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Googleが発表したTwitter風サービス「Google Buzz(バズ)」。Googleの人気電子メールサービスの1つのコーナーとして2、3日以内にサービスが開始されるもようだが、iPhone上では一部機能が既に利用可能だ。すべての機能がまだ使えないということに原因があるのかもしれないが、その評価は人によって、天と地とほど分かれる。果たして、その真価は?
米Silicon Alley Insiderの記事のタイトルは「The Truth About Google Buzz: It’s Late, Boring, And Lame」。「Google Buzzの真実。いまさら、退屈、全然だめ」みたいなニュアンスのタイトルだ。
「Google Buzzとは何か」として「メールのようで、Facebookのようで、Twitterのようで、FriendfeedのようでFoursquareのようなもの」としている。(関連記事:注目位置情報サービスの「FourSquare」日本で利用可に=狙うはローカル広告)
多くのGoogleのサービスのように、開発はうまくできているし、デザインもいい。でも多くのGoogleのサービスのように、斬新さに欠けるし、既存サービスから特に乗り換えたいという気にさせない、と結論づけている。
一方で、ReadWriteWebはBuzzを「破壊的イノベーション」と高く評価する。
Google rolled out a social stream service today called Buzz. It looks on the surface like Facebook, FriendFeed and other stream reading and writing services. It will compete with Facebook and Twitter. Under the covers, though, this major product was built by a team of people taking a radical new approach to online publishing: Buzz is all about open, standardized user data.
一見するとBuzzは、FacebookやFriendFeedとそう変わらない。しかしこれを開発したのは、オンラインの情報発信に対して革新的な考え方を持っているチーム。Buzzの真価は、オープンで、業界標準に準拠したユーザーのデータを生成することにある、ということがReadWriteWeの主張だ。
ReadWriteWebによると、Activity Streamsという技術標準を提唱していたChris MessinaさんはGoogleに移籍したし、OpenIDという技術標準の開発者もGoogleの社員になっている。オープンな技術標準の中心的人物の多くは、Googleの社員になっているのだという。つまりGoogleはBuzzを使って、Twitter風サービスのオープン化を加速させる可能性があるわけだ。
Twitterの強みは、サードパーティーがTwitterのデータを比較的自由に使えるところにある。Twitter自体のホームページはどちらかと言えば、あまりぱっとしたデザインにはなってない。Twitterクライアントと呼ばれる他社製のアプリケーションのほうが、見た目や機能がTwitterの本家サイトより数段優れている。Twitter自体は創業間もないベンチャーなので、自社開発の機能を次々と出し続けるだけの体力がない。そこで足らない部分は他社に任せているような感じだ。こうした他社のサービスと共存共栄できるようなプラットフォームを作っているところがTwitterの強みだ。
同じようなソーシャルメディアでもFacebookは、すべて自社で開発できる体力を持つ。なので、それほどデータを公開したり、他社と共存共栄を目指す必要がない。
一方、Google BuzzはGoogle自体に世界最高峰の技術力があるにもかかわらず、業界標準の技術を採用し、データを他社とどんどん共有していく考えだ。Googleの開発者向けサイトでは、現在既に採用している標準技術、今後採用する予定の標準技術のリストが掲載されている。僕自身、よく知らない技術もあるのだが、リストにあるSalmonという技術は、ブログのコメント欄への書き込みとBuzzとの連携を可能にする技術のようだ。ブログのコメント欄にコメントを書けば、それがBuzzの発言としてBuzz上で表示されたり、Buzz上でウェブページのアドレスを含むコメントを書けば、そのコメントがそのページ上のコメント欄に表示される。そんな技術のように思う(よく知りません。知ってる人、補足お願いします)。あとWebfingerと呼ばれる標準技術もどんなものか分からない。
The use of full email addresses in @ public replies demonstrated today seems to indicate that it will be a cross-platform messaging service. Facebook users can only message other Facebook users but Buzz users may be able to reply to people using email IDs from other networks. That’s hot stuff.
Once Activity Streams consumption, @ messages that look like Webfinger profiles to me and Salmon are in place then Buzz users should be able to read, comment on and message to conversations with people who have never seen Buzz in their lives, simply by subscribing to their feeds. There’s huge potential for interoperability here.
上の英文を読んでも、salmonとWebfingerの技術のことがよく分からないので、どのようなことが可能になるのか僕自身よく分からないのだが、どうやら業界標準に準拠するサービスとなら自由自在にメッセージをやりとりできるようになるもようだ。電子メールのサービスとも、メッセージのやりとりが可能になるみたいだ。
日本で、アメーバなうや、greeひとこと、などのTwitter風サービスが続出した際に、「Twitterと競合する」とか「ネットが分断される」という意見があった。僕はそのときに「全然心配ない。すべてのサービスは同じ標準技術で相互にコメント出来合うようになるし、そうしない後発サービスは生き残れない」というようなことを書いたんだけど、実際にそういう方向に進み出しそうということだ。(関連記事:「Amebaなう」はTwitterにとって強敵にはならない)
とはいっても、こうした方向に進むには、Google Buzzが多くのユーザーに利用されなければならない。無視できない勢力になって初めて、Facebookやアメーバなうなども業界標準に準拠し始めるのだと思う。
さてGoogle Buzzは革命的変化をソーシャルメディアにもたらすことができるのか。それとも単なるサル真似サービスとして消えていく運命なのだろうか。
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