地域社会の協力を得ることが不可欠になるだろうし、社会貢献を旗印にしているので、多くの人の共感と協力を得やすいのだとも思う。
こうした事業にとって、コミュニティの活性化が何よりも重要なテーマになるはずだ。
3回の連載の中で追ってきたように、今後ありとあらゆるビジネス、事業で、コミュニティ運営の稚拙が事業の成否を決めるようになると思う。これは、ある意味当然のことかもしれない。政府や大企業から個人へのパワーシフトが進み、個人がソーシャルメディアを通じて情報を発信し、つながり始めている時代。パワーアップした個人をつなぐコミュニティこそが、すべてのビジネスの強さの源泉になっていくのだと思う。
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このコミュニティの未来こそが、今の僕の最大の関心事の1つ。コミュニティを制するものはビジネスを制するはず。ではどうすればコミュニティを活性化させることができるのだろうか。好評をいただいています少人数制勉強会TechWave塾では第15期として「21世紀型コミュニティの本質をつかむ」と題して、この問題を徹底的に議論して運営方法などの知見を得たいと思っています。塾生募集中です。