サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

Antennaが雑誌のような広告を展開、ハイバリューニュースアグリゲーターは新しいメディアの活路を見出せるか 【@maskin】


[読了時間: 2分]

 競争が激化するニュースアグリゲーターアプリ市場。

 中でも、グライダーアソシエイツが運営する「Antenna(アンテナ)」は、雑多な情報から人気のものを発掘するのではなく、配信情報を編集し、ブランド価値を尊重する姿勢を貫くことで独特な世界観を構築してきたアプリと言えるだろう。

 フラットデザインを採用したりUIデザイン等に注力するなどスマートデバイス趨勢時代に向け先手を打ることで、ファッション誌や一般誌に掲載するようなハイブランドやナショナルブランドを持つ企業からも評価されてきた。

 そんな同社は2013年10月10日、他者と一線を画する広告ラインナップを投入する。







 一つは、「プレミアムカバー」広告。

 雑誌の表紙を開いた直後、見開きで美しいブランド広告が展開されるのを見たことがある人は多いだろう。

 これはまさに同じイメージで、「Antenna」を起動した直後をフルスクリーンでジャックするというもの。

 今回の発表にあわせて、明日10月11日限定で、自動車ブランド「LEXUS」のプレミアムカバー広告が配信されるとのこと。


ブランドがつくる編集空間「クリップブックパッケージ」

 もう一つが、ブランドがオウンドメディア等の記事ページなどを、独自の編集観点でクリップしたページ。

 単に別サイトのページをアグリゲート(集約)したのではなく、「Antenna」ならではの視点でまとめることで、ブランドなどへ深く関心を持つユーザーとの関係を構築するというもの。

 利用する企業にはCMSが提供され、随時クリップする内容を編集できるようになっている。

 クリップブックは2013年春頃から実験などを開始し、これまで20社での運用実績がある。ソーシャルメディアとオウンドメディア、それぞれの重要性が説かれる中、双方を効果的に連携させる作用があるとして引き合いが増加し続けている状態とのこと。

 2つの広告プランは、スマートデバイスならでは、Antennaならではの世界観にフィットしたものとして注目を浴びそうだ。


Antennaの平均利用時は15分/日

 現在、「Antenna」は170社と配信契約を締結。毎日500本以上の記事が更新&配信されている。

 現在、ユーザー数は110万人。月間のインプレッション数は1億9000万。スマホの他、タブレットでの使用率が高く、約7割がスマートデバイスからの使用となっている。

 また、2013年3月というちょっと古い情報ではあるが、利用者は購買意欲が高く、また驚くことに平均利用時間が 1日あたり15分という。

 続々力を失う雑誌に代わり、ハイブランドに関心を持つユーザーの遊休時間はスマートデバイスになるのかもしれない。





【関連URL】
・Antenna | ヒトをきっかけに、モトとつながる
http://antenna.jp/
・Antenna関連記事 | TechWave
http://techwave.jp/tag/antenna
・グライダーアソシエイツが20億円の第三者割当増資を実施、堀江貴文 氏をサービスアドバイザーに 【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/gliderassociates_increasecapital_2billion-yen.html
・これはスゴイ! ニュースまとめで収益化、「Antenna(アンテナ)」が2.0にバージョンアップ 【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/antenna_2_news_aggregator.html

蛇足:僕はこう思ったッス
2013年8月、衝撃の20億資金調達についてはここではおあずけ。広いオフィスに移転し、スタッフも増えたグラーダーアソシエイツ。代表取締役社長 町野健 氏は、刻々と変化する市場に油断はできないとしながらも「クリップブック広告については、年内100案件達成」に向け躍起だ。
著者プロフィール:TechWave 編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング → 海外技術&製品の発掘 & ローカライズ → 週刊アスキーなどほとんど全てのIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ブログCMSやSNSのサービス立ち上げに関与。坂本龍一氏などが参加するグループブログ立ち上げなどを主導した。ネットエイジ等のベンチャーや大企業内のスタートアップなど多数のプロジェクトに関与。生んでは伝えるというスタイルで、イノベーターを現場目線で支援するコンセプトでTechWaveをリボーン中 (詳しいプロフィールはこちら)

モバイルバージョンを終了