モリサワも参入、ウェブ新潮流「クラウドフォント」とは?【増田(@maskin)真樹】

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 書体データ販売のモリサワが8月10日に参入を表明したクラウドフォントサービス(「TypeSquare」という仮称で2011年度中に展開)は、書体データをクラウド上に展開し、インターネット経由でデータを配信するというもの。必要なデータを適時ダウンロードすることができるため、スマートフォンなどストレージ容量が小さくデバイスでもフォントをインストールすることなく利用できる。しかし、実際、どのように使うものなのかピンときてない人もいるのではないだろうか。




 仕組みは単純だ。ウェブページのスタイルシート(CSS3)でフォントのデータが書かれたURLを指定するだけ。ページを表示する際に、当該フォントデータをダウンロードしにいく仕組み。フォーマットはウェブ用途に特化したWOFF=Web Open Font Formatという形式が使用されていることが多い。WOFFは、2011年8月4日にW3C勧告候補として「WOFF File Format 1.0」が公開されている。

 すでにGoogleも「WebFonts」として無償で仕様できるフォントの提供を開始している。この記事に冒頭のフォント一覧はGoogle WebFontsの書体を比較できるサイト「FontComparer」を使って作成したもの。一つ一つフォントデータをダウンロードした上で表示(レンダリング)させているため、以下のように拡大しても仔細な部分も確認できる。

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ブラウザの「拡大」機能でズーム表示したところ

 有料のフォントの場合は、購入手続を踏んだ上で、“自分専用のクラウドフォントURL”を取得することで同様の使い方を実現するケースが多い。

 ただ、当然フォントをクラウドに頼ればダウンロードに時間がかかってしまう。欧米フォントならば100kバイト以下に納められるが、数の多い日本語の場合最低でも数メガは必要だと考えられるため、フォントデータの一部を提供するなどの工夫がなければ実用的に使えるとは考えにくい。

 その点、モリサワはどのような方法で解決をしていくのか。今のところは明確になっていないようだが、2011年内のサービス展開までの間に、随時取材していきたいと思う。モリサワは、今回のクラウドフォント後送発表と同時に、リュービやタイプバンクを吸収しているばかりでなく、クラウドフォントで「モリサワフォントだけでなく、国内外問わず様々なフォントメーカの協力のもと書体ラインナップを充実させていく予定」(同社リリースより)とのことで、日本国内におけるウェブフォントの潮流の先陣を切りたい考えだ。

 以下は、米のクラウドフォントサービス「WebFontService」の利用説明ムービー。フォントを購入して、ウェブページに当該CSSのURLを記述する手順が記録されている。参考まで。

Typotheque Web Font Service 2.0 from Typotheque on Vimeo.

追記 国内初ウェブフォントを提供開始したシーサー「デコもじ」
2010年5月、国内初でウェブフォント提供を開始したseesaaさんの「デコもじ」について触れておらず大変失礼しました。同社は既に多数の日本語ウェブフォントの提供をしている他、API対応やフォントベンダー向けのOEMサービスも提供している。ウェブフォント適用の効果は導入サイトを見れば一目瞭然。やはりフォントダウンロードには少々時間を要する模様だが、テキストの要素として追記する形なのでダウンロードまでの時間にテキストは読める。もちろん文字を画像にするよりもSEO的な効果もある。

■ 関連URL
・モリサワ クラウドフォントサービス「TypeSquare(仮称)」を発表 | 企業情報 | 株式会社モリサワ
http://www.morisawa.co.jp/corp/news/20110810_03.html

蛇足:僕はこう思ったッス
なんだかんだいっても時代はクラウド。スマートフォンやタブレット市場が成長すると共に、クラウド対応のウェブフォントの存在価値は高まる。とても重要な動きだと思うが、価格や実装方法などの戦略次第という面もあるように思える。

著者プロフィール:TechWave副編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
 コードも書けるジャーナリスト。イベントオーガナイザー・DJ・作詞家。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代は週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーでベンチャー起業に参画。帰国後、ネットエイジで複数のスタートアップに関与。フリーで関心空間、富裕層SNSのnileport、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。“IT業界なら地方で成功すべき”という信念で宇都宮市から子育てしながら全国・世界で活動中。 / ソーシャルアプリ部主宰。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。
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maskin

Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭から国内外のソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを経験。。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、ネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。直近では通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のIT系メディアであるスペインの「Softonic」に参加後、2016年からTechWave第三章として新興メディアの開発を再スタート。国内最大規模のスタートアップ&B2Bイベント「アプリ博」のオーガナイザー。

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