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世界にとって望ましいソーシャルの未来
この度なんと、次回がもしあれば、ということで割愛させていただいた3つめのポイント 《世界にとって望ましいソーシャルの未来》に関する記事を再び寄稿できる機会をいただきました。
ソーシャルサービスって実際のところ、どうですか?
実は、僕は現在のソーシャルサービス業界について、あまりいい印象は持っていません。ソーシャルゲーム業界では今バブルのピークがきていますが、ソーシャルゲームって、ありとあらゆる時間を食い潰すちょっと意義の見えないサービスだと私は思います。だからこそ漢字読み取りゲームなんかが出てくるのでしょうが、ソーシャルゲームのメインターゲットである10~20代の学生、フレッシュマンにとって、時間は30代以降のそれよりもずっと価値ある大切なものだと思います。
Twitterを僕はソーシャルRSSと定義していて、ソーシャルフィルタリングを用いたRSSサービスとして用いればとても有意義なサービスだと思います。ですが単なる友人間でのつぶやき共有としてのみ利用するのであれば、それほど生産的なサービスではないなと思います。
結局、SNSやサービスというものは使う人次第だということになるのでしょうか?
僕は違うと思います。というよりも、ソーシャルサービスは本来もっと有意義で、可能性に満ち溢れたサービスになることができる。というのが僕の持論です。
SNSが満たす本質的なニーズ
そもそも、ソーシャルサービスが満たす人の本質的なニーズとはどういったものでしょう?
アブラハム・マズローという人物はご存知でしょうか?彼の提唱する理論の1つに「自己実現理論(欲求段階説)」というものがあります。彼はその理論の中で、人間の基本的欲求を低次から
1. 生理的欲求 2. 安全の欲求 3. 所属と愛の欲求 4. 承認の欲求 5. 自己実現の欲求
の5段階に分類しています。
それぞれ(以下Wikipediaを参考)
生理的欲求(physiological need)
生命維持のための食欲・性欲・睡眠欲等の本能的・根源的な欲求
安全の欲求(safety need)
安全性・経済的安定性・良い健康状態・良い暮らしの水準など、予測可能で、秩序だった状態を得ようとする欲求
病気や不慮の事故などに対するセーフティ・ネットなども、これを満たす要因に含まれる。
この欲求を満たすために一生涯を費やす人が、世界にはたくさんいる。
所属と愛の欲求(social need/love and belonging)
情緒的な人間関係・他者に受け入れられている、どこかに所属しているという感覚
この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなり、鬱状態になりやすくなる。
承認(尊重)の欲求(esteem)
自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求
自己実現の欲求(self-actualization)
自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化したいと思う欲求。
すべての行動の動機が、この欲求に帰結されるようになる。
としています。これに照らして考えていただければすぐに分かると思います。これまでの SNSが満たしてきたニーズとは、1~3の欲求ばかりでした。マイミクやフレンドを増やし、友達の日記にコメントし、自分の日記にコメントをもらう。集団に所属しているという安心感。女の子がよく友達同士で「親友」やそれに近い言葉を繰り返しなにかを確認するように連呼していますね。そういう欲求や不安を満たすものばかりでした。
もうお分かりだと思います。僕はソーシャルがこれから先、進むべくは4~5を満たすためのものでなければならないと考えています。
SNSは全然SNSなんかじゃない
僕はSNSを個人的には仕事の仲間の間では違う名称で呼称するようにしています。理由は、SNSというサービスが全然ソーシャルではないと思うからです。
SNSとはなんの略称かすぐに答えられますか?「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」です。社会的なネットワークを構築するためのサービスだと定義すれば、それでいいと思います。
ただ僕は個人的には「社会をそこに構築する。」という機能を非常に重視しています。 ソーシャルサービスである以上、それはソーシャルである必要があるし、独自のソーシャルを持つべきだと考えています。そして、僕はいつも「本当のソーシャルサービスはmixiやFacebookじゃない。Twitterと2ちゃんねる、そしてニコニコ動画だけだ。」と言っています。
本当の社会ってなんだろう?
