「もはやユーザー数に意味はない」FacebookのCEOが提唱する「シェアの法則」【湯川】

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 米FacebookのCEOのMark Zuckerberg氏が「すげえ発表」と形容した発表は、実のところそれほどすごくなかった。(関連記事:Facebookがビデオチャットを搭載 「すげえ発表」にあらず【湯川】 : TechWave

 だが今回の記者発表の席で、Zuckerberg氏が非常に興味深い話をしていたのでご紹介したい。

 Zuckerberg氏は話の中で、Facebookのアクティブユーザー数が7億5000万人を超えたことを正式に認めた。7億5000万人を超えた時点で、これまでのようにこの数字を発表することはしなかったという。なぜ発表しなかったのかというと、ユーザー数を追うことがもはやそれほど重要でないと考えるようになったかららしい。

 「ユーザー数を伸ばすことがZuckerberg氏にとって最重要課題」という話が、これまであちらこちらから聞こえてきた。同氏自身「これまでの5年間はユーザー数を伸ばすことが最も重要だった」ことを認めた。しかしこれからの5年間は違う、と同氏は言う。

 「多くの人がFacebookユーザーはいずれ10億人に達すると考えている」と同氏は言う。そして自然とそうなるのだろう。だからそこに注目してもあまり意味はない。

 それよりもこれからの5年間は情報共有件数を最も重要な指標として注目していきたいという。同氏によるとFacebook内でのユーザーの活動データを見ると、「近況」を書いたり、「いいね!」ボタンを押したり、「写真」をアップしたりという情報共有の1ユーザー当たり平均件数は、1年で2倍になることが分かった。一定の法則性が存在するというわけだ。

 そしてこの法則性が事実だとすると、来年の一人当たりの情報共有件数は今年の倍に、再来年は4倍に、3年後を8倍に、4年後は16倍に、5年後は32倍にと、指数関数的な増加を続けることになるという。

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 半導体産業にはムーアの法則というものがある。米インテル社の共同創業者ゴードン・ムーア氏が提唱したもので、半導体チップに搭載されるトランジスタ素子の数は18か月で倍になるという経験則、将来予測のことだ。

 Zuckerberg氏によると、同様にソーシャルメディアにはシェアの法則とも呼ぶべき法則性があるというわけだ。

シェアの法則:情報共有件数は1年に2倍のペースで指数関数的な増加を続ける

 ムーアの法則に従ってインテルは開発計画を推進したし、コンピューター産業全体もハードやソフトの開発計画を描いた。同様に、シェアの法則に従って次のアプリやサービス、機能の開発を進めるべきだ、というのがZuckerberg氏の主張だ。

 同氏によると、今日Facebook上では一日40億件の情報が共有されている。来年には80億件、再来年には160億件の情報が共有されるようになるというわけだ。

 グラフを見れば、今まさに壁のような急成長のフェーズに入ろうとしていることが分かる。

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 情報発信、情報共有に対するわれわれの意識は変化する。それも今後、凄まじいペースで変化を続けるとZuckerberg氏は指摘するわけだ。

 「日本人は受身の国民性なので」などと言っている場合ではない。3年後に今の8倍、5年後に32倍も社会が情報発信、情報共有する時代になるという前提で、これからのサービスを開発していかなけらばならない。またそうした時代に向けて、自分はどのような価値を提供できる人間になっておくべきかを考えないといけない、ということなのだと思う。

蛇足:オレはこう思う

 Mark Zuckerberg氏とMixiの原田明典副社長って同じような未来を見ているって過去に何度か書いたけど、またしても同じことを言っているのでびっくり。

 Zuckerberg氏は、ユーザー数よりもシェアの件数のほうが重要な指標だと主張するわけだが、原田氏も昨年秋ぐらいに同じことを言っている。

 Facebookでは、1回の「近況」投稿を1件、1回の「いいね!」を1件、1回の「写真」アップを1件と数えて集計し、1日に40億件の情報共有が行われているとしているが、mixiでも昨年秋ぐらいから同様の集計方法で「コミュニケーション投稿数」という指標を発表している。(関連記事:<a href=”http://techwave.jp/archives/51590693.html”>mixiの新指標「コミュニケーション投稿数」で、1月は6億件突破【湯川】 : TechWave</a>)

 ただ世の中はまだページビューやユーザー数が中心的な指標なので「コミュニケーション投稿数を発表してもだれも評価してくれないんだけど」と原田氏は冗談交じりに語っていた。遠く離れていても、二人のビジョナリーは同じ未来を見ているのだなと思う。