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米Facebookがメール、ショートメッセージ(SMS)、インスタントメッセンジャー(IM)を統合した新しいメッセージサービスを発表した。Gmailキラーとうわさされたサービスの発表だったが、Google対抗色は一切打ち出さなかった。
発表によると、相手によって、メール、SMS、IMとメッセージの出し方を使い分けなければならない状況を打破するサービス。ポイントは3つ。
1. メッセージのコーナーから、相手に合わせてメール、SMS、IMのどの形でも送受信できるようになる。Facebookは、希望者に@facebook.comのアドレスを提供し、Facebookユーザーでない人ともメールのやり取りができるようにする。
2.メッセージはSMSの過去ログのように、友人ごとに過去のやり取りがすべて時系列に表示される。メッセージの形がメール、SMS、IMのどれであれ、同じ過去ログ上に同列に表示される。
3.メッセージは、「メッセージ」「その他」「スパム」の3種類に分類される。「メッセージ」は「友人」「友人の友人」からのメッセージのみ。それ以外のメッセージは「その他」に入る。スパムメールは「スパム」に。ソーシャルグラフ(人間関係データ)をベースにメッセージをフィルタリングする仕組みだ。
発表ではMicrosoftのOfficeとの統合の話は一切でなかった。ただうわさ通り、Microsoft WordやExcelのファイルをその場で見ることができるようになるもようで、Microsoft側ではOffice Exec – Office + Facebook = Easily share your ideas and documents with friendsと発表している。
米国のメディアやブログは、事前の「Gmailキラー発表か」といったトーンとは一転、米TechCrunchはFacebook’s Modern Messaging System: Seamless, History, And A Social Inboxといったシンプルな表現や、SocialBeatのFacebook’s Mark Zuckerberg: “This is not an email killer” | VentureBeatのような事前の報道を否定するような論調のものが多い。
時代の潮目になるか Facebook発表の見どころ【湯川】というエントリーで、今回の発表の見どころは、FacebookがGoogle対抗の姿勢を打ち出してくるのかどうか、米国のプレスやブログがFacebookとGoogleの対立の構図として受け止めるのかどうか、にある、と指摘した。結果は、Facebook自身、対抗姿勢を打ち出さなかったし、世論も今のところ対立の構図として受け止めていない。
FacebookのCEO、Mark Zuckerberg氏が「これは電子メールキラーではない。メッセージサービスにメールを取り込めるようにしただけだ」と繰り返し強調したからだろう。
Microsoft側ではOfficeファイルをその場で表示できることを大きな話として伝えたいようだが、Facebook側は発表の中でこれに一切言及せず。Googleに対抗するためにMicrosoftとスクラムを組んだ、という風には見せたくなかったんだろう。
まあFacebookとしてはまだまだGoogleを刺激したくはないというところなんだろう。Microsoftを怒らせても、まあいいか、というスタンス。w
Facebookにとって大事なのは、このメッセージサービスを広く普及させることであって、無用な対立構図を打ち出すことじゃないからなんだろう。
ではこのサービスが広く利用されるようになるのかどうか。まだちょっと分からない。僕自身はTwitterでDirect messageを送ることも多いので、Twitterのメッセージもこのサービスで一元管理できるようになると使うかもしれないけど。
米国のティーンエージャーはメールを「イケテナイ」と思っているらしいので、若者から浸透していくのかもしれない。
普及すれば、Facebookがメールサービス発表でgmail直撃?【湯川】というエントリーに書いた通り、スパムがまったく効果を持たなくなると思う。