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全てを作り直したMERYが復活、小学館とDeNAが設立

株式会社MERYは2017年11月21日、女性向けファッション情報を専門に扱うウェブメディア「MERY」をリニューアルスタートしました。

「MERY」はキュレーションサイトなどと呼ばれるサイトとして誕生したものの、コンテンツ制作や運営体制に問題があり社会に大きな衝撃を与えました。今回のリニューアルでは問題のあった旧「MERY」の記事は一切使わず新たに作り直したものになるとのことです。

社会問題となったMERY

「MERY」はディー・エヌ・エー(以下DeNA)の事業としてスタート。破竹の勢いのように見えたものの、内容の多くが不正なコピーであるなど運営方針に大きな問題がありました。DeNAは2016年12月、キュレーションサイトと呼ばれる一連のウェブサイト運営に問題が発生したことを受け、事業統括の村田マリ氏の処分を発表(「DeNA、キュレーション事業統括 村田マリ氏を処分 南場智子氏が追加代表就任」)、運営体制の変更と管理体制の強化を踏まえ(「DeNA メディア問題、執行役員の監督強化・重要事項は会長 南場氏・社長 守安氏の合議を原則へ」)、2017年4月20日に小学館と新たなメディア運営の研究をスタート(「DeNAと小学館、新メディアを共同研究へ」)したあと2017年8月8日に新会社を設立していました。

共同出資会社の是非

小学館とDeNAが設立した共同出資会社「株式会社MERY」は、記事の作成・編集・校閲などのノウハウを小学館が、システム構築やネット上のマーケティングなどをDeNAが中心とした体制で運営されるとのこと。資本金6億5万円のうち、出資比率は小学館が66.66%、DeNAが33.34%とのこと。代表取締役社長には小学館 取締役副社長 山岸博 氏が就任するなど小学館色が強い体制です。

新しい「MERY」のビジョンやミッションは旧MERYと大差ないものの、記事制作体制や運営フローは小学館が保有する紙媒体から踏襲するものが導入されています。

新しい「MERY」の特長

1.「MERY」のビジョン・ミッション
「MERY」はかわいくなりたい女の子のためのメディアです。ファッション・ヘアスタイル・美容・ コスメ・おでかけ・恋愛などの、女の子の「好き」を毎日お届けします。

ビジョン:女の子の毎日をかわいく
ミッション:「好き」に出会える、「好き」を届けられる世界をつくる

2.記事制作体制とフロー
MERY公認ライターおよび編集部が執筆した記事は、法令に基づき各種確認を経て公開判断を行います。

(1) MERY公認ライターとは、株式会社MERYにて新たに採用面接を行い、教育・研修を受けたライターです。
・一般投稿による記事は一切取り扱いません。
・非公開化前の旧「MERY」の記事は一切使用しません。
(2) すべての記事は校閲、編集部の二重チェック後に公開いたします。

・配信形式:スマートフォン(iOS、Android端末)向けアプリ
・ジャンル:カタログ
・利用料:無料
・権利表記:©2017 MERY Co., Ltd.
・対応OS:iOS 9.0以上、Android 4.1以上 ※一部非対応の端末があります
・公式サイト:https://mery.jp/

「MERY」の狙うターゲット層は、複数のウェブメディアが混在しており、今後の成長も見込める領域。しかしながら、あそこまで悪い評判が立った媒体の認知度を再利用することに対する疑問の声もあります。すべての今後の評判次第となるのでしょうか。

【関連URL】
・MERY
https://mery.jp
・株式会社MERY
https://mery.co.jp/

蛇足:僕はこう思ったッス
 旧MERY問題は、ウェブメディアの信頼を崩れ去させるほど非常に深刻な事件だった。PVがあればいい、人気になれば何でもいい、儲かればいい。ただそれだけのメディア。コンテンツを創る人に対する暴力的な行為だった(莫大な利益を得た人のその後が途切れているが気になる)。ただ、フェイクニュースやトレンドニュースなどを鵜呑みにする受取手側のリテラシー(読み取る能力)とも思える問題も横たわっている(だからといってPVと金狙いをしていいわけではない)。新しいMERYは、古き良き雑誌時代の編集体制性善説(言い方が悪いが)に基づく、人による編集体制を取ったメディアとなる。気になるのは、じゃあ、そうしたウェブメディアは評価されかつ収益化ができるのか? また、結局、抜本的に構造を変えなければ内容を読み評価するデジタルメディアは実現しないのではないか?という疑問だ。
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