安全かつ数分で充電可能な3倍密度の新技術、リチウムイオン電池の発明者が発表 @maskin

いよいよ充電の心配をしなくてもいい時代がくるのかもしれません。

アメリカ・テキサス大学によれば現地時間の2017年2月28日、テキサス大学オースティン校教授のJohn Goodenough(ジョン・グッドイナフ)氏が率いるチームが、現在のリチウムイオン電池の少なくとも3倍のエネルギー密度を有する新しい電池セル技術を生み出したと発表しました。(電池セルはバッテリーを構成する一要素)

グッドイナフ教授は現在94歳。1970年代にリチウムイオン二次電池(リチウムイオン(Li-ion)電池)開発の第一人者として世界で知られています。

リチウムイオン電池は、ニッケル水素電池や鉛蓄電池などと比較するとエネルギー密度が高く、また高い電圧や充電・放電効率の高さなどから携帯電子端末などで多く使われる一方、急激に過熱し発火する危険性があり、国際民間航空機関(ICAO)2016年4月から旅客機でのリチウムイオン電池バッテリーの輸送を禁止していました。

新しい電池セルは、従来型の3倍のエネルギー密度をもち長持ちするだけでなく、非可燃性があり、急速充電も可能となるなど、いいとこづくし。なんと、充電時間は数時間ではなく数分とのこと。

グッドイナフ教授は記事の中で「コスト、安​​全性、エネルギー密度、充電/放電率、サイクル寿命といった今日のバッテリーに内在する多くの問題を解決する」と話しています。この技術のブレークスルーは、電池セルに素材に個体ガラス電解質を使用しようと研究を進めていたポルトガルのポルト大学のシニア研究員 Maria Helena Braga氏の成果によるものとのことです。

現在、グッドイナフ氏は企業パートナーとの交渉に入っているとのこと。驚くほど長持ちする電池が市場にお目見えするのはそう遠くないのかもしれません。

【関連URL】
・Lithium-Ion Battery Inventor Introduces New Technology for Fast-Charging, Noncombustible Batteries
https://news.utexas.edu/2017/02/28/goodenough-introduces-new-battery-technology

蛇足:僕はこう思ったッス
maskin-bit-2016 1990年代から2000年代にかけてののノートパソコンのバッテリー寿命はひどいものだった。僕が記憶するのは1990年代前半に購入したApple製のノートブック。どんなに頑張っても30分しか持たなかったため、バッテリーを3つも4つも持ち運んでいた。2000年をすぎても1時間半も持てばすごい部類。スマートフォンの時代になっても、毎日がっしり使ってても一度も充電しないで使い続けられるデバイスは滅多に見ない。そして車ですら電池で動かそうとしている時代。そういう意味ではバッテリーは私たちがもっとも必要としてるテクノロジーといえるだろう。

About maskin

1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長を経て現在に至る。
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