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UEI、enchant.jsをベースとした独自開発のデバイス「enchantMOON」を一般発売、予約は4/23で価格は39800円 【増田 @maskin】


[読了時間: 2分]

 ユビキタスエンターテインメント(以下、UEI)は2013年4月19日、独自開発のタブレットデバイス「enchatMOON (エンチャントムーン)」の一般発売を開始すると発表した。価格は39800円で、4月23日から公式サイトで予約を開始する。

 Android4.0とHTML5向けゲーム開発エンジン「enchant.js」をベースにした、手書きでメモはもちろん紙の手書き感覚で多様な操作をすることができるハードウェアで、紙の電子化のみならず、プログラミング教育やコンピュータの新たな活用等、幅広い用途を想定している。

 設計段階から映画監督の樋口真嗣氏と哲学者/思想家の東浩紀氏が関わっていることでも注目を浴びている。

アラン・ケイの夢




 製品は書くことにフォーカスして設計されており、指先の細かな動きまで再現。メモはもちろん、切り貼りやコマンド実行など、ハイパーテキストの世界観を存分に体感できるデバイスのようだ。

 この発想を聞き真っ先に思い出すのがアラン・ケイ氏が1977年頃から提唱した「ダイナブック」という仮想コンピュータのこと。手で持ち運びが可能で、文字や音声、映像が扱え、OSそのものがユーザーが自由に再定義できるというもの。それを持つことで、ユーザー本人の能力が拡張できるというものだ。

 ダイナブックは現在も完全に実現されてないといわれているが、そのそもMac自体がアラン・ケイの暫定ダイナブック「Alto」から刺激を受けて誕生したとされている。

 実はUEI CEOの清水氏は、アラン・ケイ氏にenchantMOONを見せていったこともあるとのことなので、本製品がどれほどの夢を与えてくれるか期待される。

enchantMOON ハードウェア仕様

CPU : AllWinner A10 1.2GHz
OS    : MOONPhase
ディスプレイ : 8インチXGA(1024×768)フルカラーディスプレイ
入力方式 : 静電容量タッチパネル + アクティブ式デジタイザーペン
ヒープメモリ : 1.0GB DDR3
ストレージ : 16GB
通信方式   : Wi-Fi (802.11b/g/n)
カメラ    : フロントカメラ及びセルフカメラ
バッテリー  : 5000mAh/3.7V
付属品    : ACアダプタ
専用USBケーブル
専用ペンホルダー付きストラップ(初回出荷限定)
価格 : 39,800円(税込) 送料別
オンライン予約は代金引換のみで送料・手数料別となります

 

【関連URL】
・UEI、手書きメモに特化した独自OS搭載コンピュータ “enchantMOON”を39,800円(税込)で発売決定 ~4月23日にオンライン予約開始&五反田にてタッチ&トライイベントを実施~ | ニュース | 株式会社ユビキタスエンターテインメント
http://www.uei.co.jp/news/?p=1186
・enchantMOON ; The Hypertext Authoring Tablet
http://enchantmoon.com/

蛇足:僕はこう思ったッス
初めてenchantMOONのことを直接関係者から聞きたのは2012年9月7日。代表取締役社長兼CEO 清水亮 氏、映画監督でenchantMOONの最終デザインを担当したCVO(チーフ・ビジョナリー・オフィサー) 樋口真嗣 氏との雑談で、ぼんやり「Blockを使ってタッチでプログラミングできる端末かな?」と思っていた。実際の製品はメモに主眼が置かれているような表現になっているが、そもそもenchant.jsがベースになっているわけだから、ゲーム開発はもちろん近い将来プログラマブルなデバイスに進化するだろう、などと激しく期待している。
ところで、この雑談の時、「樋口さんがイメージ映像とか作られるんですか?」と質問したら、意外にもそれは考えてなかったようで、「清水さん:できますか?」「樋口さん:できますよ!」みたいなやりとりで、後日、公式サイトのものすごくかっこいい映像が公開されていた。


写真は2012年のCEDEC AWARD受賞パーティの一枚。左からCHO(チーフ・ホビー・オフィサー) 前田靖幸氏、代表取締役社長兼CEO 清水亮 氏、CVO 樋口真嗣 氏。

enachant.js自体がすばらしいと思うし、こういった才能を集めてデバイスを作り出してしまうUEIと清水さんらの吸引力に感心させられる。清水社長は単独で世界を周りenchant.jsを広めまくるなど、地道な行動力にもすごいと思う。こうした取り組みをし続けるスタートアップが、どうか日本から世界へと突き抜けていってほしいと思うし、新興スタートアップとして見習いたいと思う。

著者プロフィール:TechWave 編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
変化し続ける高エネルギー生命体。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてのIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなどほとんど全てのIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ブログCMSやSNSの啓蒙。ネットエイジ等のベンチャーや大企業内のスタートアップなど多数のプロジェクトに関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。活動タグは創出・スタートアップマーケティング・音楽・子ども・グローカル・共感 (現在、書籍「共感資本主義」「リーンスタートアップ」執筆中)。@宇都宮ー地方から全国、世界へを体現中。

メール maskin(at)metamix.com | 書籍情報・ 詳しいプロフィールはこちら


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