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毎年香港で開催されているRISE。今回は、来年こそ参加しようと思っている方に、RISE 2019を振り返って、RISEとは一体どのようなものなのかを現役大学生インターンの丹羽がお届けします。
日本の大企業の参加が目立ち始めた
RISE 2019は、日本からの参加者は約200人と言われていますが、今回は日本からどのような企業がどのような目的で参加していたかをレポートしたいと思います。
スピーカーとして登壇していた日本企業は、資生堂とLINE Financial Corporation、ドコモベンチャーズなど。中でも、メインステージで行われた資生堂のCEO魚谷氏のインタビューセッションは立見が出るほどの盛況ぶりでした。
写真:資生堂のCEO&Presidentの魚谷氏が登壇する様子
資生堂の代表取締役執行役員社長である魚谷雅彦氏は、インフルエンサーや新しい競合他社が絶えず出現する時代において、100年以上続く美容ブランドはどのように社会と関連性を保っているのかというテーマのもと話が進みました。資生堂のような歴史ある美容ブランドがなぜテックカンファレンスであるRISEに参加しているのかについて聞かれると、「コスメを販売するだけではなく、ビューティー事業を通して、エネルギーや、自信、幸せを世界中の消費者に届けることを目的とする資生堂は、業界にイノベーションをもたらす人々との繋がりを作ることが必要と考えている」とのこと。
魚谷氏が資生堂に転社した当初の業績はあまりよくなかったといいます。そんな中、問題点を明らかにし、マーケティング投資を増やすことで、成功に導きました。また魚谷氏は、ジェンダーや国籍、経験における様々な多様性を重要視しており、30%に増やした女性のマネジメント層を、2020年までには40%までに増やすと決断。そして日本企業がグローバルになるために2018年からは社内公用語を英語にしたそうです。
テクノロジーの進化によって劇的に変化したビューティー業界は、より個人にあったサービスの提供が実現。資生堂が最近公開した商品として『Optune』が紹介されました。アプリで肌を撮ることで、気温や湿度、睡眠状況や今の気分などを測定し、その日の肌の状態にあった商品の提供が可能となります。オンラインの消費者が増えている世の中で、スマホを使って肌の状態を調べ自身に最適な商品を提供してくれる『Optune』の今後に期待が高まります。
また、上海にイノベーションセンターを設立したという資生堂は、今後中国が世界のイノベーションの中心になり、日本とアメリカを含む3ヶ国が今後の世界のイノベーションハブになると感じているそうです。最後に、魚谷氏は成功への秘訣として、その場の人や環境にコミットすることを挙げました。
日本企業初の大型ブース出展
会場にはFUJITSUが3日間ブースを出展。
日本のスタートアップも増えてきた
世界53社のうちに唯一の日本企業として選ばれたスタートアップatta
アジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパなど各国のスタートアップが一同に介するピッチステージ。出展しているスタートアップからさらに選別された企業が参加できます。今回は53社選ばれましたが、日本企業は1社のみ。ビックデータとAIを使用して将来の価格を予測し、旅行者に予約に最適な時期を知らせる宿泊施設検索サービスを提供しているatta(あった)」。同社は、Facebookのスタートアップ支援プログラム「FbStart」にて、「Bootstrap」にも認定されています。決勝戦には進めませんでしたが、素晴らしいピッチを披露していました。
毎日というかつてない頻度で地球全体を捉え、地球観測基盤を構築するためのマイクロ衛星コンステレーションを開発しているというAxelspace。2020年には人工衛星を3基打ち上げる予定だそうです。
興味深いのが、航空写真から植物の状態までも光の反射加減で探知が可能だという点。
HADO
AR技術による拡張現実スポーツのHADO。体を動かして技を発動させ、フィールドを自由に動き回り、味方と連携する最新のテクノススポーツです。頭にはヘッドマウントディスプレイ、腕にはアームセンサーを装着します。日本を初めとして25ヶ国に55ヵ所を超えるアリーナがあります。一年に一回2000万円の賞金をかけた試合があるほど、今後の盛り上がりに期待を呼ぶスポーツです。
SOUCO
空きスペースを貸して収益化したい利用者とスペースを利用したい企業のマッチングサイトであるSOUCO。普通なら倉庫を借りる際、2年契約からというように長期スパンで借りることになるがSOUCOを利用することでマッチングが合えば月単位もしくは日数単位の短い期間でスペースを借りることができると言います。ユーザーは現在400人。
その他にも、GROWTHエリアには、地理位置情報テクノロジーとリンクした地図のためのオンラインプラットフォームを提供するStrolyがありました。自分の地図をアップロードしたり、他人が作成した地図を見つけたりすることが可能となるそうです。
例年に増し、日本からの出展が増えていました。来年も日本企業がRISE出展に増えることが期待できそうです!
レポータープロフィール
丹羽 莉果子
1998年生まれ、横浜市出身。12年間横浜雙葉で過ごす。現在、国際基督教大学三年に在学し、メディア・コミュニケーション・カルチャーを勉強中。