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米FacebookがシリコンバレーエリアのAIスタートアップ「Ozlo(オズロ)」を買収したことが明らかになりました。
「Ozlo(オズロ)」は、AI技術を使ったチャットボットで、Facebookメッセンジャーをパーソナル情報アシスタントとして進化させようと考えているようです。
1400万ドルを調達したOzlo(オズロ)の価値
チャットボットへの関心が高まる2016年5月、「Ozlo(オズロ)」は情報検索の先を行く情報アシスタントとして先着1万名限定の先行ユーザー募集開始し、大きな話題を呼びました(こんにちは「Ozlo」、AIチャットボットは人やGoogle検索を超えるのですか? 【@maskin】)。
「Ozlo(オズロ)」は、ユーザーとボットとの対話から、レストランなどの情報を詳細にわたり収集・検索・提示してくれるというもので「この辺でおすすめのハンバーガーショップは?」といったざっくりとした質問に対しても、蓄積された情報からユーザーの嗜好に適した項目を探し出してくれます。
2016年の先行ユーザー向けサービスが開始する時点で、ベータテストにおける数千の会話実績から2億5000万の情報を覚えていましたが、およそ1年が経過した現時点では20億以上の項目を持つ知識グラフの構築に成功しています。
「Ozlo(オズロ)」の魅力はそのデータ量のみならず、テキストチャットの対話のコンテキストを読み取る力を着実につけてきたということにあります。つまり、YESやNOといった機械的な質問からデータベースを検索するのではなく、ユーザー間の空気を読むのです。
かつ、提示される情報は、キーワード検索結果のような見出しとリンクではなく、ちゃんとその店のメニューまでも絞り込んで伝えてくれる、まさにチャットボットだけで簡潔するパーソナル情報システムとして成立していました。ですから、1400万ドルの資金調達も不思議ではなかったのですが、結局彼らはFacebook入りを決めてしまったのです。
今回の買収により、「Ozlo(オズロ)」のチームはFacebookのメッセンジャーチームに参加することになります。いわゆる、アクハイヤー(アクワイヤ(買収)+ハイアリング(採用)です。Ozloのサービスはシャットダウンされてしまいました。
メッセンジャーのアシスタントの行方
Facebookメッセンジャーには、2017年初頭から一部の地域でAIアシスタントが動いていますが、米Recodeなどの報道によると、このアシスタントは「Ozlo」チームの資産に置き換えられるという話も出ています。
考えられるのは「Ozlo」がテキストベースの会話に絞ってAI等の研究を進めてきたことにある点です。
昨今の人工知能チャットボットは、AIスピーカーなど音声認識ありきの流れにありますが、実際のところ勝負は音声認識の精度ではなく、言語認識語のコンテキストにあると言われています。
実際、Facebookはもとより(人工知能「DeepText」の威力、Facebookは文章認識エンジンで何をやろうとしているのか 【@maskin】)、FacebookメッセンジャーチームはテキストベースのコンテキストをベースにしたAI開発にフォーカスすることを表明していました。現状を見る限り、これは妥当な戦略と考えられます。
【関連URL】
・We’re joining Messenger at Facebook!
https://ozlo.com/
・こんにちは「Ozlo」、AIチャットボットは人やGoogle検索を超えるのですか? 【@maskin】
http://techwave.jp/archives/introducing-ozlo-ai-chatbot.html