Facebookさらなるオープン化とグループ機能を発表【ループス斉藤徹】

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株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役
斉藤 徹

今朝早朝(日本時間で2:30)、Facebook本社から生中継で、きわめて重要な機能がふたつ発表された。

ひとつはソーシャルグラフのオープン化、そしてもうひとつは、”mini Facebook with Facebook” とも言えるFacebook内コミュニティ”Groups”だ。

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【出所: ReadWriteWeb】

■ソーシャルグラフのオープン化

このうち、ソーシャルグラフのオープン化については、Gigazineで速報しているので参照してほしい。
facebookに新機能、アカウント情報や写真等をzipファイルでダウンロード可能に

ポイントは「ユーザー自身が情報をコントロールする」という考え方に基づき、Facebook上にアップした情報(プロフィール、友人リスト、写真や動画、ノートやウォール、メッセージ、イベントなど)をファイルでワンクリック・ダウンロードできるようになるというもの。

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【出所: ThechCrunch】

これはFacebookがソーシャルグラフをオープン化する第一歩として、ユーザーのみならず、ネット業界では大きな歓迎で受け入れられるはずだ。これによりユーザー自身の判断で他のソーシャルメディアにFacebook情報を移行したりすることもできようになる。

ただし日30億回クリックされているLike情報や、友人間やコンテンツとの結びつきとして蓄積されているサイト内行動履歴は公開されず、Facebookが引き続き独占するねため、Facebookの圧倒的優位性は維持されるだろう。

 
■ 新しいGroups機能

もうひとつは既存Groups機能を大幅に改善した新Groupsだ。ヒトコトで言うと、ユーザーがFacebook内にさらにFacebook的コミュニティを自由に作成できるモノ。ポイントは次の通り。

  • 無制限にユーザーがGroupを作成できる
  • Group間でクローズしたChatが利用できる
  • Group間でメーリングリストが利用できる
  • Group間でWiki(“Docs”という名称のようだ)で文書を共有できる
  • Graph API for Groupsが公開される

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【出所: The Next Web】

これにより、次のような新しい用途が創造されることになるだろう。

1. 多様なグループ間での情報共有
家族、友人、サークル、趣味の集まり、同僚、同級生など多様な人間関係のGroupが大量に作成されるだろう。今までポータル系のグループや様々なメーリングリストで情報共有していた人々が一気にFacebook内に集約される可能性が高い。

2. ビジネスでの情報共有
企業内情報共有、タスクチーム内情報共有、多企業構成チーム間での情報共有など、ビジネス系の多様なチームに活用できる。ここに高度な開示制限付きスケジューラーが搭載されれば、既存のグループウェアやGoogleなどからの移行も加速するだろう。

これによって大きなダメージを受ける企業は多いはずだ。特にIT業界において、ビジネス系で利用可能なインフラ機能が無償提供されるインパクトは大きい。

  • 企業内Facebookを目指すYammer、Salesforce Chatter、エンタープライズ系ソーシャル製品群
  • Skype、AIMなどのチャットサービス
  • さまざまなメーリングリストサービス
  • GoogleやYahooなどポータルが提供するグループ系サービス
  • さまざまなグループウェア(ただし共有カレンダーがないので現在は限定的)

 

今までオープンだったFacebook内に、情報がクローズされたコミュニティが作成されることで、Facebookは階層構造を持つソーシャルネットークとして、より現実社会に近いカタチに進化したことになる。

これにより、他のサービスを利用していたユーザーは、シンプル化のためFacebook内にグループ情報を移行・集約する可能性が高く、Facebookの保持するソーシャルグラフは階層化され、複雑で精緻なものになる。

外部企業としては、APIで公開されるソーシャルグラフやGroup情報を用いてサービスを継続するのが現実的に残された選択肢となり、さらにFacebook内に高度に階層化されたソーシャルグラフの蓄積を促進することになるだろう。強烈な一手だ。

なお、Facebook Groups の動画はこちら。

 
その他の発表ついては、TechCrunch Japan をどうぞ。
Facebookのバージョンアップ発表会ライブ―新しい「グループ」など重要機能多数

新しいGroup機能の使い方については、TechCrunch Japan をどうぞ。
Facebookの新Groups機能をさっそく試してみた

他のFacebook他機能と新Group機能との連動については、Inside Facebook (英語) をどうぞ。
How Facebook Groups Integrates With Other Core Apps: News Feed, Events, Mobile

 

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最新の筆者著書です。 『Twitterマーケティング 消費者との絆が深まるつぶやきのルール』


著者プロフィール:斉藤 徹 (さいとう とおる)
株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役


2005年が創業。国内での企業向けSNS構築分野でトップシェアです。
(ミック経済研究所,アイティーアール社 2008年調査にて)
現在は,企業コミュニティを単体で捉えるのではなく,多様なソーシャルメディアと有機的に結びつけ「クチコミ動線」を設計・構築・運用するコンサルティング・ファームとしての色合いを強めています。

書籍・コラム・ブログは個人活動ですが,ビジョンとノウハウは,ループス社員一同で共有しています。創業テーマである Socialmedia Dynamics を見つめながら,ソーシャルメディアやクラウドソーシングの分野で高い専門性を磨き続けたいと日々励んでいます。(といっても全く堅い人間ではないです。 特に夜は柔らか過ぎと定評です)

Twitterアカウント toru_saito
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