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日本モノスタートアップの骨頂点、世界初スタンドアロンDJデバイス「PDJ」の完成度がすごい 【増田 @maskin】


[読了時間: 2分]

 3Dプリンターに着目したMakersブース以前に、日本には各種プロセッサやチップの低価格化、軽量OSの普及などを受けたモノ作りスタートアップの波があった。

 すでに周知のものもあるが、まだまだ知られていない強者プロダクトが存在する。特にDJプレイ専用デバイス「PDJ」の完成度は極めて高く、取り上げないわけにはいかなかった。

 幅250mm x 奥行 60mm x 高さ16mmのサイズでありながら、2つのタッチ操作可能なディスプレイを備え、DJプレイに必須なコンソールを持つ。重さはなんと286g。本体メモリーは4GBで、SDカードで最大32GBの楽曲を保存できる。これ一台で本格的なDJプレイが可能になっているのだ。





 筆者が初めに「PDJ」を目にした時、あまりの完成度に日本発のモノスタートアップ製とは思えなかった。筐体の美しさはもちろん、ノブ類の使用感や操作性は完璧。2ディスプレイのタッチ操作UIはもちろん、音質についても本格DJプレイに耐えうるものだった。

 驚くのは機能の充実さ。音源は本体保存のほか、外部からのライン(LINE IN)入力も可能。なんと、外部入力の音源を自動で解析し、スクラッチ・ループ・エフェクトなどをかけることが可能。マイク入力も可能で、一種のエフェクターとして使用することもできる。(機能詳細)

 美しい筐体だけならともかく、ガジェット大手メーカーでもここまでの品質は生み出せるか疑問。海外の有名音響デザイナーが手がける高級デバイスと同じ価格帯かと思いきや、国内での販売価格は税込、送料込みの4万9800円。


写真 by maskin) 美しいミキサー部。ノブはボタンになっている。クリック勘の気持ちよさなど、DJを熟知した作り


写真 by maskin) 背面に施された美しいロゴパネル。


写真 by maskin) 完全に独立して動作するオールインワンDJコンソール。バッテリーは通常使用で12時間持つ。

 開発するのは、宮城県仙台市に拠点を置くファウディオ社。311後に創業したモノスタートアップだ。電子回路はもちろん、音楽再生技術を追求したソフトウェアなどを独自で開発し、韓国の企業と連携し生産、世界で販売を行ってきた。

 彼らの起業ストーリーについては別途紹介するとして、PDJの実力をYouTubeの動画でご覧いただければと思う。






【関連URL】
・PDJ – ポータブルDJ
http://www.portable.dj/jp/
・株式会社ファウディオ
http://www.faudio.co.jp/

蛇足:僕はこう思ったッス
PDJに出会ったのは2012年の10月末。衝撃的だった。これぞ日本発のITxモノ スタートアップだと思った。世界でヒットしないわけがないという強い思いに包まれた。
実は、それまでTechWaveは、Makersやモノづくりに対して若干の距離を置いてきた。それがPDJに出あったことで、このクオリティを軸とした広義のITxモノ スタートアップ支援活動を展開しようと心に決めることができた。
記事については、新生TechWaveの立ち上がりに半年以上の時間がかかり、紹介することがなかなかできなかったのが残念だったが、簡単ではあるがここに紹介できたことを嬉しく思うし、これからPDJクオリティをTechWaveのITxモノスタートアップの基盤と考え、支援し共に前進していきたいと思う。
著者プロフィール:TechWave 編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてのIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなどほとんど全てのIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ブログCMSやSNSの啓蒙。ネットエイジ等のベンチャーや大企業内のスタートアップなど多数のプロジェクトに関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。
中長期プランニングやアドバイザリー活動で定評がある。タグは創出・スタートアップマーケティング・音楽・子ども・グローカル。@宇都宮ー地方から全国、世界へを体現中。
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