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スマートフォンのゲームのプレイ動画を記録し共有するサービスを展開する米Kamcordが急速に成長しているという。
Kamcordは、米YCombinator出身の Matt Zitzmann 氏が2012年4月に立ち上げたスタートアップ。スマホゲームのプレイ画面を動画として保存共有するサービスモデルを確立した企業だ。
Kamcord SDK(ソフト開発キット)を実装したアプリの総リーチ数は、2014年1月の時点で350万デバイスだったのに対し、2015年6月時点で1.49億デバイスという4000%の増加を達成した。
KamcordのSDKをを入れたゲームアプリには、プレイ終了後に以下のような画面が表示され、ソーシャルメディアなどにプレイ動画を共有できるようになる。すでに世界で582タイトル超がKamcord SDKを導入している(2015年5月末時点)。
実際に、Kamcordで共有された動画はこのようなものになる。
ゲーム動画共有に価値はあるのか?
ゲーム動画を共有することに、どんな価値があるのか。すでにコンソールゲームなどでは、ニコニコ動画やTwich、Ustreamで実況するカルチャーがあり、PlayStation4などには実況機能がシステムレベルで実装されるなど定着化しつつある。
KamcordのCEO Matt Zitzmann 氏は2015年6月11日、Infinity Ventures Summitのセッションの中で「ゲームタイトルの継続率が上がっている」と文化的な側面だけでなく、スマホゲームビジネスを後押しする効果があることを明らかにした。
「7日後の継続率は通常より7%高くなります。30日後の継続率も78%高くなり、プレイ時間も5.6倍と長くなります」(Matt氏)
日本のゲームプレイ動画共有はどうかというと、2014年1月にKAYACの「Lobi Rec SDK」がリリースされたのを皮切りに、サイバーエージェント系「OpenRec」などが展開するなか、DeNA、KLab Venturesの支援を受けKamcord Japan株式会社が立ち上がり、2014年10月に日本オフィスが開設されている。
Kamcord Japanaは後にガンホーが増資を引き受けるなど注目を浴びている状態だが、日本国内で先行し有力タイトルを有するLobiが立ちはだかる状態。「日本語ドキュメントの整備も済みタイトルは純増しているが「(開発者に対し)継続的なサポートが必要」とKamcord Japan株式会社 執行役員 川相潤一郎 氏は話す。
最も大きな課題は「細かなローカライズ」と川相氏はいう。動画共有は、一種のコミュニケーション要素があり、それぞれのサービスでカルチャーやコミュニティーカラーが存在する。開発者がKamcordのカルチャーを理解した上で初めてSDKを組み込むことになるため、そこをきめ細やかに対応し続ける必要があるようだ。
【関連URL】
・Kamcord
https://www.kamcord.com/developers/
スマホゲーム動画カルチャーを産んだKamcord。共有サイトをみればゲームプレイ動画の投稿ボリュームの大きさは明らかで、ゲームタイトルのプロモーションやユーザーリテンションの観点から観ても期待は高まるばかり。ただ、本文にも書いたことだが、対話性がミックスされる手法には、カルチャーの違いによる問題化が顕在化されがちで、グローバルプロダクトの場合、そこをどう乗り越えられるかどうかが鍵となりそうだ。