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ワークマネジメントツールを提供する「Asana」は2021年2月16日、ユーザーズコミュニティ“Asana Together”のユーザーを対象としたイベント「Asanaを活用して「分散型ワーク」をチームで乗り切る!」を開催した。
「Asana」はテレワークなどに不可欠な分散協調型の働き方を推進するクラウド型のツールで、Facebookの共同設立者Dustin MoskovitzとGoogle/FacebookのエンジニアだったJustin Rosensteinによって2008年に設立されたもの。日本オフィスは2019年にスタートしているが、“Asana Together”の日本のユーザーは日本語化がされる前から利用しているファン層もいる。
「Asana」の最大の魅力は「分散型ワーク」を実現するのに適した構造を持っている点。日本ではテレワーク推進の動きの中で、チャットツールやToDo管理ツールが一定の普及を見せている状態で競合も増えつつあるが、「Asana」は単なるツールの集合体というよりは“働き方を再定義”する世界観を持ち合わせており、特に「分散型ワーク」スタイルの中で真価を発揮する。
さまざまな仕事の現場でどう使うか、ケースバイケースでの工夫が求められているが、同社の利用者調査では「利用企業の約50%が効率化を実感している」という結果もでている。今回のミートアップイベントでは「Asana」の最新トレンド情報を皮切りに、「Asana」を使いこなしてきたユーザーらが工夫しトライしてきたさまざまケーススタディやアイディアを広く共有する場となった。本記事を含め2回に分けてその内容をお伝えする。まず、鍵となる「分散型ワーク」とはどういったものか、「Asana」の誕生とその狙いを紐解いて行きたい。
Asanaが得意とする「分散型ワーク」とは何か?
分散型ワークとは何だろうか? 単に離れた場所で連携し合いながら業務を進めることを指すのだとしたら、なぜ、日本ではチャットツールやZoomなどのテレコミュニケーションツールの利用が浸透しつつあるにも関わらず、効率よくテレワークを行うことができないという報道をしばしば眼にするのはなぜだろうか?という疑問が残る。
カリフォルニア大学バークレイ校ハース・スクール・オブ・ビジネス 認知神経科学の教授であるSahar Yousef博士が、世界主要6か国(日本・オーストラリア・ニュージーランド・フランス・ドイツ・シンガポール・イギリス・アメリカ)のナレッジワーカー1万3000人超を対象とした調査分析(2020年10月実施)によれば、2020年はデジタル化や分散型ワークが急加速したものの効率化が図られるどころか重複作業が増えている実態が明らかとなり、日本においてはテレワークの方が長時間労働化しているという驚きの結果が出てきている。
調査の中で明らかになったのは、そもそも“仕事”が上司などから与えられたものであり、「一人一人が意義のある仕事をして前に進むこと」が出来ていないという実態だ。結局、テレワーク・リモートワークが推進され自律的に働くことが求められても、上司などからの指示や調整が入らないと動けない。結果としてほかの人もっていた同じ仕事を繰り返すようなことが起こってしまうというのだ。
特に、「Asana」が注目するのが「仕事のための仕事」だ。調整や会議、多すぎるアプリの切り替えなど、本来やるべき仕事とは異なる「仕事のための仕事」を締める割合が60%に上るという。「Asana」はこの比率を減らしていこうと考えている。
「仕事のための仕事」を効率化する突破口が「Asana流の分散型ワーク」である。オフィスや在宅勤務、外部で働く人などを分け隔て無くカバーし、本来やるべく仕事にフォーカスできるようにするというものだ。
複雑にからみあうプロジェクトやタスクを、ゴール設定に従って各位が自律的分散的に進め、かつ効率よく管理できるかどうか?
単にビジネスチャットやToDo管理ツールを使ったとしても、それは容易に実現しない。「Asana」は、ゴール設定やプロジェクトのミッション、ルーチンワークなどを分散ワークの中に取り入れ、人々が本来やるべき仕事に集中しつつ、それを効率化し着実に実行しリアルタイムで状況を把握できるような構造になっている。
これこそが「Asanaの分散型ワーク」であり、多様な業界業種の“仕事”に効率化の革命を起こす源泉となる。
Asana本社勤務を経て、日本法人を立ち上げに参画した山田寛久 氏の視点
では、(後編)のユースケースの話へのつなぎとして、「Asana」がどういった理念で開発されているか、アメリカ・サンフランシスコのAsana本社で開発にあたった後、2018年の日本法人設立に第一号社員として移籍した山田寛久 氏の話を紹介したい。
彼は近著「なぜ僕はここで働くのか』(ダイヤモンド社・2021年1月発売)」の中で、ハーバード大学在学中にGAFAMと呼ばれるグローバル大手企業の採用を断り、Asanaへの入社を決めている。
山田氏が強く主張するのが「Asanaに入社したことを誇りに思う」ということだ。最大のきっかけはCTOであるPrashant Pandey氏とCo-FounderであるJustin Rosenstein 氏との出会いだ。
特にJustinは「エンジニアとしてきちんと成長できる環境に身を置くことの大切さ」や「シンプルでパワフル」で人が集い事を成し遂げることができるプロダクトを生み出すという「Asana」における重要な哲学を与えてくれたという。
その最たる例の一つとして、ネパールの医療シーンにAsanaが導入された話が紹介された。あふれかえる患者に対応するタスクを作り、感知したら完了する。それまでの紙のオペレーションは非効率だったものの、見事にチームワークが活き一日に看られる患者数が増える結果となったという。
Asana CEO Dustin Moskovitz氏とJustin Rosenstein氏は、Facebookを飛び出したAsanaで次にどいういた課題を解決できるかを考えたことがあるという。当時、教育・環境・政治などいろいろやれることがあったが、最終的に分野を横断したイノベーションを支援することができるプロダクト開発に集中することと決め、その哲学は今も「Asana」に根付いている。
後編は、ユーザーの活用事例についてお届けする。乞うご期待。
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