このままではウェブは戦場と化す?=オライリー氏のブログから

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 インターネットにはオープンとクローズドの2つのビジネスモデルがある。もちろんインターネット自体はオープンなものなんだけど
 Web2.0の提唱者ティム・オライリー氏は話題を呼んでいる同氏の最近のブログエントリーThe War For the Webの中で、2つのモデルを次のように説明している。

The first is the winner-takes-all world that we saw with Microsoft Windows on the PC, a world that promises simplicity and ease of use, but ends up diminishing user and developer choice as the operating system provider.

 クローズドのモデルは、勝者の独り勝ちの環境。PC全盛時代のマイクロソフトのようなもの。マイクロソフトは、非常にシンプルで安心して利用できる環境を作ったんだけど、最後にはユーザーと開発者の選択範囲を狭めてしまった

The second is an operating system that works like the Internet itself, like the web, and like open source operating systems like Linux: a world that is admittedly less polished, less controlled, but one that is profoundly generative of new innovations because anyone can bring new ideas to the market without having to ask permission of anyone.

 オープンなモデルは、インターネットそのものや、リナックスなどのオープンソースのプログラムのような環境。確かに天才によって作られたiPhoneのような洗練さに欠けるかもしれないし、秩序に欠けるかもしれない。でも新しい技術革新が生まれやすい環境である。

 さてどちらがいいか。どちらを消費者は好むのだろうか。このブログの読者なら「後者!」という人が多いかもしれないが、でもiPhoneって天才が独自の感性で作り上げた世界なんだよね。mixiやfacebookなども前者。だれかがしっかりと運営してくれているという安心感や安全性が評価されて、利用者がここまで増加したんだと思う。

 だから一概にどちらがいいのかとは言えないし、今はクローズドのモデルで成功したプレーヤーっていうのは結構たくさんいて、それぞれがそれぞれの分野の中心になっているだけ。まだまだ新しい分野が登場してきているので、この状況がそれほど問題とも思えない。検索や小口広告のマーケットプレースならグーグル、スマートフォンやアプリ市場ではアップル、書籍はアマゾン、オークションはイーベイやヤフオク、ECは楽天、SNSはmixiやfacebook、モバイルではグリーにモバゲー、って具合に結構プレーヤーがいる。それぞれがその地方を治める田舎大名のようなものだ。
 ところが力をつけた田舎大名たちが天下を取ることを目標に動き出して、今後戦国時代に突入しそうになっている。地方分権の秩序の中で活気が保たれていたのに、中央集権に向かって時代が動き出した。オライリー氏は、そういう感じの危惧を抱いている。
 マードック氏がグーグル締め出しを示唆したので、マイクロソフトがマードック氏率いるニュース・コーポレーションにアプローチをかけたとかいう話になっているけど、オライリー氏はマードック氏がグーグルもニュース社にアプローチをかけるはずだと読んでいる。そこでマイクロソフトとグーグルの争いが激化する。

またグーグルのアンドロイドフォンのGPSナビが優れていることが話題になったけど、これってグーグルの影響力が検索の領域の外にまで及び始めたことにほかならない。GPSナビ専業のベンチャーにとっては大きな痛手だろうし、ウェブ上の競争が激化している証拠でもある、とオライリー氏は見ているようだ。

 でも僕が取材した限りグーグルは、技術革新が大好きなギークたちの集団で、他社を蹴落とすことが動機の核にはなっていないように思うのだけれど。

 オライリー氏は、GPSナビが今のところアンドロイドフォンだけに搭載されていて、iPhoneに搭載されていないことを指摘して、アップルとグーグルの対立が深まりつつあるように考えている

Most interestingly, this move sets the stage for the future competition between Google and Apple. (Bill Gurley’s analysis is an essential read.) Apple controls access to the dominant device of the mobile web; Google controls access to one of the most important mobile applications, and so far, is making it available for free only on Android. Google’s prowess is not just in search, but in mapping, speech recognition, automated translation, and other applications driven by huge, intelligent databases that only a few providers can offer.

んー、どうなんだろう。オライリー氏のブログは英語の教材としても優れているので、ぜひ原文に当たってみてください。自動翻訳を使ってもいいので。それでまた感想をお聞かせください。

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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