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シリコンバレーでIoTデータ収集・分析事業を手がけるスタートアップ「MODE」社は本日2017年9月14日、日本法人の設立を発表しました。CEOはGoogle Mapsの日本版の元開発リーダーで、Twitterの日本とイギリスチームを主導するなどの経験があるシリコンバレー在住16年の上田学(うえだがく)氏。MODE日本支社のカントリーマネージャーにはニフティ社の米国駐在だった上野聡志 氏が就任します。
ソフトウェアが世界を飲み込む
MODE社CEOの上田学 氏は、アメリカを中心にあらゆる経済圏が爆発的な勢いでソフトウェア技術によって置き換えられていることに注目「スーパーや自動車産業、重工業でさえソフトウェアやサービスを積極活用するというデジタルフォーメーションの流れが進んでいます。もはや、IoTを駆使してビジネスを展開しなければならない、というフェーズになっているのです」と言います。
MODE日本のカントリーマネージャー 上野聡志 氏も、ニフティ社のシリコンバレー支社に駐在していた時期に、タクシーがUberに駆逐され、HuluやNetFlixの登場でレンタルビデオ店が破綻し、旅行代理店がネットにシフトするなどの社会的変容を目の当たりにし、現実の世界をソフトウェア技術でアップグレードするMODE社の取り組みに魅了されたといいます。
そんなMODEは2014年に、センサーデータ収集と機器制御を遠隔で行えるIoTプラットフォームとしてシリコンバレーで創業。事業のチューニングを経て、現在の「センサーデータを簡単に収集し活用できるプラットフォーム」という形に落ち着き成長し続けています。
MODE社が注目したのは、センターデータ収集をいかに簡単にできるか?という点。IoTはハードウェアから通信インフラ、組み込みOSやデータ分析など、さまざまなレイヤーの組み合わせで実現できるもので、“センサーからのデータを集める”といった一見シンプルにみえるようなシステムであっても「やることは膨大で、初期投資が想像以上に膨れあがってしまう」(上田氏)という状況がある。
そこでMODEが開発したのは、センサーのデータを安全に逐次取得し、独自開発したクラウド上のデータベースに保存し、時系列で分析できる機能を提供するところまでをサポートする一連のシステム。あくまでプラットフォームの提供にフォーカスしているが、あらゆるセンサーに対応すべく専用のゲートウェイボックスを開発し、あわせて提供提供しています。
この手軽さがさまざまな企業に評価され「工場」「自動運転自動車の研究開発」「生体センサーの開発」などさまざまなシーンでの活用について問い合わせがひっきりなしに発生している状態。
この流れに投資家も黙ってはおらず、シードラウンドはなど名だたる投資家から2Mドルを獲得しています。シリコンバレーの最も有名なVCであるクライナー・パーキンス(KPCB)、クラウドファンディングサイトIndiegogoの初期投資家であるCompound、日本では富士通グループから投資を受けています。
日本の強みであるセンサーやものづくりを、ソフトの力で最大化
MODE社の日本での展開は、大きく2つのポイントがあります。まず1つは、以下3つのサービスの利用促進です。
1) Sensor Cloud:
センサープロダクト提供会社様向けのオープンクラウドプラットフォーム。ゲートウェイボックスにセンサーを接続するだけで、あらゆるセンサーのデータ収集を手軽に開始できる。15分もあればスタートできるとのこと。データはクラウドツールで簡単にグラフ化可能なほか、APIを活用することでカスタマイズすることもできる。
2)Vehicle Research Cloud(VRC):
自動車のテスト走行データの収集に特化したクラウドサービス。速度など数値の増減のほか、GPSと連動することで走行位置などを把握することができる自動車特化サービス。
3)FACloud:
工場向けのセンサリングクラウドサービス。国内中小を含めて40万以上あるといわれる工場(経済産業省統計2012年)は、さまざまなデータが得られる状態にあるが、活用できていない。工場のプロセスの効率化や問題発見などに活用できるサービスを目指す。
もう1点は、日本のソフトウェアエンジニアの採用です。
「MODEの事業は、ものづくりや自動車、世界トップのセンサー産業を持っている日本と、シリコンバレーのソフトウェア技術の掛け合わせで価値が生まれていくものです。ですから、MODEは日本にソフトウェア開発の拠点を設けたいと思っています。日本の技術が世界に評価される、日本の日本のエンジニアが報われる環境をつくってゆきたいんです」(上田氏)
【関連URL】
・MODE,inc
http://www.tinkermode.com/