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LINE トークンエコノミー構想を発表、独自の汎用コイン&dAppsを国内外で展開へ

LINEは2018年8月31日、「LINE Token Economy」構想に基づく「LINEエコシステム」とその上で利用できる汎用のコイン「LINK Point(日本向け)」と「LINK(海外向け)」を公開しました。海外向けのLINKは、2018年9月からLINE社が展開する仮想通貨交換所「BITBOX」(参考「LINEの仮想通貨交換所「BITBOX」がスタート、日米等からはアクセス不可」)で取り扱いを開始する予定です。

「LINE Token Economy」構想では、ブロックチェーンをベースとしたネットワーク「LINK Chain」を基盤に「LINKエコシステム」を構築し、そこで流通するLINK/LINK Pointで独自のユーザーとサービス提供者との共創関係を構築するというもの。LINK Pointは日本国内だけで使用できるもので、それぞれの目論見はホワイトペーパーとして公開しています。

この構想は2018年6月28日の「LINE Conference 2018」を皮切りに、TechWaveの「CRYPTONOMICS TOKYO」で詳細を発表していたものです(参考「LINEがブロックチェーン事業に参入、独自トークンによって新たなエコシステムを構築へ」)。

ユーザー参加型のdAppsサービス展開

「LINKエコシステム」では、多数のdApps(非中央集権型のアプリ)が展開される予定で、ユーザーはそれらのサービスへの貢献レベルに応じてLINK/LINK Pointのインセンティブを受けられるというもの。日本向けの「LINK Point」はdApps内での使用以外にLINEポイントと交換することが可能です。LINE社内ではすでに専門チームが複数のdAppsを準備している状態で、追って外部の企業もこのdAppsを提供できるようになると見られています。

大規模なdAppsの運用には多数のトランザクション(取引手続き)を処理する必要があり、一般的な仮想通貨などで使われているブロックチェーンではLINEが持つ大規模なユーザー基盤をこなす上でパフォーマンス面での懸念がありますが、LINEはスレッド上で1秒当たり1,000以上のトランザクションを処理できる高性能
ブロックチェーン・コアネットワークを独自に開発したとのことです。

なお、LINEは2018年8月16日にブロックチェーンや仮想通貨、dApps事業等に投資をするトークンベンチャーファンド「unblock ventures Limited」を設立したことを発表しています。

■汎用コイン「LINK Point(日本向け)」、「LINK(海外向け)」について
・概要:「LINE Token Economy」において利用可能な汎用コイン
・URL:link.network
・発行方式:LINEが提供する各dAppサービスのユーザーへのインセンティブとして付与
・発行元:LINE Tech Plus株式会社
・単位:基本単位はLINK(1 LINK=1,000,000 cony)、LINK point

「LINK Point」、「LINK」は、合わせて総数10億個が発行され*4、
このうち8億個は「LINK エコシステム」に参加するサービス毎に設けられた
報酬ポリシーに従って分配する予定です。残りの2億個は予備として発行元
(LINE Tech Plus株式会社)にて管理いたします。

*4:「LINK Point」、「LINK」の総発行数は現状計画している最大発行数であり、
発行については、事業の進捗に応じて徐々に行われるものです。

【関連URL】
・[公式] LINK
・[リリース] 「LINE Token Economy」構想を発表。独自のブロックチェーンネットワーク「LINK Chain」を基盤とした「LINKエコシステム」及び、汎用コイン「LINK Point」と「LINK」を公開

蛇足:僕はこう思ったッス
いよいよ動き始めたLINEのトークンエコノミー。既存法の問題から海外向けのLINKトークンを日本国内で利用したり、BitBoxで交換することはできないが、世界に拓かれるのは時間の問題ではないかと思う。何よりdAppsの有効活用の事業モデルを生み出せる最高の機会がここ日本から生まれるというのだからワクワクが止まらない。

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