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実は僕って、結婚記念日、妻の誕生日などが近づいてくると少々憂鬱になるタイプ。なぜならいつもプレゼント選びに頭を痛めるからだ。
家計の中からプレゼントするわけだから、あまりに高いものを買うのは当然ダメ。かといって安過ぎるものはさらにダメ。要らないものを買ってくるのは、完全にダメ。
そのときに彼女がちょうど欲しいと思っていたモノ。ちょっと値が張るので自分で買うには少し勇気がいるもの。しかも何がほしいかは、まったくヒントをもらえず、サプライズ性がないとだめ・・・。心の中のそんな要望を読み取れって、オレは超能力者か(怒)!!
そんな男性諸君にお勧めなのが、電子工作。FabLab(ファブラボ)渋谷で、3Dプリンターや、レーザーカッターなどの電子工作機器でオリジナルなモノを作れば、彼女、妻、パートナーに喜ばれること間違いなし。
デザインは、著作権に縛られていないものがネット上にいっぱいあるので、それを借りてきてちょっと修正を加えて、電子工作機器に出力するだけ。不器用な自分でも、結構いいものができてびっくり。これから毎年、妻の誕生日にオリジナルな何かを作ろうと思いました。はい。
クリス・アンダーソンのMAKERS―21世紀の産業革命が始まるという本が周りの人たちの間で話題になっていて、勉強会を開いてその可能性や実態について勉強してきたんだけど、やっぱり実際に体験してみたい。ということで友人の高野 元さんがFabLab渋谷の体験ツアーを先週末に企画してくれた。それに中学生の長男、小学生の次男を連れて参加してきました。
ほかにもMakers革命に興味のある友人数人が参加。タニソーこと谷口賢吾さんは、4歳の娘さんを含むご家族全員で参加。家族ぐるみの和気あいあいとしたイベントになった。
FabLab渋谷って、いわばDIYの工房のようなものなんだけど、おいてあるのが3Dプリンターや、レーザーカッター、電子ミシンなどといった最新鋭の電子工作機械ばかり。初めて見る電子工作機器に大人も子供も少々興奮気味の中、FabLab渋谷の代表の梅澤陽明さんから、FabLabのムーブメントや精神、電子工作機器、FabLabのことなどをひと通り説明してもらい、さていよいよ実際にモノづくりスタート。
過去にFabLab渋谷で作られた作品を幾つか見せてもらって、アイデアを練る参加者。僕は、メモ帳の表紙にレーザーカッターでデザインすることに決めた。また近くに100円ショップや、東急ハンズがあるので、参加者の何人かは渋谷の街へ繰り出してiPhoneカバーなど購入。それにいろいろ加工することにした。
これが僕が書いたデザイン。なにこのヘタさ。
これをFabLab渋谷のスタッフのきれいなお姉さんに、「イラストレーター」でデータ化してもらった。
電子工作機器で出力するには、「イラストレーター」でデータを作る必要があるとのこと。参加者の何人かは「イラストレーター」を使えるんだけど、僕はからっきしだめ。だって「イラストレーター」ってそれなりの値段のアプリだもん。僕みたいにデザインセンスがない人間のおもちゃとしてはちょっと高過ぎる。「イラストレーター」でデータを作れないと、電子工作機器が使えないというのはちょっとしたハードルになる。
でも梅澤さんによると、Inkscapeというオープンソースのアプリを使って、dxfやepsというデータ形式にデザインを落とし込めば、FabLab渋谷のパソコンにインストールしてあるイラストレーターを使って電子工作機器に出力できるのだとか。また僕のように手書きでデザインしてFabLab渋谷のスタッフのきれいなお姉さん、かよさんにイラストレーターでデータ化してもらうことも可能だ。
データができれば、メモ帳をレーザーカッターにセットして、レーザーの高さを調整して、スイッチオン!ギーコ、ギーコ言いながら、完成。
取り出してみると、あれれ?デザインの位置がずれていて、ハートが半分欠けている。それにハートが切り抜けてないし・・・。
でもよく見れば、ハートが半分しか表示されていないほうが味があるし、切り抜けていないほうがよかったかも。ミセス谷口からも「こっちのほうがかわいいですよ」と言ってもらえたので、気を取り直す。うん、そうだな。こっちのほうがいいかも。
こうした思った通りにならないぐらいのほうが、味があるし、オリジナルっぽくて楽しいのだと思う。
息子たちは、iPhoneケース、iPod touchケースに自分たちの名前とフェニックス(不死鳥)のデザインを掘り込んでご満悦。小学生の次男は「今度はママも連れてこようよ」「僕、大きくなったらFabLabの人になる」と、すっかり電子工作が気にいった様子。インドの小学生が開発した電波のアンテナが広く利用されているという話を聞いて、小さな声で「チクショー」とつぶやいた次男。そうだよ、君にもできる。どんどん挑戦しろ。って思った。
谷口さんご一家は、iPadを使って娘さんが手書きしたデザインデータを電子ミシンに転送して、刺繍。自分のデザインが刺繍されたハンカチを手にむすめさんは大満足の様子だった。
高野さんは、自分の会社のネームプレートをアクリル板で作成。めちゃくちゃかっこいいネームプレートが完成。大都市のスカイラインの細かな凹凸をきれいに表現しているところとかは、さすがレーザーカッター。完成度の高さに、賞賛を通り越して嫉妬さえ感じてしまった(笑)。
次回は、僕もハートマークといった簡単なデザインではなく、もっと凝ったものを作ろうっと。
FabLab渋谷は、今回のようなツアーも企画してくれるし、平日は予約制でだれでも利用が可能。
老若男女、さまざまな人が利用しているそうです。
われわれのようにスタッフに手伝ってもらえれば簡単に作れちゃうんだけど、でもまずは毎週水曜日の15時から20時まで無料で説明会を受けることができるので参加してみてはどうだろう。所要時間は約50分。
それでどんなことができるのかが分かったら、加工データを自分のパソコンで作るか、もしくはラフなスケッチを手書きして、FabLab渋谷のサイト上の機材カレンダーで空き状況を確認して予約フォームで申し込むだけ。
レーザー加工機は、10分1000円、3Dプリンターは10gで1000円。初めての場合は、スタッフにデータを調整してもらったほうがいいと思う。そのデータ調整料が1500円とかかかったりする。(機材リスト、価格の情報)
あとは作業日の当日、予約時間に出かけて電子工作にチャレンジするだけ。分からないことがあれば、スタッフが親切に教えてくれます。いや、ほんとめちゃくちゃ親切。梅澤さんは、ナイスガイ。かよさんもすごくやさしい。FabLab渋谷って、すごくいい雰囲気でした。
MAKERSの本によると、こうした電子工作(デジタルファブリケーション)は21世紀の産業革命になるのだとか。果たしてどのような未来が開けるのか、その方向に向かって技術革新は今、どの辺りを進んでいるのかを、体感するためにも一度はFabLabでのモノづくりに挑戦されることをお勧めします。