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理化学商社大手アズワンが30万点の取り扱い商品を検索できるチャットボットを全社導入、ビジネスチャット「direct」が開発

理化学系商社の大手アズワンが、取り扱い商品30万点の在庫状況をスマートフォンやタブレット等からリアルタイムで検索できるシステムを全社導入しました。チャットボットを採用することで、開発期間は全体で1ヶ月に収めることに成功しています。

アズワンは1933年創業の老舗理化学系商社。研究室向けの機材を筆頭に、看護や介護用品、その他さまざまな理化学機器を扱っています。現在の取り扱い商品点数は全体で150万点以上、販売網はカタログからウェブにシフトしています。

そもそも、チャットシステム導入を決めたのは、社内の情報伝達を円滑にするためでした。エル・イズ・ビーのビジネスチャット「direct(ダイレクト)」のトライアルを使用したところみるみり利用者が増え、情報伝達漏れも解消されたといいます。

「導入して初めての月はアクティブユーザーが250人ほど、メッセージ数が29,000通ほどでした。翌月にはメッセージ数が約5万通に増え、現在はアクティブユーザーが約430人、7月のメッセージ数は約9万4000通にまで増えています。最近は役員から海外や各支店ともやりとりをしたいと要望がありました」

チャットボットと基幹システムを接続

チャットボットを在庫状況検索に活用する話が浮上したのは「アズワンの在庫状況をリアルタイムにお客様に提供したい」という要望が複数の販売店から出てきたからでした。在庫データはアズワンの基幹システム「ASCA」が構築されているオラクルのデータベースにリアルタイムで記録されているものの、直接提供するには負荷が多くセキュリティ的にも問題がありました。

しかし、アズワン社は2017年5月にオラクルが提供する「Oracle Database Exadata Express Cloud Service」を活用しAPIを公開。そのAPIを経由して、日頃使っているチャットで話しかけるだけですぐ基幹システム「ASCA」の在庫が検索できるチャットボット「在庫くん」の開発に着手するに至りました。

チャットボット「在庫くん」は型番を入力するだけで使えるシンプルな内容で、現時点で30万点の在庫データがリアルタイムで検索可能。全国の販売店4300社が在庫データをリアルタイムで取得できるようになりました。

対話型のインタフェーイスは開発期間も短縮しており、開発期間は全体およそ1ヶ月、ボット部分は2週間で実装することに成功しています。

【関連URL】
・アズワン株式会社
https://www.as-1.co.jp
・アズワン株式会社様のdirect導入事例 – 現場のチカラを最大化。国産ビジネスチャットの「direct」
https://bitflyer.jp/ja/company

蛇足:僕はこう思ったッス
 基幹システムの外部利用は長年多くの企業で課題となってきた。ただ、例えばウェブベースサービスをどこまで切り出すか、どう接続するか、そもそも誰でも使える内容か?そんな頭を悩ませる問題が山積みだった。チャットボットは、対話型というシングルプロセッサ的なインターフェイスに落とし込むことで、これまで煩雑で実現できなかったスマートな業務フローを実現させるだけでなく、混乱しがちな現場業務を助ける役目を果たしてくれているように思う。まだまだ、市場は大きくなるだろうという印象。
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