[読了時間: 5分]
僕は「真・女神転生」が大好きだ。
日常的にゲームをやる人だってわかったら、必ず押し売りするほど大好きだし。
「真・女神転生」をやらないでJRPGを語る人がいたら説教する位に偏愛している。
今から15年前、僕がソニー・ミュージックをデジタルコンテンツ制作志望で受けた年は、学歴不問のエントリーシート方式の第一期だった。
B4裏表で、裏面は主に自由記述、表面には職種ごとに違ったお題があり、僕の受けた「デジタルコンテンツ販売部門」は「あなたの感動したデジタルコンテンツ1〜5位」とかで・・
僕は「Danielle Bunten Berry」 のゲーム1本と、「Chris Crawford」のゲーム1本と、後は無茶苦茶マイナーなゲームを2本感想と共に挙げてみた。
それぞれに、切り口を見つけ「何故このゲームが凄いと思うのか」「このゲームによって生まれたものは何なのか」とか、そんな感じで評論家ぶって書いていたのを覚えている。
で、一位に何を書いたかと言うと、、、勿論「真・女神転生」だった。
「真・女神転生」
(※)今も「ゲームアーカイブス」で購入可能なのでもし、今までプレイしたことが無いなんて人は是非一度プレイして貰いたい。
5〜4位まで、ロジック中心に「何故このゲームが凄いと思うのか」「このゲームによって生まれたものは何なのか」とか評論家口調で書いていた僕だったが、「真・女神転生」についての記述は非常に感情的だった。
「ゲームで泣いた初めての経験。これからもゲームで泣く事は無いんじゃないか。 だから凄い。自分もいつか、人の感情を揺り動かすようなデジタルコンテンツを作ってみたい」
的な。そんなことを書いた気がする。
僕はその後、セガに転職しコンシューマゲームのゲームデザイナーとなるわけだが「真・女神転生」がきっかけで「デジタルコンテンツ制作」への第一歩を踏み出せたのは間違いない。
さて、その「真・女神転生」の続編である、「真・女神転生Ⅱ」も物凄く面白かったのだが、こちらでは僕は泣くことは無かった
「真・女神転生Ⅱ」
でその違いが、「何故、真・女神転生はそんなに僕を感動させたか?」なのだが、それについて書くより前に、「何故、真・女神転生Ⅳの発売に僕がそんなに興奮しているか?」を先に書かせて貰いたい。
「20年ぶりの真・女神転生がやってきたからだ」
1992年にリリースされた「真・女神転生」はその正統継承として「真・女神転生Ⅱ」が出た後に「真・女神転生if」が出た。
それまでの「真・女神転生」シリーズはどちらかと言うと硬派なRPGだったわけだが、この「真・女神転生if」は学校を舞台にしたもので、今まで「真・女神転生」に興味を持たなかった人たちの心をグッと掴み大成功した。
そして「ペルソナ」シリーズと「デビルサマナー」シリーズが生まれる。
「真・女神転生if」で採用された「ガーディアンシステム」はそのまま「ペルソナ」へと引き継がれ「if」の系譜がより強い「ペルソナ」と、「真・女神転生」の匂いが少しする「デビルサマナー」シリーズへと枝分かれした。
僕は正直ペルソナシリーズはあまり好きでは無いが、名作であることを否定はしない(全作クリアしてるし。)
で「デビルサマナー」も「デビルサマナー ソウルハッカーズ」も物凄く好きだ。
探偵物と言う「デビルサマナー」のテーマも良かったし、「デビルサマナー ソウルハッカーズ」のハッカーと言うテーマも、ファミコンで出ていた「女神転生」のテーマを継承してて、それもまた良かった。
更に、ポケステやビジュアルメモリとの連動も、なんか最先端な感じがしてよかった。
でも、、、何か違う。
いや、なんか違うのではない。「真・女神転生」で心を揺り動かされたテーマとは、別のテーマで作られている。
これはこれでいいのだけれども・・
そして、
「真・女神転生III-NOCTURNE」
が出た。
実のところ、唯一途中で辞めた「真・女神転生」である。
