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IoT系各種デバイスの廉価化に伴い、モノxクラウドの真価が世に問われるフェースに入ってきた。単なるセンサーの組み合わせ、技術要素の組み合わせではなく、社会にとって求められる価値を早出できるかという視点だ。中でもセキュリティなどクリティカルな領域での活用が注目されるが、アースアイズ社が手がける一種のロボットといえるこのデバイスは、防犯という複雑かつ多様な情報を人間の知見において具現化したプロダクトとして一石を投じることになる可能性がある。
このデバイスは社名を掲げた「アースアイズ」という名前のAIロボ・カメラ。カメラは物体の3次元的な距離や音源を認識できるほか、クラウドと連携して顔を認証する仕組みを持つ。また、入力情報を学習・分析する人工知能が搭載されており、不審者を感知すると光と音で警告したり、自動で通報する仕組みがあるという。
開発を手がけたアースアイズ 代表取締役 山内三郎 氏は富士通および警備会社を経て創業。警備会社での万引き犯の行動特性を人工知能に学習させたプロダクトを開発した人物だ。
2009年12月に発売した万引き防止システムは大手書店やドラッグストア、スーパーなどに1500台ほど導入されたほか、その実績をふまえた保険商品を共同で開発するなど注目された。山内氏は防犯のプロとしてメディアに多数出演するほか、講演、人材育成に貢献している。
今回発表した「アースアイズ」は山内氏が持つノウハウの集大成となるもので、2017年秋には嗅覚を搭載するなど、最終的には五感を備えたロボットとして成長する計画だ。
実際「アースアイズ」は、人の目線の動きや行動パターンを把握し、不審者を自動でマークするといった多様な機能を搭載。カメラは70度、8メートルの範囲で認識可能、その他のセンサー(音、温度、湿度、匂いなど)からの入力をフル活用する。例えば、うずくまりや、異常音を感知し、不法侵入や空き巣、迷惑駐車、ストーカーなども感知。家庭用モデルでは赤ちゃんや介護の現場の異常をも感知する。
クラウド側へ学習させるなどの理由で本体はインターネット接続が必要だが、データのサブセットは随時本体に適応され、検知や警告は可能な限りすみやかに行えるような仕組みになっている。
店舗モデルを先行販売、価格は8万5000円を予定
「アースアイズ」は一般家庭向けモデルと店舗向けモデルの2種類あり、店舗向けモデルを2017年1月から先行販売する。本体価格はあくまで予価だが8万5000円〜を予定しており、法人向け月額使用料は2350円、個人向けは810円と野心的な設定となっている。インターネット接続が必須なため、関連サービスも提供される。また、モデルによっては磁石で設置したり、ワイヤレスで給電が可能なものがあるとのこと。
<アースアイズ商品ラインナップ>
商品名:アースアイズ ee1-Rface 異常探知・顔認証付(店舗・施設向け)全自動探知 AI システム
アースアイズ ee1-S(一般・屋外向け)全自動防犯 AI システム
アースアイズ ee1-R 異常探知(店舗・施設向け)全自動探知 AI システム→2017 年 1 月より先行発売
アースアイズee1-SW/SD (一般・屋外向け窓用/扉用)全自動検知AIシステム 他
【関連URL】
・アースアイズ
http://earth-eyes.co.jp
セキュリティ分野でのIT活用が激化しつつある。日本ではセコムがロボットやドローンで警備するニュースが記憶に新しい。海外でも多様なサービスが投入されつつある、通行人の顔を認証するという大掛かりな仕組みもある。アースアイズの取り組みは、各店舗や各家庭における不安を取り除くという前提で、できる限りコストパフォーマンスに優れたプロダクトとして追求しているという点で評価できると思う。また、山内氏が持つ知見をどう人工知能に反映させられるのか、ソフトウェア的な領域でいかに世界に通用するものを市場投入できるか注目される。