僕は社会の主体が自分にあるとは思っていません。僕は社会を構成する塵ほどに小さな要素の1つでしかありません。社会は少なくとも「僕と私」「僕と友達」ではできていないのです。社会の主体はPeopleです。有象無象のPeopleが社会を構成しています。僕と私ではないのです。もっと広い意味で「人々」と捉える必要があると思います。
一歩外を出て歩いて見てください。大通りにでれば少なくとも何十台の自動車や、通行人が自分の周りを巡っているはずです。それが社会です。mixiやFacebookはそうではありません。社会はあなたがいなくとも何不自由なく回り続けます。それどころか、あなたが1週間ほど眠り続けるとすれば、あなたは目が覚めて社会がまるで別のトレンドや話題、ニュースで溢れかえ変わったことに気づくはずです。
社会ってそういうものです。少し目を離すと2ちゃんのスレが落ちている。とか、ちょっと目を話せばニコニコ動画で得体のしれないよくわからない似たような(素材を使った)動画で埋め尽くされている。つまり、本物の社会は有象無象のPeopleによって、独自のトレンドや文化を絶え間なく生み出すということです。
だからなのですが、僕はSNSと呼ばれるサービスをPNSと呼んでいます。その方がこれらのサービスをより正確に表現していると感じるからです。PNSとは「パーソナル・ネット ワーキング・サービス」の略称です。どうでしょうか?
本当のソーシャルサービスとは?
僕はここで新しいソーシャルサービスの概念を提唱したいと思います。SMS、もしくは SBS。それぞれSMSは「ソーシャル・ムーヴメント・サービス」SBSは「ソーシャル・ビルディング・サービス」の略称になります。社会の文化、トレンドをはじめとしたムーヴメントを構築する。もしくは、僕が上述した「本当の社会」を構築するサービスのことです。
既に社会的なムーヴメントや文化を発信するサービスはニコニコ動画をはじめとして存在します。つまり文化や社会を醸成するためのバイオリズムは既に存在するということです。あとはそれに、インセンティブを用意してあげて「よりよい社会を構築する」ベクトル付けをしてあげれば…。インセンティブはポイントやFoursquareのようにメダルをあげてもいいかもしれません。もしくはユーザーの自尊心を満たすためのアテンション機能をつけてもいいかもしれないですね。
僕は企業を含めた社会を構成するすべてが一丸となって、社会をよりよい方向へみんなが主体的になって導くことのできる、お互いがお互いを尊敬し、尊敬されるためにそのサービスを利用する。そんなソーシャルサービスを思い描きました。
少なくとも多くの人に尊敬され、認められるためには、最大多数の最大幸福に従う必要があります。それは地域によって異なることもあると思います。少なくとも、そうした原理をサービス内に組み込めば、サービスをただ世界に拡大していく必要はなくなります。それよりもずっとワクワクすることが起こるはずです。それぞれの地域に、その地域のソーシャルサービスでしか育まれないような文化やトレンド、そしてよりよい社会を導くサービスの誕生。《世界にとって望ましいソーシャルの未来》として、こんなサービスがあればいいと思いませんか? 僕なりの《世界にとって望ましいソーシャルの未来》について、一通りの持論を述べさせていただきました
ここまでお読みいただきありがとうございました。
追伸
僕がお蔵入りさせているビジネスプランの名前は「Peace-Maker」 近く陽の目を見させてあげたいと思う。
同志社大学法学部 3年 21歳
株式会社GREEN LOAD MOTERSプロモーション部門にて主要プロダクトのプロモーション戦略立案、実行を担当。
株式会社Rosalieとして、セキュリティ関連事業のソーシャル化を目指してVCと協議中。
iPhoneアプリケーション多数開発中(最高はカテゴリ別無料ランキング4位)
学生事業家組織SeD代表として就活ソリューションの提供、アントレプレナーシップの養成と起業の実現を支援。
神戸サロンコレクション2010の運営リーダーも務める。
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