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モノの百科辞典からソーシャルコマースへと進化した「Sumally(サマリー) 」。
2013年9月14日にはiPhone版アプリをフルリニューアルするなど着実に進化している状態だ。
そんな同社は、ユーザーが欲しい「want」と持っているもの「have」を軸としたモノのソーシャルネットワークをベースに、ユーザー同士の商取引(C2C)の実験を実施した。テスト期間は、2013年9月24日から10月7日。
出品を募った直後、その試みの今後を予見する出来事が発生。
事前申請にいきなり500件超の申し込みがあり、受け付けを中止する事態となったのだ。
結局、応募された約500点から約100点に絞り込み、 「want」としてクリップしているユーザーに対し、「あなたが “want” しているアイテムが購入可能になりました」とメールで告知していった。
ユーザーが構築する「欲しい」のネットワークを外商の場へ
Sumallyは、ユーザーが欲しいものや持っているものを登録する仕組み。モノのWikipediaを目指す所以はそこにあり、すでにアイテム数は100万点の大台を突破している。
そこに、「欲しい(want)」と「持ってる(have)」というアクティビティを紐付けたソーシャルなネットワークとすることで、ユーザーにとって価値を感じられるアイテムが集約される構造にする。
それこそがSumallyの特徴であり、現在、これら「want」 や 「have」のアクティビティ数は3000万件を突破するなる強みとなっている。
Sumally CEO 山本憲資 氏は「買う意志のあるお客が、すでに待っているという状態なんですよね」と言う。
「C2Cというと、フリマ型やオークションがありますが、これらのモデルは基本的にいらない物を売っているわけです。
不用品を前提とした売買なので、ガジェット系は多少単価が高いと思いますが、ファッション系の単価は低くならざるを得ません。
その点、Sumallyは、ユーザーが「欲しい」と思うものと、実際の他のユーザーが「持っている」モノが結びつく構造になっています。
つまり、売買できる場所が常に存在している状態。そこにC2Cの仕組みを投入することで、ゴザを敷いて売るようなECではなく、人と人が欲しい&関心でつながっていくネットワーク上でそのモノを直接売り買いできるようにしたらどうなるか? それが今回の実験の骨子です」(山本 氏)。
究極のリコメンデーション、平均単価は2万円に迫り 劇レア商品もピンポイントで売買
C2C実験はどんな結果になったか。開口一番、CEO山本 氏は「けっこう高額のものが売れたのにもびっくりしましたね」という。
「平均単価は2万円に迫り、5万円の靴や、30万円の椅子が売れていきました。
中でも、10万超のセックス・ピストルズのレアなポスターも売れていったんです」(山本 氏)。
それらのアイテムに「Want」をしているユーザーに購入をもちかけるメールを送付したわけで、それなりに反応が良いとは考えられるものの、見事「Want」をフックによりピンポイントの需要を発掘することに成功した構図となった。メールの開封率もコンバージョン率も、通常配信しているものよりも高くなっているという。
今回の実験を踏まえ、Sumallyは、今後C2Cシステムを開発していく予定。
「欲しい」人がうごめくモノネットワーク上に、直接「Sumallyであなたの持ち物を販売できます」という訴求をしていく考えだ。
これまで蓄積した3000万超の「want」と「have」の情報を活用し、活発な購買活動を起こすソーシャルマッチングコマースへの構築に向かう。
【関連URL】
・Sumally (サマリー)
http://sumally.com/
・Sumallyで、“want”していたアイテムを“have”しているユーザーから購入できる、C2Cコマースのテストを実施。あわせてアクティビティ数3000万件、アイテム登録数も100万件の大台を突破!|株式会社サマリーのプレスリリース
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000004344.html
・Sumally がソーシャルコマース化、第一段企画として伊勢丹がチョコレート直販イベントを実施中 【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/51776583.html
・「Pinterestに感謝しつつその先を行く」、UNIQLOOKS開発者と共に世界に挑むサマリー(Sumally) 1.5億円の資金調達でさらなる境地へ 【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/51762347.html
Sumallyはアイテム中心の世界観の中で、そのアイテムリスト上で直接売買できる世界観を重視している。米Fancyに類似する面もあるが、最新のiPhoneアプリなどサービスの完成度においては全くひけを取っていない。
C2C領域では、スタートアップが奮闘するほか、Yahoo!JAPANがEC個人開放するなど活発化。山本氏は「山本氏は「他とは異なるアプローチでの展開ができるだろう。また、この領域は小さいほうが先に進みやすいだろうと思います。仮にもYahoo!の1%でもでもシェアをとれればビジネスにはなっていくわけで、それを重ねていければ」と抱負を語る。
8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング → 海外技術&製品の発掘 & ローカライズ → 週刊アスキーなどほとんど全てのIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ブログCMSやSNSのサービス立ち上げに関与。坂本龍一氏などが参加するグループブログ立ち上げなどを主導した。ネットエイジ等のベンチャーや大企業内のスタートアップなど多数のプロジェクトに関与。生んでは伝えるというスタイルで、イノベーターを現場目線で支援するコンセプトでTechWaveをリボーン中 (詳しいプロフィールはこちら)