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米Amazonは現地時間の2017年6月17日、自然食品などを手がけるスーパー「ホールフーズマーケット(Whole Foods Market)」を買収したと発表しました。
1株当たり42ドルで買収する完全合併契約を締結し、純負債を含む約137億ドル(日本円で約1.5兆円)を現金で取引するとのことです。取引は2017年中に完了する見込みです。
「ホールフーズマーケット」は1980年設立。北米を中心に数百店舗を抱えており、Fortune氏の全米ベスト100企業に20年間に渡りノミネートされていますが、近年は業績不振で株価低迷にあえいでいました。
「ホールフーズマーケット」の本社はテキサス州オースティンで、従業員7万3000人以上を抱えていますが、本社およびCEOJohn Mackey氏の移動はないとのことです。
Amazonは、「Amazon GO」という次世代型の実店舗を実験的にスタートしていますが、「ホールフーズマーケット」の買収により実店舗戦略の足がかりになる見られます。
【関連URL】
・Amazon to Acquire Whole Foods Market
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=176060&p=irol-newsArticle&ID=2281414
・Whole Food Market
http://www.wholefoodsmarket.com
もともとは本と音楽CD通販からスタートしたAmazonですが、ジワジワと、しかし大胆にそのテリトリーを拡大しています。本件は、実店舗をAmazon化するのはもちろん、ポイントは自然食やオーガニック野菜といった高単価で既存流通網に依存しすぎない商材を扱っているというのがポイントとなります。店舗をAmazon化したとして売り上げ向上が見込まれたとしても、利幅は大きく上がるとは考えにくい。その点、Whole Foods Marketなら流通改革に踏み込むことで利幅を上げることが可能になるというわけです。また、自然食やオーガニックに目をつけたのもさすがといえるかもしれません。最も手間がかかる領域を効率化することで事業を加速できる可能性があるからです。このようにさまざまな要素を踏まえ巨額買収に踏み切ったAmazonの株価は上昇。Whole Foods Marketの競合の株価が大幅に下がるなど激震が広がっています。