「真・女神転生」のナンバータイトルだったので、興奮しすぎてたところに肩透かしを食らったので僕は本当に最初の最初の所で辞めてしまったのだ。
その「肩透かし」については追って。
そして10年の月日が流れて、2013年5月23日「真・女神転生Ⅳ」の発売を迎えた。
シナリオ原案・シリーズ悪魔デザインは金子一馬、開発は「マニアクスチーム」が行なっている。
真・女神転生Ⅲからは10年、真・女神転生からは20年強。
発売されたゲームは。
「真・女神転生」そのものだった。
20年待って、やっと出た「真・女神転生Ⅳ」は「真・女神転生」そのものだったんです。
ふぅふぅ。
これが僕が「何故、真・女神転生Ⅳに僕がそんなに興奮しているか?」。の理由。
「真・女神転生」は何故そんなにも人を感動させるか
さて、では 「何故、真・女神転生はそんなに僕を感動させたか?」について書かせて貰いたいと思う。
人と言うものは、「善」と「悪」に2分されると言う。
少なくとも僕が小学校の時に読んでいた漫画、アニメは勧善懲悪をテーマとした物ばかりだった。でも「善」が「善」として疑わない物は、果たして「善」なのか、そもそもで言うと「悪」とは何なのか。
そんな疑問を僕は、日教組支配の強い、神奈川の某小学校で感じながら多感な次期を過ごした。特に。「道徳の時間」とか、完全に理解できなかったので、主に校庭で木に登ってさくらんぼを食べたり、ビワを食べたりして、本を読んでいた。「真・女神転生」にはナンバリングを通して「メシア教」と「ガイア教」と言う架空の宗教が存在する。
前者は管理主義、後者は自然崇拝主義だ。この2つの架空の宗教は「真・女神転生」の世界観の中で対立し、それぞれを「善」だと思って行動をしている。「メシア教」は妄信的に、「ガイア教」は疑問から「ガイア教」に踏み込んで行くキャラクターが多い。と、まぁここまでであったら、「あー昔はその手の珍しかったよね?今はわりと普通だよ」
とか言う人も多いだろう。「真・女神転生」シリーズの凄い所は、ユーザーが「メシア教」と「ガイア教」どちらかであるかは、ユーザー自らが立ち位置を決めると言う所なのだ。しかも、、、ゲームを始める時に
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ どちらのせいりょくではじめますか?
┃
┃ >メシアきょう
┃ ガイアきょう
┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
とかでも無い。自分の行動で自然と自分がどちら側であるかが決まっていくのだ。
更に言えば「どちらでも無い」と言う生き方もちゃんと用意されているのだ。
「人間」と言う生き物は「何なのか」と言う問いかけだけが用意されていて、作り手側から押し付けられた「正義」や「悪」でない所に身を置ける。
このシステムには本当に心を持ってかれた。
そして、どこで僕は泣いたのか。
それは「真・女神転生Ⅳ」または「真・女神転生」を実際にプレイして感じてほしい。
最初に出会う両極端の2人。その2人と自分の距離感や、避けられない現実。
勿論その2人とは数十時間の思い出がある・・・簡単に言うとそんな感じであるが、本当実際にプレイして感じてほしいのだ。
そして、その「真・女神転生」の「匂い」が、「真・女神転生Ⅳ」にはちゃんとある。
「真・女神転生」にヤラれた子どもが育って「真・女神転生Ⅳ」を作ったんじゃないかな?って僕はそう思っている。
僕も実は「Original Game Concept」でクレジットさせて頂いている「ナインティナイン・ナイツ」と言うゲームで「真・女神転生」への「アンサーソング」をシナリオ面で勝手にやっている。
このゲームでは「一神教同士の戦いに、多神教の者が巻き込まれる」と言うテーマでプロットを書いおり、ほぼ僕の書いたままリリースされた「モンスターパート」では、更には「第三の正義」と言う物にもフォーカスを当てて仕上げてみたつもりだ。。
