SXSWでの「路上ライブ」が大盛況ー音でURLを伝えるToneconnect【本田】

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[読了時間:2分]
 オースティンの街中が会場となるSXSWでは、ブース展示だけがアピールの仕方ではない。interactive部門の各社も趣向を凝らした「路上ライブ」を行なっていた。その中、日本から参戦したToneconnectはユニークなパフォーマンスで聴衆の目と耳を惹きつけていた。パフォーマンスの合間に、株式会社トーンコネクトCEO加畑健志(Takeshi Kabata)氏と、CMO吉田尚記(Hisanori Yoshida)氏に話を伺った。

 Toneconnectとは吉田さんの言葉を借りると、「音のQRコード」と説明するのが一番分かりやすい。音でURLを送る事が出来るサービスだ。使われている技術は、DTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)、つまり「ピ・ポ・パ・ポ」というあの電話のプッシュ音。DTMFが奏でる16音色の中から独自のIDに変換し、8-10音を組み合わせてgoogleの短縮URLを生成している。写真のように、スピーカーから大き目の音を出せば、近距離の人へ同時にURLを伝えることが可能になる。

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吉田さん(左)が持つスピーカーから出るプッシュ音を加畑さんが受ける(Photo:Masahiro Honda)


 近距離の情報伝達において、Toneconnectのメリットは大きい。赤外線や今注目のNFCは、デバイスに組み込まれていないと使えない。しかしToneconnectが必要とするのは、ほぼすべてのスマホに備わっているマイクとスピーカー、それにアプリだけである。また、赤外線を何百人に同時に照射することは出来ないが、音ではそれが可能だ。利用シーンとしては、授業や会議で資料配りとして使える他、ラジオやテレビでも伝えることが出来る。

 また、吉田さんがオースティンで実感したことは、出会った人とソーシャル系サービスのアカウント交換をその場でスマホで行いたい時、例えば同時に5人繋げることを想定すると、全員が繋がるのに膨大な時間と手間がかかるということだ。「インターネットはIDやURLを知っていれば、地球の裏側でも一瞬で繋がることが出来る。逆に目の前の人には、URLを伝えることすらかなり苦手なんですよ。」(吉田)

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子供たちが集まってきた

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音を受けてURLが開くところ。

 さて、この吉田さん、ニッポン放送のアナウンサーである。かつ、先日、新会社・株式会社トーンコネクトの設立を発表した。

関連記事:ダイヤル音「ピポパ……」で近接通信できるアプリ、ニッポン放送が新会社
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120307_517037.html(2012年3月7日)

 ラジオ局のアナウンサーとして、震災時に困ったことの一つは、計画停電の情報をラジオで伝えることだったそうだ。他にも伝えなくてはいけない情報がある中、あの細かく分けられた情報を全て読み上げるには何十分もかかる。その際に東京電力のサイトのURLを伝えるが、アクセス過多で閲覧出来ない状態が頻発。あの当時、偶然アクセス出来た人たちは、自分のサイトにその情報の載ったPDFをアップし始めた。そこに誘導したいが、個人ページのため検索にもひっかからず、URLも独自ドメインのシンプルなものではなく、長いURLをラジオで言っても誰も打てない。

 取材で訪れた渋谷で毎週月曜日のみオープンするバー「bar android」で出会った加畑さんにその時のことを話すと、「スマホにラジオを聞かせればいいじゃん」と言って出来たのがToneconnectだった。昨年夏に最初のバージョンが出来、秋には自身がパーソナリティを務めるラジオ番組で、Toneconnectを使い同時に50人に送信、40人以上がURLを取得出来た。自信を深めた2人は、2012年2月20日に会社を設立したのだという。

 SXSWでは、有名企業のブースへ積極的に出向き、Toneconnectを実演してきたそう。
 「世の中のコンテンツはリンクで広がるけれど、ラジオはリンクが貼れない。『詳しくはホームページを』と言ってURLをしゃべるより、トーンコネクトを使った方が簡単。SXSWでも似たようなサービスは見つからなかった。メジャーなサービスに組み込まれるようなサービス・機能にし、いろんなものと繋げていきたい。」(吉田)

 Toneconnect(Google Play)
 https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.adlibjapan.android.ubiwa.dtmf&hl=ja
 Toneconnect(Apple App Store)
 http://itunes.apple.com/jp/app/toneconnect/id498170239?mt=8

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株式会社トーンコネクトの吉田尚記さん(左)、加畑健志さん(右)
蛇足:私が思うに、
 個人的に今回、日本勢で最もSXSWの乗りに合ったプレゼン・パフォーマンスをしていたのがToneconnect。路上や相手先のブースでの「ゲリラライブ」は音声伝達をするサービスにはうってつけのやり方で、自分たちのブース展示で待っているようでは、その魅力は伝わらなかったと思います。
 音を伝えるために動画も撮っておけば良かったのですが、今日(3/19)のWBSで彼らの模様が放送されるようなので、動くToneconnectはそちらを是非見て下さい。

【お知らせ】SXSWに関する報告会が2つあります。
 3/23(金)、海外カンファレンス出展レポート ~SXSW × midem × Launch~ #peatix323
これは、midem、Launchという他のカンファレンス参加者と一緒に。SXSWについて、私とCompath.meの安藤さんが登壇します。

 4/5(木)、SXSW2012 Look Back Meetup~SXSW2012を振り返り、SXSW2013に向けて多くを語り、多くを学ぶ!
 こちらはSXSWだけの報告会。頓智ドットの井口さんや出展者などと、今年の報告および来年に向けたキックオフ的なイベントです。

著者プロフィール:本田正浩(Masahiro Honda)

写真家、広義の編集者。TechWave副編集長
その髪型から「オカッパ」と呼ばれています。

技術やビジネスよりも人に興味があります。サービスやプロダクトを作った人は、その動機や思いを聞かせて下さい。取材時は結構しっかりと写真を撮ります。

http://www.linkedin.com/in/okappan
iiyamaman[at]gmail.com

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