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ジオメディアサミット運営者の中心的人物であるシリウスラボ所長の関治之さんが、ジオメディアサミットに関するすばらしいまとめ記事を書かれていたので、関さんの許可を得てダブルポストさせていただくことになりました。【湯川】
こんにちは。ラボ所長の関(hal_sk)です。
第5回ジオメディアサミットへご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました。少々感想などを。
今回は、空間情報科学研究センター(CSIS)様にすばらしい会場をご提供いただきました。どうもありがとうございます。
「巨人の前を歩くな 肩に乗れ」 ・・・Google や Apple、Facebook がやろうとしていることと同じようなことをやろうとしても、簡単に踏み潰されるぞ!という湯川さんの挑発的な言葉で幕を開けた今回のジオメディアサミッ ト。おかげさまで300名を超える来場者、200名を超えるUstream視聴者に参加いただき、大成功に終わりました。
すでにいくつかのレポートがアップされています。
毎回素晴らしいレポートを書いてくれる、風観羽さんの記事はジオメディアサミット参加者必読です!
・第5回ジオメディアサミットに参加して/これからどうすればいいのか – 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る
・ジオメディアサミットで「はてなココ」について発表してきた – ため日記
・新しいコンテンツ社会がやってくる、ジオメディアサミットに参加してきました!
・チミンモラスイ? : 「第5回ジオメディアサミット」終了!
・第5回ジオメディアサミット – 株式会社ウィズグループ 奥田浩美のブログ
・Tech Wave : ジオメディアサミットに参加して位置情報サービスについて思うこと 【三橋ゆか里】
・Tech Wave : 第5回ジオメディアサミットまとめ
・ジオメディアは既存のビジネスモデルを超えられるか – 趣味の工作
・第5回ジオメディアサミットに行ってきたよ|skuare.net
・ogaworks – 第5回ジオメディアサミット #gms2010 に行ってきた!
・Fumi’s Travelblog: 第5回ジオメディアサミット
・第5回ジオメディアサミットに参加してきた – みんなの NetArt.jp
・第5回ジオメディアサミットに行ってきました | ueblog
見逃した方は、TechWave さんのサイトで録画が残っておりますので、こちらからぜひご確認ください。ustream の3時間という制限で、ライトニングトークの途中で切れてますが。
Togetter のリストも更新しようと思ってたのですが、#gms2010 タグが入っているものだけで1600ツイートくらいあるらしく、量が多すぎて断念しました。ご興味あるかたはこちらから直接検索していただければと思います。 http://search.twitter.com/search?q=%23gms2010
冒頭の発言は、TechWave編集長 湯川さんによる講演、「グローバルサービスと Geomedia」でのもの。Google や Apple、Facebook が本気で位置情報の世界に仕込みをしてきているぞ!彼らに勝とうとは思わず、連携や利用をした方が賢いぞ!という趣旨の講演でした。とても納得のできる意見だと思いましたが、シリウスは「アドローカル」というロケーションベースの広告配信サービスという、まさに彼らが狙っている部分をやっているので、踏み潰されないよう頑張らねばなぁと感じました。
ただ、講演の中で、「Apple が自社の位置情報サービスのために PlaceEngine を初めとした Wi-Fi センシング系アプリを禁止した(かもしれない)」という趣旨の内容がありましたが、僕はそれは深読みすぎるのではないかと感じます。
単純に、もともと禁止されている(アンドキュメンテッドな)APIにアクセスしていたのが、一斉に削除されただけの話かと。
広告以外のマネタイズとは?
また、講演後に「広告以外でのマネタイズの手段ってないのですか?」という質問がありました。これについてすぐに答えられなかったのですが、よく考えたら「タクトモ」さんなんかは広告以外のビジネスモデルですね。あと、質問の際にもコロプラさんに話を振りましたが、コロプラさんのように、単純な広告ではなくタイアップなどを通じて地域やユーザからお金をもらうというのも単純な広告モデルではないビジネスモデルです。「人が動けばキモチも動く」というのは第3回ジオメディアサミットでも出た名言ですが、「人が動けば、お金も動く」んです。エンタメ要素によって人の移動をモチベートすることで、移動することによって利益を得る人たちからお金をもらうというモデルは、これからもっと色々とでてくると思っています。
また、マルティスープさんも、「STAMP」という自社のモバイルサービスを活用して、新潟の観光地向けにソリューションを提供していたりします。
マクロな観点から見た場合でも、販促市場というものは広告市場と同じくらい多く、しかもネット化されていないサービスも多いため、コンシューマーからの直接課金以外でもまだまだいろんなビジネスモデルがでてくると思います。
foursquare は成功しない?
