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どんなに音声や動画といった多様なコミュニケーション媒介が生まれても、私達人間は言葉そして文章を基盤に意思の交流を計っている。それが、チャットブームの根底に隠れている部分であり、昨今のチャットボット展開への期待であろう。
ソーシャルネットワーキングサービス、そうFacebookにとっても、日々ユーザー同士がやりとりする文章をどう適切に扱うかが最大の課題となっていた。その答えのひとつが「DeepText」ということになるのだろう。
「DeepText」は、Facebook AI Researchで生まれたディープラーニングを基盤とした文章理解エンジンだ。人間が解釈するように、文章を正確に理解し学習していく。そのスピードは1秒あたり数千本。現時点で20の言語に対応する。複数のニューラルネットワークの仕組みを利用し、文字レベルで学習をしていく。Facebook関連サービス開発者は、この仕組みを利用してアプリケーションを開発することができる。もちろんボットにも応用可能だ。
文章解析にはやるべきことが一杯ある。例えば、バスケットボールの話題なら、プレイヤーの名前や試合の結果など。スラングの判別、“ブラックベリー”が食べ物なのかデバイスなのか?といった曖昧な表現などもそうだ。こういった課題を複数の言語を横断して解決するのに最適なのがディープラーニングという方向性なだというのがFacebookの考えだ。
例えば、ウォールに「2万円でこの家具を売りたいんだけど、誰かいる?」と投稿した時、その内容が自動で判断され、オークションが立ち上がり、梱包や送金、発送などの手続きが一瞬にして終了したらどうだろう。このように文章を理解し、それに関連する情報や機能を的確に提供することで、Facebookの利用品質を向上しようというわけだ。
特定の分野の理解制度を上げるためには、ビッグデータが必要で、それを手作業で用意するのは骨が折れる。現時点ではPageにある情報を(ビッグデータとして)活用できるかどうかをテストしているとのことで、Facebook内におけるユーザーの活動が「DeepText」の性能向上に貢献するような流れになっている。
そして将来的には、より精度の高い新しいディープラーニングエンジンを導入予定として、Bidirectional recurrent neural nets (BRNNs) を検討しているとのこと。また、テキストのみならず、画像/映像などへの適用も考えており、文章理解エンジンの発展がFacebookのサービス全体の品質をレベルアップする可能性も考えられる。
【関連URL】
・DeepText
https://code.facebook.com/posts/181565595577955/introducing-deeptext-facebook-s-text-understanding-engine/
・Facebook「Open Graph」開始、タイムラインアプリによるソーシャルエクスペリエンス革命 【増田(@maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51725427.html
もう4年も前になるがOpenGraph発表時、実は、文章構造をFacebookのサービスに組み込む発想があった(Facebook「Open Graph」開始、タイムラインアプリによるソーシャルエクスペリエンス革命 【増田(@maskin)真樹】)。エモティコンの多様化や、チェックインの際に行き先などが聞かれるようになっているのは、その一環といえるだろう。ただ、その取り組みが利用者側に劇的な進化をもたらしたかというと、現時点はまだ疑問だ。ところが、「DeepText」が実用段階になると、色々と様子がかわってくるだろう。