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情報漏洩の脅威は想像以上に深刻だ。ネットワークからの侵入がなくても、PCやストレージを奪われるケースも多発している。そこで徹底的にセキュアなPCを作ろうと、ハードウェアから考えた「ORWL」が注目を集めている。OSは、WindowsおよびUbuntuに対応、さらにセキュアなOS現在、クラウドファンディングサイトで購入者を募集中で、価格は699ドルから。複数台を接続して使えるサーバー用シャーシも349ドルで提供する。
セキュア機能を搭載した鍵つき小型PC
「ORWL」は手のひらサイズのPCだ。小さいとはいえCPUはインテルの最新プロセッサ Skylakeを搭載し、4K出力にも対応。最大480GBのSSDも搭載できる。マイクロHDMIでディスプレイと接続すれば立派なパーソナルコンピュータになる。
普通のPCと違うのは、搭載されるSSDに保存される情報は、AESの256ビットという高度な暗号化技術により自動で保護される仕組みがあったり、暗号化などに使用するセキュアプロセッサ(MPU)が別途搭載されている点。NFCやBlutooth接続の鍵とパスワードの組み合わせがなければ、ログインすることもできない。
スペックと機能
プロセッサ: Intel Skylake M3 (without vPro) or M7 (with vPro)
グラフィック: Integrated Intel 515 chipset supports 4K output
ポート: USB 3.0 Type Cが2ポート、 micro HDMI
電源: 外部電源アダプタからUSB 3.0ポートで供給
メモリ: 8 GB
ストレージ: 120 または 480 GB SSD AES256ビットに自動で暗号化
通信: Bluetooth 4.1, Wi-Fi a/b/g/n/ac
OS: Ubuntu and other GNU/Linux systems, Windows 10
セキュアマイクロプロセッサ: MAX32550 DeepCover Secure Cortex-M3 with projected 6-month unplugged battery life
認証: NFC + BLE key fob および パスワード
サイズ: 直径 130 mm 、高さ 30 mm 、重量400 g
セキュアMPUを搭載した堅牢なボディ、かつ本体は持ち運び前提
最大の特徴であるセキュアMPUは、「ORWL」の物理的な防御機構を司るもの。ハードウェアと鍵、CPUらの中枢に位置する。この「セキュアMPUは、素晴らしい活躍をしてくれる。ストレージの管理、メモリの暗号化、各種保護機能、暗号化の高速化、本体の温度管理、各種数理計算や改ざん防止モニタなどなど。
USBポートなどに不正で接続するようなことがあればデータを完全に消去するし、「ORWL」マザーボードやストレージを覆うこのようなシェルを、誰かがやぶり直接アクセスしようにも、このシェルが破壊された時点でもデータは復元ができない方法で消去される。なんと、オプションでこのシェルをよりもろいガラスにすることも可能だという。
物理的な方法を含めた不正侵入への対処は第三者にテストを依頼しているほか、この仕様をオープンソースで公開することで不具合をできる限り解消しようと試みている。それでも不安ならこのようなアタッシュケースで守るという話になる。
【関連URL】
・ORWL – The First Open Source, Physically Secure Computer
https://www.crowdsupply.com/design-shift/orwl
自分の情報を隠すのに極端に熱心な割にセキュリティに全く関心の無い日本住民にとって「そこまでやる?冗談でしょ」という話かもしれないが、PC内の情報が人の生死や歴史をもゆるがしているというのは事実。技術では守り切れないなら、物理的かつ社会的方法を組み合わせて情報と身を守るというのがこのプロダクトの発想だ。