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大切なことは、一人ひとりのハートに火をつけること。(1/2)【増田 @maskin】】#shizucan


[読了時間: 2分]

 去る2013年5月24日(金曜日)17時から25日(土)、26日(日)にかけて、「シズオカ x カンヌウィーク」(シズカン)一部門として、日本で初となる一般消費者を対象とするITアピールスペース「サイバーマルシェ」を開催しました。のべ25のプロダクトが、東京や大阪、福井などから静岡市の会場にかけつけてくれました。

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  シズカンの会場はライブや映画、グッズ販売や飲食、素敵なワインと料理がふるまわれるようなありふれた休日のイベント空間。


 そんな中に突如として現れる「サイバーマルシェ」。何も知らないで訪れた人には異様に映ったのではないかと思います。

 始めは、私たちも勝手がわからず、簡単な呼び掛けやフライヤーやノベルティを配布するくらいのことしかできず、足早に過ぎ去ろうという人もいれば、いちおう話は聞くんだけど「ちょっと難しいのは無理」といわれてしまうこともありました。想定外の連続。

 もちろん、一般消費者にアピールをするわけだから、その辺はある程度覚悟の上でしたが、現場に直面すると、そう簡単にはいかなかったんです。

 IT業界で頻繁に実施されている”業界人の業界人による業界人のためのセミナーやイベント”であれば、難しいこともまあ知識があるから大抵は耳を傾けてくれるし、知り合い同志で盛り上げてくれるので安心感があると思います。

 ただ、シズカンサイバーマルシェは完全なるアウェー。戦いの場でした。



 モノプレーン 代表取締役 小西啓一郎 氏は「PassSquare」を説明するのにも、そもそもPassBookの存在すら知らない人に、その価値を伝えることに挑戦しました。

 ガラケー率が高い会場で、かなりの苦労があったと思いますが、そもそも静岡は市場調査などで「全国平均値が出る」として評価される地域で、日本の現実を間の当たりにされているようでした。

 現実味があるという意味では、福井県越前市に拠点を置き、今回も350Kmを車で移動して出展しにきてくれた ignoteの代表取締役 中西孝之氏による演奏ネットワーキングシステム「melocy(メロシー) 」 のデモは、わかりやすい演出と、一般受けを想定した優れたデザインが功を奏し、(始めは苦戦されていたようですが)来場者の関心を着実につかんでいきました。

 エヌ・ティ・ティ レゾナントさんは「gooブログ」と新作アプリ「Dialnews」の2チーム体制で参加。

 リラックスしつつ、わかりやすい説明で終始、話を聞き入る人が訪づれていました。

 ただ、もっと来場者を増やそうと、途中で茄子の着ぐるみを投入し、会場全体でフライヤーやシールを配布するなど積極的にアピールを展開していました。


 全体的に、ポスターにしても資料にしても、業界人向けに制作したものしかないということが、会場で問題になりがちでした。結局、ポスターで目を引くことができず、一人一人に説明をしなければならない状態。

 しかし、たった「一言が、ゲストの心をつかむ」ということもわかってきました。

 例えば、クレスコアイディさんの「Tag Your Life !!」 というNFC啓蒙情報サイトと連携した展示では、一見難しそうな英語のポスターと電子工作のような構成にもかかわらず、「みてみて、新幹線がこうなっちゃうんだよ」という一言で人集りが生まれたんです。

 しかも、子供だけでなく、親御さんまでが関心をもって話を聞き入りような状態。

 ここで感じたのは「簡単に伝える」ことが大切なのではなく、「ゲストが聞きたいと思っていることを、ピンポイントで伝える」ことが大切だということです。

 不慣れな中、試行錯誤しながらブース運営をしていたInnobetaの「UIScope」チームは、「20分アプリをさわると500円もらえる」というフライヤーを用意。

 もともとユーザーテストのサービスだけに、ポスターや展示だけでは「え、開発支援? バイト? どっちなの?何?」と混乱させてしまいがちですが、20分で500円もらえるいいバイトとしてメッセージを集約することで、主婦層の関心を集めることに成功しました。


 ソニーの「Oto-Latte(オトラテ)」は、サービスそのものはわかりやすく、一度聞いてもらえれば伝わるはず、と思っていました。

 案の定、多くの人が足を運び、高齢の方を含め幅広い層の方が関心していたようですが、遠くからブースのポスターと画面を見て読み上げサービスかは判断してもらいにくく、声をかけるなどすることで流れを変えていったようです。


 意外と苦戦していたのが、ノマド行商のプロスマホアクセの森」のテソロさんです。

 呼び掛け方で、人を集め、賑わいを生み出す手腕はさすが、プロそのもの。


(続く)

【関連URL】
・シズカン「サイバーマルシェ」開催中、展示&地域O2O 全国xITのメインストリームへ【増田 @maskin】#shizucan
http://techwave.jp/archives/cybermarche_startday.html
・「無音のディスコ」シズカンで、ヘッドフォン使用で無音シアターも 【増田 @maskin】 #shizucan
http://techwave.jp/archives/shizucan_silent_disco.html
・シズカン「サイバーマルシェ」、出展者情報 第一段【増田 @maskin】#shizucan
http://techwave.jp/archives/shizuoka_canne_week_pre.html
・“国民総プログラマー化計画” 起動、 第一段は「誰でもスマホ企画会議」 【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/project_programming.html
・カンヌ映画祭 開幕、日本の姉妹都市で連携イベント展開 TechWaveもコラボ【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/cannes_festival_65th.html

蛇足:僕はこう思ったッス
 生まれて初めての静岡市入りでしたが、駅につくと、TechWaveおよびこのイベントに共感し手伝いを申し出てくださった現地の方に助けられました。現地周辺から多くの方が「TechWaveさんが静岡にくるっていうんで」と会いにきて下さり、東京や大阪からもわざわざ静岡市まで遊びにきて下さったかたもいました。出展者を含め支援してくださる方が、この会場で出あい、また新しい活動を決意しようとしたりしていることに胸が熱くなりました。外から地方にきて、その期間だけ熱狂状態になるけど、終わったら何もなくて何も落とさない。そんなイベントや取り組みが多い中で、ちいさいながらも成果があったと思っています。
人と人が触れあい、あたらしい熱意が生まれる。この地にスポットライトが当たり、外部との関係性を継続的にケアすることで力を付けていく。IT&ネットがあるからこそできる、とても大切なひとときでした。後半、お楽しみに。
著者プロフィール:TechWave 編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
変化し続ける高エネルギー生命体。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてのIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなどほとんど全てのIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ブログCMSやSNSの啓蒙。ネットエイジ等の
https://www.chatwork.com/g/techwave_maskinベンチャーや大企業内のスタートアップなど多数のプロジェクトに関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。活動タグは創出・スタートアップマーケティング・音楽・子ども・グローカル・共感 (現在、書籍「共感資本主義」「リーンスタートアップ」執筆中)。@宇都宮ー地方から全国、世界へを体現中。
mail メール maskin(at)metamix.com | 書籍情報・ 詳しいプロフィールはこちらTwitter @maskinFacebookhttp://www.linkedin.com/in/maskin
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