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【お詫びと訂正】
良品計画から「本文中のRT6431回というのは、クリック数でした」との連絡がありました。お詫びし訂正いたします。
無印良品ブランドの株式会社良品計画が、Twitterを使ったソーシャルメディアマーケティングで成果を上げ始めた。
良品計画web事業部の川名常海さんによると、無印良品がTwitterのアカウントを開設したのは昨年の10月22日。「ほとんどコストもかからないので、何かやってみようという感じで、気軽に始めた」という。無印良品はもともとブランドロイヤリティーの高いファンが多いため、アカウント開設直後から一日130人から150人程度のペースで順調にフォロワー数が伸び続けた。ただ単に何でもいいからつぶやくということではなく、サイトへの来訪を促すような情報の流し方をしているのだという。
Twitterのフォロワー数が1万5000人に到達したのを契機に、Twitterフォロワー限定のセールを開催することになった。セールの前日、2月16日に、無印良品のアカウントのフォロワーのタイムラインに突然次のような「つぶやき」が流れた。
「そこで・・・」。
気になる終わり方だ。「そこで」なんなんだ。
その直後に流れたのが下の「つぶやき」だ。
続いて、詳細のつぶやき。次の日の午前11時からTwitter限定のタイムセールが行われるというのだ。
詳細は次の日という。無印良品のファンなら、見逃せない情報だ。
そして2月17日当日は、午前9時半にお知らせが流れた。
時間になれば、「秘密のURL」がつぶやかれるのだという。
そして11時。つぶやかれたのは「では」の一言。
期待が高まったあと、
「タイムセールなう」。このつぶやきは6431回もユーザーによって、RTされた。再度つぶやかれたのだ。まるでバケツリレーのように、ユーザーがこのつぶやきを自分のフォロワーに次々と流していったのだ。マスメディアの代わりに、無印良品のファンたちが情報の伝え手の役割を果たしたのである。クリックされた。
セール価格は商品によって異なるのだが、例えば次のような感じだ。アウトレット価格よりさらに値引きされている。
売れ行きがいいので、セール終盤にかけてセール商品が次々と追加された。こうしたリアルタイムな対応もTwitterマーケティングならではのことだ。
時間も延長された。
そしてセールが終了。
セールでの売り上げはそれほど大きな額ではなかった。しかし1万5000人のフォロワーのうち600人ほどがセール中に実際に商品を購入した。コンバージョン率でいうとものすごい数字だ。
そして何よりも、ECサイトとユーザーが臨場感を共有し、一体感を感じたという効果が大きかった。このセールのおかげで無印良品のファンが増えたのは間違いない。Twitterアカウントのフォロワー数だけみても、1日で一挙に1000人以上が新しくフォロワーになった。無印良品に代わって無印良品の発信する情報をバケツリレーしてくれる人が1日で1000人増えたのだ。
川名さんは「購買のプロセスの中でTwitterが有効なことは分かった。これからは商品開発などのほかのプロセスでも利用できないか、社内に提案してみたい」と語る。
確かに、Twitterを開発に利用するのはおもしろいアイデアだ。一万人以上のTwitterのフォロワーに向かって「こんな商品を開発したいと思うのですが、どんな機能がほしいですか」と問い合せればどうだろう。恐らく非常に多くのアイデアが寄せられるのではないだろうか。デザインで迷ったときに、サイト上にデザインの候補Aと候補Bの二つを掲載し「AのデザインとBのデザイン、どちらがいいと思いますか」と聞くこともできる。その答えがほぼ瞬時に戻ってくるのがTwitterの強みだ。
そしてこうした形で商品開発に携わったユーザーは、その商品に愛着を覚え、その商品のファンになることだろう。そして実際に商品化されれば、Twitterという情報発信のツールを使って自分のフォロワーに商品を薦めてくれるかもしれない。
無印良品がTwitterを商品開発に活かすことがあれば、ぜひ再度取材し、その成果をうかがいたいと思う。
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