僕なりの「正義」と「悪」の解釈は「トロールパート」と「ゴブリンパート」には強く残っている気がする。
うん本当に好きなものに関して記事を書いていると、まとめるのが大変でどんどん横道にそれます。
本題に戻ります。
さてさて、「女神転生Ⅳ」をクリアし終えた後に「だから”魔人”じゃダメなのか。」「2周目をやるか」
になっていたら、あなたも「真・女神転生」にヤラれた信者の仲間入りだ。
「コンゴトモヨロシク・・・」
新世紀の「真・女神転生」。「真・女神転生Ⅳ」はこんな。
「真・女神転生Ⅳ」についても最後に書かせてほしい。
まず、難易度は手応えのある感じの硬派なRPGだ。
最初のダンジョンで・・・・
余裕で・・・
GAMEOVER
ちょっと進んでも・・・
GAMEOVER
流石にゲームを初めて3回目のエンカウントで1ターンキルされた時は
「何考えているだ?」
とニヤニヤしてしまったが、どうしても難しい人には難易度の変更がある。
3DSとの相性もバッチリだ。
このゲームには、悪魔を呼び出すための「悪魔召喚プログラム」と言うものが存在しており、そのプログラムを走らせる為の「ハンドヘルドコンピュータ」が毎作重要なモチーフとなっている。
3DSの3D液晶と、2画面と言うのが、本当に「真・女神転生」の世界観とぴったりで、自己投影や没入感と言う意味では全シリーズ1番の出来なんじゃないかなと思っている。
で、尻切れトンボですが「女神転生Ⅳ」の話はここまで、ネタバレはしません。実際にプレイして欲しいから。
そして「真・女神転生Ⅳ」をプレイして「これは好きかも?」って思った人は是非「真・女神転生」と「真・女神転生Ⅱ」もプレイして見てください。
やっぱりやるならVITAでアーカイブスがお勧めです。
で、ここまでよんでくれて「おい、んな事わかっているよボケが。」と思った
既に「真・女神転生」に心を持ってかれていたサマナーの貴方に
「新しいクエストがあるわ」
「開発者のアカウントを探せ」
「サンゲンチャヤシティのサンタワーと言う場所の側に、昼・夜のごはん時になると「開発者」と言うアカウントで悪魔を連れ回している「サムライ」とは違う種族が居るわ。」
「ドラゴンクエストのスレ違い通信の様に自由にメッセージは送れないものの、沢山の「サムライ」が「開発者」とスレ違いに行ったら「開発者」は嬉しいんじゃないかしら?」
「バロウズからは以上よ。」
買って応援。現在予約受付中
前作をプレイ
僕は「頑張れ!ゲーム作りは楽しいぞ!」みたいなことを書いて、
しばらく自由が丘に意味も無く途中下車をしていたのを思い出しました。
あの子は元気だろうか。
とかも思い出しながら、毎日スレ違い通信をしています。
「コンゴトモヨロシク」
エデュテインメントコンテンツのディレクターを志しソニー・ミュージックエンタテインメントに入社。デジタルコンテンツ部にて数百のWebコンテンツリ リースのディレクション/プロデュースを行い、その後セガへ。音楽と映像の連動した「ミュージックインタラクティブ」ジャンルのゲームの原案・ディレク ションを行いファミ通ゴールド殿堂等複数のアワードを獲得。その後メディアアートアプリのMatrixMusicPadの原案・ディレクションから iPhone業界へ。2009年の年間ベストの有料部門1位を獲得。現在はGMOインターネットにて特命担当として各種サービスの分析をおこなう。アプリ 開発者としては、同人サークル「東京検定研究所」のプロデュースに2012年8月より参加。ゲーム総合1位やカテゴリ1位を複数回達成する。2013年はiPhoneTOP25入りを11本達成している。大手出版社・テレビ局・配信会社等のバイラル設計&マーケティングのコンサルティングも行い、インタビュー記事・分析記事は掲載多数。
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