韓国スタートアップから学んだ4つの起業家トレンド 【笠井レオ】@maskin

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[読了時間:2分]

@maskin プレ蛇足: 韓国と日本の違いとは?
去る2011年11月28日、 韓国を代表するインキュベーターと起業家に接するセミナー「Youth Venture Summit-Go Global Session-」が開催されましたが、そこで韓国の起業家と出会い実際に韓国に飛んだ明治学院大学の笠井レオさんが体験レポートを作成してくれました。過去のITブームで成功した起業家が国内スタートアップに再度投資をするというトレンド、国際展開をする時の人材不足等は日本と変わりないようです。しかし日本と韓国、スタートアップにおける決定的な違いがあるようです。

韓国スタートアップから学んだ4つの起業家トレンド

 笠井レオと申します。私は現在明治学院大学経済学部1年生の身で株式会社Whyteboardなど複数社のスタートアップでのインターン並びに韓国のスタートアップであり動画共有のスマートフォンアプリケーション『RECOOD』を展開するAhiku Corp.の日本語版サービスの翻訳を行なって参りました。現在はIncubate Camp3期生としてインキュベーションプログラムに参加し、自身のサービスにより起業準備をしています。

Ahiku Corp.など韓国スタートアップとの出会い




 そもそも、Ahiku Corp.との出会いは2011年11月に開催された慶應大学 梶谷恵翼氏、インキュベイトファンド木下慶彦氏などが主催した「Youth Venture Summit-Go Global Session-」がきっかけでした。

 このイベントでは韓国を代表とするインキュベーター、起業家が約30名来日し「Go Global Session」と題した日本のスタートアップと意見交換をするセッションが行われました。一参加者として当日参加していた私はここからAhiku Corp.との接点を持ち始めサービスの翻訳の仕事を受けることになったんです。

 この縁をきっかけに、その後2012年3月4日から9日までの6日間、韓国のスタートアップを訪問し、肌で感じて来きました。そこで体験した韓国スタートアップの現状と彼らの持つ起業家マインドについて紹介して行きたいと思います。

 取材に伺ったのはオンライン教育サービスSMATOOSのCEO Alan Kim氏とAhiku Corp.のNaru Kim氏。Alan氏は13年前、大学在学中に起業し、2004年韓国高速成長企業50に選定されたETOOSの創業者でもありシリアルアントレプレナーでもあります。

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左:SMATOOS StaffCEO & Founder Alan Moonsoo Kim氏、右:笠井氏

1.自国マーケットの小ささから、グローバルで戦わざるおえないこと

 韓国の市場規模は全体的に非常に小さく(人口は5,000万人弱であり、GDP規模においても日本の1/5程度)、韓国の起業家は共通してグローバルへの志向が非常に強いと言えます。

 特に、インターネット分野で言えば今最も注目されている分野の一つであるモバイルリワード広告市場は、韓国と比べて巨大な市場となる日本マーケットの動向に非常に注目が集まっているようです。

2.スタートアップが勝てる市場こそ海外

 韓国国内のビジネスドメインにおいては、日本でも馴染みの深いサムスンやヒュンダイなどの大企業が市場を独占していて、韓国のスタートアップが国内だけでビジネス展開するということは非常にリスクが高いと考えられています。その辺が、グローバルを志向するプレイヤーが多い理由とも言えます。

 中国のインターネット市場を見れば、iPhoneのランキング上位に必ず韓国のIT企業が開発したアプリがランクインしているのを確認できると思います。過去に中国で成功した韓国企業に続こうと、昨今韓国の企業から出るアプリのほとんどは中国語にも対応し開発していくトレンドがあるわけです。

 このように韓国の急伸するスタートアップの多くは現在、中国国内にもオフィスを構えて、現地の人を採用して事業を展開しているのが現状です。

3.情報収集力の高さ

 Naru Kim氏「RECOODは、現在韓国語と英語に対応しているが、4月には日本語版をリリースし、最終的にはフランス語を合わせた4カ国語に対応し、世界中にRECOODを拡大させていく予定である。そのために、共同創業者COOのIs Koo氏が世界中のピッチイベントに駆け回る他、外国人留学生をインターンとして迎え入れる等あらゆる手段を使って、現地とのネットワークを形成しながら、常に現地から最新の情報を入手するように気を配っている」(AHIKU Corp.のCEO Naru Kim氏)

 このような活動を日本のスタートアップで実現出来ている会社はあるでしょうか? 私の知る限りではKDDI社が買収を行ったことで話題となったノボット社がこれに近い動き方をしていたように感じていますが他に例を見ないと思います。

4.テクノロジーに精通したアントレプレナー

 韓国のスタートアップの特徴として、自らも開発経験のある技術者出身の起業家が多いといいます。今回取材したSMATOOSのAlan Kim氏もAHIKU Corp.のNaru Kim氏も今では経営に専念していますが、もともとは開発者としてキャリアをスタートしています。

 Alan Kim氏は「韓国で技術者出身の起業家が多い理由としてはグローバルに進出し、成功を収めている韓国企業に技術者のCEOが多くいたことや起業環境の整備の2つの要因がある」と分析しているようです。

 過去に起業して成功した人がエンジェルとして投資するケースが近年増加している。そして環境面においては、法律の改正で多くの資本を必要とせずに会社を設立できるようになったという背景があるようです。ただし一方でエンジェルとして活躍する人間は韓国国内で成功した起業家が多く、グローバルを目指す起業家の相談相手になれる投資家が不足しているという問題もあるようです。

[取材を終えて]

 日本でも、”Go Global”というフレーズとともに海外マーケットへのビジネス展開が加速しているが、日本と韓国での一番の違いは、韓国企業にとってグローバル展開は「必然の選択肢」である点でした。今回取材した2社は毎月世界各地に実際に足を運び、自分の目で情報収集をしています。フットワークの軽さと強い基盤で、着々とグローバル展開を進める韓国のスタートアップは、今後も注目したいと思います。

【関連URL】
・GO Global! 韓国を代表するインキュベーターと起業家に接する機会、渋谷でセミナーイベント開催
http://techwave.jp/archives/51712352.html

寄稿者プロフィール: 笠井レオ
寄稿者プロフィール:明治学院大学経済学部1年。海外発のアプリ、WEBサービスの日本語訳を務める翻訳家として現在活動。翻訳の仕事をする中で、ITとグローバルの融合に可能性を感じる。複数のスタートアップにてインターンを経験し、在学中の起業に向けた修行中の日々。
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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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