次は、ゴーガ小山さん、ディー・エヌ・エー 大塚さん、コロプラ 馬場さん、gumi 国光さん、ドコモ・ドットコム村上さん、アジャイルメディア・ネットワーク徳力さんによるパネルディスカッション。
ゴーガ小山さんが前日に作ったという、発言時間計測ツールが登場。バックグラウンドにある各メンバーの写真の下の分数が、話をしている時間の間中増えてい くというもの。パネルディスカッションの時には特定の個人に発言が偏ったりすることが多いのですが、今回はこのツールのおかげでかなりいい感じに発言が分 散していたと思います。
個人的には、国光さんの話が最高でした。「VCは可能性には投資しない。キャッシュフローが必要」という発言も会場を沸かしましたが、foursquare はプライバシー面で課題がありすぎるので、Facebook に潰される。日本の場合、mixi ならその立場を狙えるかもしれないというのが面白かったです。
徳力さんが、「5年前の状況とは違う。iPhone の CoreLocation APIによって、ガラケーに比べ圧倒的に場所の取得が便利になったことが追い風になった」という指摘も納得できるものがありました。
「日本では難しいかもしれないが、POIを集めるという意味ではとても優れていて可能性あるんじゃない?」とは馬場さんの弁。
エンタメとツールが融け合う世界
馬場さんや村上さんから、「利便性かゲームか」という二元論ではなく、利便性をエンタメ要素によって強化するような方向性についての示唆がありました。ちょうどシリウスラボでも、「NearNear」というロケーションベースソーシャルブックマークサービスをリリースしたこともあり、利便性を意識しつつ、エンタメ要素を足していきたいと思っていたので、とても共感しました。「位置情報ありきのサービスはダメ」という点にも納得。 特にソーシャル系のエンタメツールでは、シンプルな方向性かつ日常を切り取った方向にいくという徳力さんの話も面白かったです。 位置ゲーは、日本がノウハウがあって有利。海外礼賛の時代は終わった!という国光さん、各社はもっとAPIを公開すべき!という徳力さんの発言で締めて、パネルディスカッションは終了。同意!
準天頂衛星「みちびき」によって、GPSが高精度化
「ジオメディアの進化はセンサーの測位精度の進化である」といったことを博報堂DYメディアパートナーズの上路さんが 前回のジオメディアサミットで発言していましたが、みちびきによって既存のGPS衛星を補完することができるようになり、精度が向上します。また、新宿な どの高いビルでも位置測位ができるようになります。2010年夏に打ち上げが実施されています。 アイデアプランコンテストも実施しているようなので、アイデアのある方はぜひ応募していただければと思います。
あいかわらず面白かったライトニングトーク
そしていよいよジオメディアサミットのメインイベント、ライトニングトークです。
最初のうちは登壇者集めに苦労していたLTも、今回は史上最多の26組からの応募があり、嬉しい限りです。 事前に参加者投票で選ばれた10組が5分間の真剣勝負プレゼンを実施しました。 個人的に素晴らしいと感じたのは、古橋大地さん、他OSMメンバーによる「ジオな国際貢献のチカラ - Project Haiti with OpenStreetMap -」オープンストリートマップは、ここ数年で本当に存在感が大きくなってきました。もっと皆に知られるべきと思います。 ジオメディア業界の雄、kokogiko さんによる「古地図を歩く - 地図ぶらり」も評判が良かったですね。トリにふさわしいアジテーションを行っていただいた、上田さんによる「ジオメディアは革命だ!~空間を飼いならせ!~」も素敵でした。TechWaveのアーカイブに残っていないのが残念!上田さんは、ジオメディアサミット西日本の幹事をやられている方でもあります。
ジオメディアは今熱い!
懇 親会でのライトニングトークも大盛況。 告知をした時には、「定員ギリギリくらいまではいくかな?」と思っていたくらいだったのですが、実際に蓋を開けてみたら370名以上の参加希望があり、 キャンセル待ちが発生するほど。また、参加者のほとんどが新規の参加ということで、ジオメディアの注目度の高さをヒシヒシと感じました。
前回も同じようなことを書きましたが、講演で勉強して、パネルディスカッションで一緒に考えて、多種多様なLTで様々なアイデアが発表され、懇親会で交流 し新たなビジネスの種が生まれるという、今のジオメディアサミットのフォーマットはとても気に入っています。ジオメディアサミットをきっかけとして、ジオ メディア業界を牽引するようなサービスが生まれるようなことがあれば、とても嬉しいです。これからも、ジオメディアサミットをよろしくお願いいたします。
次回もよろしくお願いいたします!
次回は 9/20 (月祝) にパシフィコ横浜で。G空間EXPOというイベントの一コマを一日借りれることになっております。近日、http://www.geomediasummit.jp/ にてプレゼン希望者を募集する予定です。 最後になりますが、空間情報科学研究センター(CSIS)様、御登壇いただいた皆様、ご協力いただいたボランティアスタッフの皆様、本当にご協力ありがとうございました!皆様のおかげです!
【過去記事】
・ジオメディアのマネタイズ:第4回ジオメディアサミット、大盛況で終了!
・メジャー化しつつあるジオメディア:第3回ジオメディアサミットを終えて
・第2回ジオメディアサミットを終えての感想
・ジオメディアサミット2008 レポート