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米Washington Post紙は、音楽の定額制サービスが楽曲の売上に悪影響を与えるという調査結果を受け、英の音楽流通業者がspotifyやNapsterなどの定額ストリーミングサービスへの楽曲配信の停止を決めたと報じた。
定額制サービスへの配信停止を決めたのは、英の電子音楽専門の流通業者ST Holdings社。
ST Holdings社の発表によると、定額制サービスが伝統的なデジタル配信サービスの売り上げを減少させることがこれまでの同社の調査や、NPD GroupとNARMの調査結果で明らかになったため、ST HoldingsがCDの流通や電子配信を受け持つ独立系レーベル約200社の全ての楽曲を、SpotifyやSimfy、Rdio、Napsterなどの定額制ストリーミングサービスへ提供しないことに決めたという。
ST Holdings社によると、多くのレーベルは売上減になるため定額制音楽配信サービスへの楽曲提供を希望していないという。
NPD GroupとNARMが発表した問題の調査結果の一部はDigital Music Newsが報じている。インターネット環境が楽曲購入にどのような影響を与えているかという調査結果が下のグラフ。音楽のファン層を、音楽が大好きな層(Committed)からそれほど好きでもない層(Content)まで5段階に分け、インターネットへのアクセスが十分な環境がある際に、楽曲購入が増えたか減ったかをたずねたもの。
その結果、音楽がそれほど好きでもない層は、ネットアクセスが十分な環境で楽曲購入が増えたが、それ以外の層はすべて楽曲購入が減った。
その理由について「音楽大好き(Committed)」の32%と「音楽まあまあ好き(Convert)」の44%が「いつでも好きな曲を聞けるので、楽曲を購入する必要を感じない」と答えているという。
音楽をそれほど好きでもない層は、定額制サービスのおかげで音楽に触れる機会が増え、楽曲を購入することが増えたのだろう。一方で音楽大好きな層は、定額制で聴き放題なので楽曲を購入しなくなった。まあそうだろうなと思う。
問題は定額制サービスが今後どのような広がりを見せるか。特にソーシャルな機能が効果を発揮し始め、より多くの「それほど好きでもない層」が音楽に触れる機会が増えれば、楽曲売り上げが伸びるかもしれない。
それともやはりデジタルコンテンツは無料の方向に進むしかなく、アーチストはライブやその他の収益源に軸足を移すしかないのだろうか。